インターセプト

レイラ

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4幕

インターハイ予選

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 千葉レッドブルーというプロ選手チームとの練習から、1週間経過した。

 そろそろインターハイ予選が始まる時季が近づいてきている。

 ゴールデンウィークが始まる。

 すっかり、少し運動しただけで汗ばむくらいの暑さになっていた。

 つい、この間までちょうどいい暖かさだったのに。

 もう、初夏の季節。

 この時季になると、約1か月でインターハイ予選が始まるため、最後の追い込みと調整をする。

 バスケ部にとっての大きな大会だ。

 一応、俺ら城伯高校もインターハイ予選にエントリーしている。

 まだ、再始動したばかりで、まだまだやり直している途中。

 インターハイ予選でどのくらい、俺たちのバスケが通用するのか、わからないけれど、ベストを尽くしたい。

 練習が終わり、高宮コーチから告げられる。

「来月、13日からインターハイ予選が始まる」

 俺たちは高宮コーチの言葉に、元気よく返事をする。

「チームがまとまってきて1ヶ月ちょっと。まだ、チームを作り上げたとは言えない。でも」

 高宮コーチは少し間をおいて続ける。

「経験が大事になってくる。だから、インターハイ予選を経験しよう」

 インターハイ予選。

 誰もが憧れの舞台、インターハイ出場をかけて戦う。

 でも、城伯高校は、1年間、谷牧の問題のこともあって、インターハイ予選にすら、出場することは叶わなかった。

 俺たちにとっては、久しぶりのインターハイ予選だ。

 そんなに甘くないことはわかっている。

 もしかしたら、インターハイ予選、1回戦で負けるかもしれない。

 それとも、勝ち続けるかもしれない。

 試合はどうなるかわからない。

 バスケは0.1秒でも、ひっくり返ることがある。

 それでも、インターハイ予選にエントリーが決まって、嬉しさとワクワク感が、心の中を占めていた。

 早く始まらないかな。

 おっと、そのためには、ちゃんと準備しないとな。

 千葉レッドブルーの選手たちも言っていた。

 しっかり準備をすることが大事。

 でも、その準備は、あらゆる場面を想定してすること。

 ミスした時はどうするか、思う通りに行かなかった時、どうするか。

 そこまで準備することが必要。

 俺は、そんなことを考えながら、帰る支度をした。

「嬉しそうだねっ」

 美香が勢いよく、肩を組んでくる。

「おぉ、美香か。なんだよっ、急に」

 美香はニコニコしている。

「久々に見たよ、こんなに嬉しそうな顔する樹!」

「そうか?」

 俺はキョトンとして、美香を見ている。

「樹らしさ、取り戻してきたね」

 美香はウインクする。

「お、おう……」

 俺は、なぜだかドキッとした。

 帰り支度が終わると、俺と美香は一緒に学校を後にした。
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