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第九章
198 女子会
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学園生活も二か月が過ぎ、だいぶん慣れてきた頃にアデライトから女子会の誘いがあった。
「クラウ、フィオナ、今週のお休みに王都で人気のお店に行かない?」
アデライトは行動派で、気になることは自分で見たい派な為、今回、王都で人気のカフェがあると聞きつけ、行ってみたいと目を輝かせクラウディアとフィオナを誘ったのだった。
「そのカフェのカヌレという焼き菓子が美味しいそうなの。ねえ、行きましょう」
二人が行くことを前提に話を進めようとしていることがわかるけれど、カヌレのことは噂になっていたので二人も行きたかったのだ。
「あら?私も聞いているのよ。クラウ、行きましょうよ。そのカヌレ、私も食べてみたい」
フィオナも興味津々で、クラウディアにも行こうと誘ってくるのだ。
クラウディアも行きたいのは山々なのだが、兄達が許可を出すのかと少し考えた。入学してからも色々とあったので、過保護ぶりに拍車がかかっているのが痛いほどわかるのだ。
「私も行きたいけど、お兄様達が許してくれるかしら?」
「大丈夫よ。私がお父様に『二人と行きたい』って言うわ。護衛がついてくるかもしれないけど、大丈夫。私に任せて」
アデライトが自信満々に言い放った通り、その日の夜に彼女の家から連絡が届き、ベイリーから護衛を連れて行く条件で許可が出た。さすがに禁止してばかりいても反感を買うだろうと思っているのだろう。
妹に弱い兄が渋々頷いている光景が目に浮かぶようだ。
その逆に、クラウディアは初めての友達との王都へのお出かけに気持ちが弾み、当日が来るのが楽しみでたまらなかった。
「クラウディア様。今日は私がご一緒しますので、安心してください」
声をかけてきたのはソニード・フォン・エリオット子爵令息で、今年24歳になるクラウディアの護衛騎士だ。
学園にいる間は王都の屋敷に詰めているが、出かけるときには側にいることが一番多い騎士で、彼女の信頼も厚い。
今回は、アデライトもフィオナも1人ずつ護衛騎士を連れてくることにしたので、ソニードだけが一緒に行くことになった。
「ソニードが一緒に行ってくれるのね。ありがとう。よろしくね」
クラウディアも質素で、あまり飾りのついていない服を選び、ソニードもまた、騎士の服のままだとかえって注目を集めるとのことで、動きやすく目立たない服を着て帯刀することにしていた。
アデライトが馬車を出すと言い出したので、順番に屋敷に寄ってもらって合流し、町の中心部へと馬車を進めた。
貴族街から町の中心部までは、馬車での移動もそう時間はかからない。道も整備されているので、馬車の乗り心地も悪くはない。三人で話をしているうちに、あっという間ににぎやかな街の中心部へとたどり着いた。
馬車を降りたところから店までは2ブロック程離れていたので、三人と後ろから付いて行く護衛騎士とで街並みを見ながら話をして店へと向かった。
「ここよ、ここのお店“アキテーヌ”。少し並ぶのだけど、二人とも大丈夫?」
フィオナもクラウディアも、待つことは気にならなかったし、他にも並んでいる人がいるのだから待つのは当たり前だと思っていた。
六大公爵家では領地民は大切な存在なのだと教えられている為、貴族だからとか、平民だからとかそんな考え方はしないよう、こういう場ではすべて平等と教えられている。
その間に話ができると思えば、それも良い時間だと三人は受け止めていた。
そして並んでいる間、学園での話で盛り上がり、あっという間に自分たちの順番が回ってきた。
“アキテーヌ”の店内は、商品の並んでいる棚の左右に飲食ができるようにテーブルが設置されていて、右側のスペースはそのテーブルの間隔も広めにとってあるため、隣のテーブルの会話はよほど声を荒げない限り聞こえないだろう。
彼女たちは、その右側のスペースの奥に座り、側のテーブルに護衛騎士にも待機という名の休憩をしてもらいカヌレを頼んだ。
「クラウ、フィオナ、今週のお休みに王都で人気のお店に行かない?」
アデライトは行動派で、気になることは自分で見たい派な為、今回、王都で人気のカフェがあると聞きつけ、行ってみたいと目を輝かせクラウディアとフィオナを誘ったのだった。
「そのカフェのカヌレという焼き菓子が美味しいそうなの。ねえ、行きましょう」
二人が行くことを前提に話を進めようとしていることがわかるけれど、カヌレのことは噂になっていたので二人も行きたかったのだ。
「あら?私も聞いているのよ。クラウ、行きましょうよ。そのカヌレ、私も食べてみたい」
フィオナも興味津々で、クラウディアにも行こうと誘ってくるのだ。
クラウディアも行きたいのは山々なのだが、兄達が許可を出すのかと少し考えた。入学してからも色々とあったので、過保護ぶりに拍車がかかっているのが痛いほどわかるのだ。
「私も行きたいけど、お兄様達が許してくれるかしら?」
「大丈夫よ。私がお父様に『二人と行きたい』って言うわ。護衛がついてくるかもしれないけど、大丈夫。私に任せて」
アデライトが自信満々に言い放った通り、その日の夜に彼女の家から連絡が届き、ベイリーから護衛を連れて行く条件で許可が出た。さすがに禁止してばかりいても反感を買うだろうと思っているのだろう。
妹に弱い兄が渋々頷いている光景が目に浮かぶようだ。
その逆に、クラウディアは初めての友達との王都へのお出かけに気持ちが弾み、当日が来るのが楽しみでたまらなかった。
「クラウディア様。今日は私がご一緒しますので、安心してください」
声をかけてきたのはソニード・フォン・エリオット子爵令息で、今年24歳になるクラウディアの護衛騎士だ。
学園にいる間は王都の屋敷に詰めているが、出かけるときには側にいることが一番多い騎士で、彼女の信頼も厚い。
今回は、アデライトもフィオナも1人ずつ護衛騎士を連れてくることにしたので、ソニードだけが一緒に行くことになった。
「ソニードが一緒に行ってくれるのね。ありがとう。よろしくね」
クラウディアも質素で、あまり飾りのついていない服を選び、ソニードもまた、騎士の服のままだとかえって注目を集めるとのことで、動きやすく目立たない服を着て帯刀することにしていた。
アデライトが馬車を出すと言い出したので、順番に屋敷に寄ってもらって合流し、町の中心部へと馬車を進めた。
貴族街から町の中心部までは、馬車での移動もそう時間はかからない。道も整備されているので、馬車の乗り心地も悪くはない。三人で話をしているうちに、あっという間ににぎやかな街の中心部へとたどり着いた。
馬車を降りたところから店までは2ブロック程離れていたので、三人と後ろから付いて行く護衛騎士とで街並みを見ながら話をして店へと向かった。
「ここよ、ここのお店“アキテーヌ”。少し並ぶのだけど、二人とも大丈夫?」
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彼女たちは、その右側のスペースの奥に座り、側のテーブルに護衛騎士にも待機という名の休憩をしてもらいカヌレを頼んだ。
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