インターセプト

レイラ

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第2部 5幕

インターハイ開幕19

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 俺たちは、灯が何気ない顔でディフェンスに戻ったのを見て、慌てて、ディフェンスに戻った。

 市村がボールを支配する。

 市村の動きを読もうと、俺はじっくりと観察する。

 市村はボールを立川に渡すと、ゴール下まで走る。パスをもらいに行こうという素振りを見せて、実は、快にスクリーンをかけに行く。

 快は一時的に、市村に壁を作られ、動くことができなかった。その隙に、立川は空いたスペースに入り込み、ジャンプシュートを決めて見せた。

 点の取り合いだ。俺たちが決めれば、三ツ谷高校も入れてくる。

 3クォーターは、あと2分を切った。

 城伯高校のオフェンス。

 俺はボールを持ちながら、全体を見た。

 貴を呼び、パスを出すぞとアピールした。

 ただし、貴はおとりだ。貴がフリースローラインのところまで来ると、智樹が貴のいた台形の外へと移動した。

 貴はそのまま、スリーポイントラインの位置に移動する。智樹と貴の位置が入れ替わった。

 その瞬間を見計らって、俺は智樹にパスを出す。

 智樹はくるっと回転してゴールのほうに体の向きを変える。シュートをする気でいて、ジャンプシュートの姿勢をとった。

 ジャンプしてシュートを放つかと思いきや、貴にパスを出す。

 智樹からボールをもらい、貴は迷わず、スリーポイントを打つ。そのスリーポイントシュートは綺麗に決まった。

 スリーポイントから台形の中(ペナントエリア)のシュートが多くなってきたところに、再び、スリーポイントを打てば、スリーポイントが頭から抜けてしまうので、対応が遅れる。

 そのため、また、スリーポイントを楽に打てるようになる。

「よし! ナイシュー」

 貴のスリーポイントに、高宮コーチがガッツポーズして声をかけた。

 今、まさに接戦。さすがにこういう試合だと、高宮コーチも興奮するのかもしれない。

 市村がドリブルをしながら、ゆっくりとプレーを組み立てる。

 野崎にパスをすると、野崎は1対1を仕掛ける。

 智樹は、しっかりと野崎について、シュートをさせないようにする。

 それでも、野崎は強引に入っていき、シュートに持ち込もうとしたとき、智樹が吹き飛ばされた。

 智樹は手を挙げていて、そこに野崎が押しのけてシュートに行こうとしたたため、これは野崎のファウルとなる。

 オフェンスファウルだったため、フリースローにはならない。

 城伯高校のオフェンス。おそらく、3クォーターは、これが最後のプレーとなるだろう。

 残りあと3秒。

 俺は、灯からボールをもらうと、軽くドリブルをして、賭けに出た。センターラインの辺りから、シュートを放つ。

 これは入るとは思わないけれど、できればシュートで終わりたい。

 このシュートが奇跡を起こした。

 半ば強引に放ったはずなのに、ボールはボードに当たって、そのままリングの中へ入ってしまった。

「おぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」

 会場にいる全員が叫ぶ。

 俺は驚きすぎて、喜ぶこともできなかった。

「今の入ったのか……!」

 同時に3クォーター終了のブザーが鳴った。
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