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王都の中でも活気のある一角へ足を伸ばし、その区画の奥にある冒険者御用達の店へと向かった。いつも着ているラフな服装を着てリサとラリーの姿で。
二人だけで出かけることなど、もしかするとあの依頼で旅をした時以来かもしれないと話しながら、人波の中を笑いながら歩いた。
もちろん、影から護衛の騎士が数名付いてきているらしいが、そもそもこの二人には必要がない。ラリーはその気配を鬱陶しいと思いながら「どこでまこうか…」と考えていた。
「ねえ、ラリー」
「なんだ?リサ」
「王都も変わったわね?前に来たときは、こんなお店なかったわ」
目当ての店の近くには、その場に似つかわしくないオープンカフェのような店があり、若い女性と厳つい男性の姿がちらほら見える。
どうやら、この辺りは冒険者が多いことから、冒険者目当ての女性が訪れらしい。
最近では流行りの物語が冒険物で、その影響からか強い男性が好まれる風潮が広がり、こういう場所に店をオープンする商売人が多いらしい。
「冒険者目当てねぇ。確かにラリーが弱かったら困るわよね」
「リサに言われると、耳が痛い……早くお前に追い付きたいんだがな」
「ふふっ。十分強いわよ。私なんて魔力がなかったらただの人よ?」
リサが言うのも当たってはいるが、その辺にいる騎士よりも剣の扱いは上手いとラリーは知っている。だからこそ、その言葉に素直に頷けずにいた。
剣の腕だけを見ると、リサよりラリーが上だが、総合評価は断然リサが上だ。いつになってもその差が埋まる様子はない。その為、時間さえあれば他のみんなの協力で鍛えることに余念はないラリーなのだ。
話しているうちに目当ての店に着いて、懐かしい店主の顔に思わず顔がほころぶ。
「ケン、久しぶり」
「ラリーか?懐かしいな。それにリサも」
「久しぶりねケン」
この店はリサが現役だった頃に何度か仲間と訪れたことがあり、パーティが休眠に入った時にはリサの姿で何度かお世話になっていた。もちろん、リサとエリザベスが同一人物だと知っている数少ない人物だ。
まあ、ケンに関しては武器に残る魔力の残滓で気付いたというのが正しいかもしれない。
ラリーは他の町へと行く前には必ず寄るほど、この店で扱っている武器や道具を信頼していたので、彼もまた常連だった。
ただ、リサと暮らすようになってからは足が遠のいており、二人ともこの日が久しぶりに店に顔を出したのだ。
「お前たち、一緒に来てどうした?顔見知りだったか?」
「俺達、結婚したんだ」
「はっ?結婚??お前たちが?リサ…レイモンドは何も言わなかったのか?」
その言葉に心当たりがあるラリーは、一瞬レイモンドの顔を思い出し頭を振る。
二人だけで出かけることなど、もしかするとあの依頼で旅をした時以来かもしれないと話しながら、人波の中を笑いながら歩いた。
もちろん、影から護衛の騎士が数名付いてきているらしいが、そもそもこの二人には必要がない。ラリーはその気配を鬱陶しいと思いながら「どこでまこうか…」と考えていた。
「ねえ、ラリー」
「なんだ?リサ」
「王都も変わったわね?前に来たときは、こんなお店なかったわ」
目当ての店の近くには、その場に似つかわしくないオープンカフェのような店があり、若い女性と厳つい男性の姿がちらほら見える。
どうやら、この辺りは冒険者が多いことから、冒険者目当ての女性が訪れらしい。
最近では流行りの物語が冒険物で、その影響からか強い男性が好まれる風潮が広がり、こういう場所に店をオープンする商売人が多いらしい。
「冒険者目当てねぇ。確かにラリーが弱かったら困るわよね」
「リサに言われると、耳が痛い……早くお前に追い付きたいんだがな」
「ふふっ。十分強いわよ。私なんて魔力がなかったらただの人よ?」
リサが言うのも当たってはいるが、その辺にいる騎士よりも剣の扱いは上手いとラリーは知っている。だからこそ、その言葉に素直に頷けずにいた。
剣の腕だけを見ると、リサよりラリーが上だが、総合評価は断然リサが上だ。いつになってもその差が埋まる様子はない。その為、時間さえあれば他のみんなの協力で鍛えることに余念はないラリーなのだ。
話しているうちに目当ての店に着いて、懐かしい店主の顔に思わず顔がほころぶ。
「ケン、久しぶり」
「ラリーか?懐かしいな。それにリサも」
「久しぶりねケン」
この店はリサが現役だった頃に何度か仲間と訪れたことがあり、パーティが休眠に入った時にはリサの姿で何度かお世話になっていた。もちろん、リサとエリザベスが同一人物だと知っている数少ない人物だ。
まあ、ケンに関しては武器に残る魔力の残滓で気付いたというのが正しいかもしれない。
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ただ、リサと暮らすようになってからは足が遠のいており、二人ともこの日が久しぶりに店に顔を出したのだ。
「お前たち、一緒に来てどうした?顔見知りだったか?」
「俺達、結婚したんだ」
「はっ?結婚??お前たちが?リサ…レイモンドは何も言わなかったのか?」
その言葉に心当たりがあるラリーは、一瞬レイモンドの顔を思い出し頭を振る。
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