【完結】SS級の冒険者の私は身分を隠してのんびり過ごします

稲垣桜

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「リサとの契約はこれで最後だな。ちゃんとガレーヌまでは送り届けるから心配するな」

「いいよ、そんなの。私、モントーネまで足を延ばしてゆっくり温泉を楽しんで帰るから」


 モントーネ州には国内有数の温泉街があり、パーティを組んでいた時にも何度か訪れたことがあった。
 時間があればまた来たいと考えていたので、今回は収入もあることだしゆっくりとしていこうかと考えていた。


「モントーネか。じゃあ、俺も一緒に行こう」

「いいの?忙しいんでしょ」

「俺は自由気ままな人間だからな。今回の調査が終わってからしばらく休みを取ることにしていたし、リサと一緒に行くさ。夫婦だろう?」


 ニヤッと笑いながら、ラリーはリサの顔を見た。
 夫婦の設定は契約期間だからと、ガレーヌに戻るまではまだ夫婦だと言い張るようだ。まあ、一人が二人になったところで何も変わらないし、リサからするとラリーと一緒にいるのも楽しいので一緒に行ってもいいかなと思うようになった。


「じゃあ、行こうか。ここからモントーネまでは近いもの、すぐ行こう」


 リサのその一言で、翌朝には宿を出発しパレスを後にした。

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