インターセプト

レイラ

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第2部 7幕

インターハイ3回戦ー山城高校ー9

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 風斗がレイアップシュートをするとフェイクして、ダブルクラッチをして、会場を沸かせていた。

 第2クォーターが始まって30秒で、風斗はあっという間にシュートを決めた。

 今、試合に出ている城伯高校のメンバーは、俺、慧、快、風斗、孝也。

 山城高校は、山高、三浦、鈴野、三井、戸倉が試合に出ている。

 戸倉は、あぁ~やっちゃったなぁという顔をしていた。舌を出して、失敗した。ごめんと三井に訴えていた。

「まぁ、いいよ、取り返せばいいんだから」

 三井は、舌を出して失敗したと言ってくる戸倉に苦笑いした。なんだか可愛い仕草だ。

 山城高校のオフェンスになり、山高がボールをコントロールする。どういうプレーをしようか考えている。

 判断できずにいる山高の隙を狙って、俺はボールを奪うことを試みた。スティールだ。ボールを叩くことはできた。

 山高の手からボールが離れて、そのボールは転がった。このボールはルーズボール。俺はルーズボールを取りに行く。

 ボールを奪い返そうと山高もやってくる。

 俺と山高のボールの取り合い。俺と山高がボールを持ち、マイボールにしようと、ボールを抱える。

 ピーッと笛の音。

 ジャンプボールシチュエーション。ジャンプシチュエーションになったときは、交互にスローインからゲームがスタートする。

 今回は山城高校のスローイン。

 次にジャンプシチュエーションになったときは、城伯高校のスローインとなる。

 もう一度、山高がボールをコントロールする。

 山高は一歩踏み出し、俺に身体を当てにくる。

「おっ……!」

 俺は強く体を当てられてバランスを崩して倒れそうになる。日頃のトレーニングが効いているのか。体幹が強くなっていたため、上手く態勢を整えることができた。

 ファウルはなし。山高は一歩下がって、俺との距離が離れ、スリーポイントが打ちやすくなった。迷わず、シュートをする。

 山高のスリーポイントは見事に決まった。軽々と打ったように見える。実際は、脱力して、膝のクッションを使って打っただけ。それでも、スリーポイントは難しい。

「なるほどなぁ、ディフェンスを躱すには体をもっと当てにいかないとダメなのか」

 山高はひとつ、学んだと感じていた。当てにいくだけでも、これだけプレッシャーがかかる。

「身体を当てにいくと、一歩遅れるな」

 俺は俺で体を当てられて躱されて、これがオフェンスの時にできれば、シュートチャンスが増えると感じた。もちろん、壁になって、ディフェンスの動きを封じるスクリーンというものも必要だ。

「よし!取り返すぞ!」

 俺は頬をパンパンと叩いた。
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