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次の日の新年の祝賀会での様子を伝える号外には、ローラント殿下が子連れで帰ってきたことが書かれ、それとともに、伝説のパーティの黎明の羅針盤が揃って参加し、国王に忠誠を誓ったことが報じられた。
詳しく読めば、ローラント殿下が黎明の羅針盤のメンバーと結婚していたとか、一員になっているとか色々と書かれてはいるが、目下の注目はその子供達だった。
王家の色を持つ子供。
この先、継承権に関わってくるかもしれない王弟の子供達への興味が、貴族の中ではきな臭く噂し始め、それは霧のようにあっという間に広がっていった。
「ラリー、お前、噂を耳にしてるか?」
「噂ってどんな?」
祝賀会を終え、数日引き止められたものの、今では自分たちの家に戻ってきたラリーにランドルフが尋ねた。
もともと外の事に興味を示さない彼らだが、自分たちに関するものはしっかりと把握していた。
もちろん、それが自分たちにとってマイナスになるものであれば、根本から排除する必要もでてくるからだが。
「アルとアナのことだよ」
「ああ、継承権云々ってやつだろ?」
「知ってたのか?」
ランドルフはまるで気にしていないかのように振る舞うラリーが、自身の奥底で何を考えているのかが気になった。
気に入らない事であれば早々に抗議に行っているはずだからだ。
「ジークとも話したが、そもそも俺は継承権を放棄しているから、子供達も必然的にそうなるはずなんだ。だが、周りから担ぎ上げようとする輩がいるのも確かだ。だから、アルとアナに意思を聞いた」
「二人にか」
「ああ」
ラリーは手入れしていた剣を収め、ランドルフと向き合うように座り直すと、彼の顔を見て二人の決断を伝えた。
「今はジークにも王子と王女がいる。それに王妃はあの宰相の家門出身だから、跡継ぎの教育は間違いはない。だがら、アルとアナを表に出すつもりはないことは伝えた。だが…あの二人がな」
「アルとアナか?」
「ああ。小さな王子と王女に懐かれてな」
ランドルフはその二人の顔を思い出して、フッと笑いを溢した。自分よりも小さい子供を見る機会などほとんどなかったことに加え、その子達は自分と血縁関係にあると知れば情も湧くというものだ。
「今の治世は安定しているが、いつ不安定な要素が出てくるかわからん。アルやアナがそんな奴らの旗頭にでもされてみろ。最悪な結果しかない。それをしっかりと話をした。あの子達は理解力はあるから、俺やリサの言いたいことをすぐ理解して、向こうで宰相に詰めよったんだ。自分達に継承権がないことを正式に発表してほしいとな」
詳しく読めば、ローラント殿下が黎明の羅針盤のメンバーと結婚していたとか、一員になっているとか色々と書かれてはいるが、目下の注目はその子供達だった。
王家の色を持つ子供。
この先、継承権に関わってくるかもしれない王弟の子供達への興味が、貴族の中ではきな臭く噂し始め、それは霧のようにあっという間に広がっていった。
「ラリー、お前、噂を耳にしてるか?」
「噂ってどんな?」
祝賀会を終え、数日引き止められたものの、今では自分たちの家に戻ってきたラリーにランドルフが尋ねた。
もともと外の事に興味を示さない彼らだが、自分たちに関するものはしっかりと把握していた。
もちろん、それが自分たちにとってマイナスになるものであれば、根本から排除する必要もでてくるからだが。
「アルとアナのことだよ」
「ああ、継承権云々ってやつだろ?」
「知ってたのか?」
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気に入らない事であれば早々に抗議に行っているはずだからだ。
「ジークとも話したが、そもそも俺は継承権を放棄しているから、子供達も必然的にそうなるはずなんだ。だが、周りから担ぎ上げようとする輩がいるのも確かだ。だから、アルとアナに意思を聞いた」
「二人にか」
「ああ」
ラリーは手入れしていた剣を収め、ランドルフと向き合うように座り直すと、彼の顔を見て二人の決断を伝えた。
「今はジークにも王子と王女がいる。それに王妃はあの宰相の家門出身だから、跡継ぎの教育は間違いはない。だがら、アルとアナを表に出すつもりはないことは伝えた。だが…あの二人がな」
「アルとアナか?」
「ああ。小さな王子と王女に懐かれてな」
ランドルフはその二人の顔を思い出して、フッと笑いを溢した。自分よりも小さい子供を見る機会などほとんどなかったことに加え、その子達は自分と血縁関係にあると知れば情も湧くというものだ。
「今の治世は安定しているが、いつ不安定な要素が出てくるかわからん。アルやアナがそんな奴らの旗頭にでもされてみろ。最悪な結果しかない。それをしっかりと話をした。あの子達は理解力はあるから、俺やリサの言いたいことをすぐ理解して、向こうで宰相に詰めよったんだ。自分達に継承権がないことを正式に発表してほしいとな」
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