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そしてリサは明るくなった街道を町へ向かって急いだ。
ラリーに黙って出てきていることもあり、できることなら明るくなる前に戻りたかったのだが諦めるしかない。
転移しても良かったが、なんだかその気が起きなかった。だから、ちょっと面倒だけどラリーには謝ることにしようと決めて流れる雲を見ていた。
町に入ると、すぐにリサを見つけたラリーが駆け付けた。
どうやってここにいるとわかったのだろうかと思ったけれど、潜入している騎士達が知らせたのだろう。
「リサ!」
ラリーは駆け寄ってリサを抱きしめた。その顔は家出した妻を迎えに来た傷心の夫のままで、申し訳ない気持ちが心の中に沸いてきた。
「黙って何処へ行っていたんだ?心配したんだぞ」
「ごめんなさい。どうしてもじっとしていられなくて」
そう言って昨日からの事の顛末を話した。
そしてラリーに檻に放り込んできた奴隷商の回収をお願いしたのだが、彼はリサの手を掴んだまま宿の部屋へと連れて行った。
部屋へ入ってしばらく黙り込んだラリーがようやく口を開いたかと思えば、こんなことを言ったのだ。
「リサ。俺のいないところで無茶をしないで欲しい」
「ラリーに心配してもらうほど弱くないわ」
「君が強いことはわかってる。だが、俺の目の届くところにいて欲しい。頼む」
懇願するラリーの顔を見ていると、黙って行動したことが悪いという罪悪感が心を侵食し始める。だが、自分のしたことは正しいと思っている。しかし、自分は依頼人に従うべき立場なのだから、大人しくしていることが一番だろうと考えた。
「わかったわ。もう一人で行動しないわ」
「本当だな?信じてもいいか?」
「ええ。この契約が終わるまでは一緒に行動するわ」
そう。契約なのだから……
気持ちを切り替えて、夜の摘発に集中することにした。
ラリーに黙って出てきていることもあり、できることなら明るくなる前に戻りたかったのだが諦めるしかない。
転移しても良かったが、なんだかその気が起きなかった。だから、ちょっと面倒だけどラリーには謝ることにしようと決めて流れる雲を見ていた。
町に入ると、すぐにリサを見つけたラリーが駆け付けた。
どうやってここにいるとわかったのだろうかと思ったけれど、潜入している騎士達が知らせたのだろう。
「リサ!」
ラリーは駆け寄ってリサを抱きしめた。その顔は家出した妻を迎えに来た傷心の夫のままで、申し訳ない気持ちが心の中に沸いてきた。
「黙って何処へ行っていたんだ?心配したんだぞ」
「ごめんなさい。どうしてもじっとしていられなくて」
そう言って昨日からの事の顛末を話した。
そしてラリーに檻に放り込んできた奴隷商の回収をお願いしたのだが、彼はリサの手を掴んだまま宿の部屋へと連れて行った。
部屋へ入ってしばらく黙り込んだラリーがようやく口を開いたかと思えば、こんなことを言ったのだ。
「リサ。俺のいないところで無茶をしないで欲しい」
「ラリーに心配してもらうほど弱くないわ」
「君が強いことはわかってる。だが、俺の目の届くところにいて欲しい。頼む」
懇願するラリーの顔を見ていると、黙って行動したことが悪いという罪悪感が心を侵食し始める。だが、自分のしたことは正しいと思っている。しかし、自分は依頼人に従うべき立場なのだから、大人しくしていることが一番だろうと考えた。
「わかったわ。もう一人で行動しないわ」
「本当だな?信じてもいいか?」
「ええ。この契約が終わるまでは一緒に行動するわ」
そう。契約なのだから……
気持ちを切り替えて、夜の摘発に集中することにした。
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