インターセプト

レイラ

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第2部 5幕

インターハイ開幕10

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 三ツ谷高校は、スリーポイントを決めた城伯高校に対し、仕返ししてやろうと吉村がスリーポイントを放つ。

 そのスリーポイントは外れてしまい、市村と吉村は、他のメンバーにリバウンドを任せ、ディフェンスの準備を始めた。

 リバウンドを取ったのは、立川だった。

 立川は、快のディフェンスをよく見ていた。

 シュートをする態勢を作って、快に手を伸ばさせる。

 立川の狙い通りだった。

 快の左脇が空いている。

 快の左脇をくぐって、ボールをゴールに置いてきた。

 そのボールはリングの周りをグルグル回って、リングの中に入った。

「おぉ! ナイシュー!! 渉!」

 吉村が立川に親指を立てて声をかけた。

 市村は拍手を送っている。

「甘かった」

 悔しそうにしていたのは、快だ。

 簡単に立川に抜かれたことで、得点を奪われた。

 悔しい気持ちをプレーでぶつけることができるか。

「快、返そうぜ」

 俺はニヤリと笑って、快を和ませた。

「はい、このままでは終わらないですよ」

 快は俺の言葉に火をつけたようだ。

 俺はボールを持ちながら、様子を見る。

 直接、快にパスをするとき、俺は目で合図した。

 豪快なダンクを見せろと。

 快は、俺の意図が理解できたようで、パスをもらうと、迷うことなく、豪快にダンクシュートをして見せた。

 両手でボールをリングに叩きつけ、試合を観ている人、全員を魅了した。

 ゴールが揺れるほど、迫力のあるダンクシュート。

「おぉぉ、パワーがあるな」

 観客からそんな声が聞こえてくる。

 このダンクで、中山ディーノス快という城伯高校の選手を印象付けた。

「良い選手が揃ってるな」

 ジェームズは城伯高校のメンバーを見ながら、何かを探っているように見えた。

「とりあえず、俺たちのプレーに集中するぞ」

 金田に促され、ジェームズは頷く。

 市村はパスができる状況ではないと読み、自分でゴール下まで切り込もうとした。

 俺は市村のドリブルを止めようと、スティールを試みる。

 そんなに簡単にスティールができるわけではない。

 それは市村もわかっているから、俺の隙を狙っている。

 ところが、市村も城伯高校のプレーに圧倒されたのか、心理的に冷静さを失っていた。

 手が滑り、ボールが手から離れそうになる。

 そこを俺は見逃さなかった。

 その瞬間で、俺はボールを奪い取る。そして、ドリブルで一気に走っていき、ボールをリングにそっと置いてくる。

 レインアップシュート。バスケの基本ともいえるレインアップシュートは、一番、プレーでも使うシュートだ。

 そのボールはリングの中へ吸い込まれていく。

「悪い、何やってるんだ、俺」

 三ツ谷高校のメンバーに謝ると同時に、市村は不甲斐なさを感じている様子だ。
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