インターセプト

レイラ

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第2部 4幕

久しぶりのオフ8

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 達也のお見舞いに行った後、思いもよらないことが起こった。

 達也は入院中なので無理だったが、インターハイ出場が決定したお祝いに、焼肉パーティーをしようと高宮コーチが言ってきた。

「えっ? マジ?」

 俺は目を丸くした。

 男子バスケ部の全員で焼肉パーティーなんてびっくりだ。

 もちろん、男子バスケ部の一員である、マネージャーの美香も焼肉パーティーに参加。

 高宮コーチの奢りらしい。

 お昼ご飯に焼肉パーティーをしようということになり、今、焼肉屋さんで焼肉パーティーの真っ最中。

 自分で焼いて食べる。最高の時間。

「たくさん食べろー」

 高宮コーチはニコニコしながら言った。

 高校生なのでお酒は飲めないから、乾杯や縮小の挨拶はなく、とにかく食べることに集中した。

 同じテーブルで焼いていると、自分の焼いた肉がわからなくなって。

「あれ? 俺の肉……」

 なんてことになるかと思いきや、どうでもいいらしい。

 他人の焼いた肉でも構わず食べている。

「おっ……ゴホッゴホッ」

 灯が口いっぱいに焼肉を頬張って、慌てて食べるからむせている。

「食事はゆっくり味わって食べろよ」

 高宮コーチは、灯にそう言いつつも、なんだか楽しそうだ。

 意外とたくさん食べるのは拓斗だ。拓斗は普段、クールだし、あまり、モリモリ食べる印象もない。

 その拓斗が、1人で20人前は軽く平らげてしまうほどの大食いだったとは。

「食べっぷりが良いな、拓斗」

 高宮コーチは拓斗の食べっぷりに、気持ちよさそうだった。

 確かに拓斗の食べっぷりを見ていると、爽快で気持ちいい。

 これはお店のスタッフも大喜びだろうな。

 ワイワイ、ガヤガヤしながら、食べるご飯は美味しい。

 焼肉といえば、やっぱりご飯が進むよなぁ。

「おかわりー!」

 俺は、いつのまにかご飯を5杯もおかわりしていたようで。

「ご飯もよく食べるねぇ、5杯目だよ」

 お店のスタッフ、中年くらいの女性かな。笑顔でご飯を持ってくる。

「だって、美味しくてご飯も進んじゃうよねー」

 快が俺の言葉を代弁した。

「確かにそうだよなぁ」

 智樹がうんうんと頷きながら、焼肉を食べている。

「俺ももう一杯下さい」

 遠慮がちに頼んだのは、風斗。

 風斗はバスケの時は、積極的にプレーするようになったものの、バスケから抜けたら、遠慮がちだ。

 それでも、この美味しさに食欲が増しているようだ。

 遠慮しつつも、風斗は4杯目のご飯を、おかわりした。

 焼肉も1人何人前食べたのか、わからないほど、たくさん食べている。

 こんな最高の食事はないな。また、これからも気合入るし。

「うぅっ、もう、無理ぃ、お腹いっぱい」

 リタイアしたのは慧。慧もたくさん食べていたけれど、お腹が膨れたようだ。

 慧はお腹をさすりながら、深呼吸した。

 こんなにたくさん食べることも、滅多にない。いい機会だからと、つい、食べすぎて、お腹が苦しい。

 全員がお腹いっぱいになったところで、焼肉パーティーはお開き。

「高宮コーチ、ありがとうございました」

 と、慧が丁寧にお辞儀をして言うと、続いて、全員で声を揃えた。

「ありがとうございました」

 よし、焼肉もたくさん食べたし、インターハイも頑張るぞー!
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