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「やっぱり、罠か?」
「俺たちに罠を仕掛けても、返り討ちにあうのをわかっていながらやる理由はないだろう」
「そうだね…それに、ここ。どうみても、大規模な討伐があったように見えないね」
「ハーピーがいたのは事実だろうが、パーティのいくつかに依頼して討伐したんだろう。まあ、あそこに隠れている奴が話してくれるだろうよ」
「ああ、彼?」
そう言って二人が視線を向けた先には、一人の男の姿があった。
向こうもこちらに気が付き、二人に向かってまっすぐと歩み寄ってくる。
「当人登場かな?」
セオドアはその姿を見て、そうポツリと言った。
ランドルフも薄々気が付いていたのか、その男の顔を見てニヤッと口元を歪ませる。
「ランドルフ・スコット殿、セオドア・グラント殿」
話しかけてきたのは、間違うことなくローレンス・イグニス・エクスデイル本人だった。行方不明だという割には元気そうだなと揶揄いながらも二人は返事をした。
「ほう。俺たちがわかるのか?ローレンス・イグニス・エクスデイル王弟殿下」
「頬に傷があり、赤髪で日雷の槍を持つ者。紫紺に同色で刺繍を施した長いローブを羽織る者。黎明の羅針盤のお二人しかいないでしょう」
「そう言われると認めざるを得ない…か。まあ、王弟殿下は我々に何度も接触をしようとしていたから、俺たちの事を調べていてもおかしくはないな。しかし、手紙も依頼も無視したらこれか……」
呆れたようにそう言ったランドルフにローレンスは頭を下げ謝罪の言葉を述べた。王弟が軽々しく頭を下げるべきではないが、それだけ真摯に対応したかったのだろう。
「騙す様なことをしてすまなかった。もう限界だった。そなたたちの仲間意識が強いことは知っている。リサの…エリザベスの事を大切に思っていることも。だから、彼女の居場所を知っていると確信している。頼む。彼女に会わせてほしい」
「リサの居場所ねぇ…まあ、教えてやらないこともない」
「ランディ、いいの?」
「三年前から一切表舞台に現れなくなったのはリサを探す為なんだろう?俺たちはその事を知っていたが、リサには伝えていない。俺はあんたの真意を知りたかったからな。だから手紙も依頼も一切無視させてもらった。悪いな」
「……リサに、リサに会わせてくれるのか?」
「それには条件がある」
「条件?」
「ああ、町は教えよう。だが後は自分で探せ。リサの家には結界が張られているからそうやすやすと辿り着けないと思うが、お前が心の奥底からリサを想うなら見つけられるはずだ。期限は一か月だ。それを過ぎれば、会う資格がなかったと思ってあきらめろ、いいな」
「ああ、了解した」
「じゃあ、俺たちは先に戻る。町はホルトンだ。どれだけで見つけられるか楽しみだな」
「俺たちに罠を仕掛けても、返り討ちにあうのをわかっていながらやる理由はないだろう」
「そうだね…それに、ここ。どうみても、大規模な討伐があったように見えないね」
「ハーピーがいたのは事実だろうが、パーティのいくつかに依頼して討伐したんだろう。まあ、あそこに隠れている奴が話してくれるだろうよ」
「ああ、彼?」
そう言って二人が視線を向けた先には、一人の男の姿があった。
向こうもこちらに気が付き、二人に向かってまっすぐと歩み寄ってくる。
「当人登場かな?」
セオドアはその姿を見て、そうポツリと言った。
ランドルフも薄々気が付いていたのか、その男の顔を見てニヤッと口元を歪ませる。
「ランドルフ・スコット殿、セオドア・グラント殿」
話しかけてきたのは、間違うことなくローレンス・イグニス・エクスデイル本人だった。行方不明だという割には元気そうだなと揶揄いながらも二人は返事をした。
「ほう。俺たちがわかるのか?ローレンス・イグニス・エクスデイル王弟殿下」
「頬に傷があり、赤髪で日雷の槍を持つ者。紫紺に同色で刺繍を施した長いローブを羽織る者。黎明の羅針盤のお二人しかいないでしょう」
「そう言われると認めざるを得ない…か。まあ、王弟殿下は我々に何度も接触をしようとしていたから、俺たちの事を調べていてもおかしくはないな。しかし、手紙も依頼も無視したらこれか……」
呆れたようにそう言ったランドルフにローレンスは頭を下げ謝罪の言葉を述べた。王弟が軽々しく頭を下げるべきではないが、それだけ真摯に対応したかったのだろう。
「騙す様なことをしてすまなかった。もう限界だった。そなたたちの仲間意識が強いことは知っている。リサの…エリザベスの事を大切に思っていることも。だから、彼女の居場所を知っていると確信している。頼む。彼女に会わせてほしい」
「リサの居場所ねぇ…まあ、教えてやらないこともない」
「ランディ、いいの?」
「三年前から一切表舞台に現れなくなったのはリサを探す為なんだろう?俺たちはその事を知っていたが、リサには伝えていない。俺はあんたの真意を知りたかったからな。だから手紙も依頼も一切無視させてもらった。悪いな」
「……リサに、リサに会わせてくれるのか?」
「それには条件がある」
「条件?」
「ああ、町は教えよう。だが後は自分で探せ。リサの家には結界が張られているからそうやすやすと辿り着けないと思うが、お前が心の奥底からリサを想うなら見つけられるはずだ。期限は一か月だ。それを過ぎれば、会う資格がなかったと思ってあきらめろ、いいな」
「ああ、了解した」
「じゃあ、俺たちは先に戻る。町はホルトンだ。どれだけで見つけられるか楽しみだな」
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