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第八章
138 テオからの贈り物
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「ほら、着いたぞ」
馬車の扉が開き、先に降りたテオドールがサッと手を差し伸べ、クラウディアの手を取った。
そのさりげない動作は、やはり公爵家の人間だと思いながら、ありがたくその気持ちを受け取った。
「この町に来るのって、久しぶりね。フェストの時にしか来ないから、なんだかこんな静かなのが不思議」
「あの時は国内外からたくさんの人が来るからな」
フェストの時は騎士を生業としている人と、その騎士を狙っている商売人や女性が大勢集まるのは有名で、いつもはこういう落ち着きのある雰囲気の町だとは思いもしなかった。
クロスローズの領地とも王都のロワールとも違う、この町がなぜか心地よかった。
「小さい頃はいつも遊びに来ていたんだが、15でアルドーレに入ってからはそう来ることもなくなったんだ」
そう言いながら笑う彼の顔は、子供の頃を思い出し、懐かしい友人に出会えたような懐かしさを感じさせるような表情をしている。
デュラヴェルの店が立て並ぶメインストリートを二人で並んで歩いているだけなのだが、周囲からの視線が集中するのがわかる。
そのほとんどは秋波の類なのだが、それもそのはず【漆黒の貴公子】が、噂の少女と一緒に歩いているのだから、視線が集まるのは納得がいく。その事に気付いたのは、しばらく歩いた後だった。
この春のフェストの時にテオドールが花を捧げた相手なのだから、注目を浴びるのは仕方がないだろう。
「連れて行きたい店がある」と言われ、メイン通りから路地を入り裏通りへと歩みを進めた。
街並みがオシャレな感じから武骨な感じへと変わっていき、商店街から職人街に入り込んだようで、着いた先は鍛冶屋が並ぶ通りだった。
そこは、防具や武器をはじめ、家庭用の鉄製品なども扱う店が集まっている区画だ。
こっちだ、と更に手を引かれて通りの奥へと連れて行かれるのだが、この先にどんな店があるんだろうかと期待が膨らむ。
しばらく進んで、いくつか角を曲がったところで立ち止まり、ここだと告げられ、店を見上げる。
外からは普通の何の変哲もない店構えだが、扉にかかる看板には【ルビオ】と書かれていた。
扉を開けて中に入ると、そこには様々な剣が飾られ、ここは剣を扱う店なのだと気が付いた。小剣から細身のレイピア、大剣、両手剣など『剣』と名前の付く物はすべてあるのではないかというほど揃っている。
クラウディアは、剣士が使うものを扱う店には行った事はあるが、こんな剣特化の店は今まで来たことがなかったので、興味津々で飾られている剣を食い入るように見入った。
「おお、テオじゃないか。なんだ、今日はそんな別嬪さん連れて、彼女か?」
店の主人らしき人物が奥から出てきて声をかけた。
年の頃はもう60を超えているような、見るからに鍛冶職人ですと言った、身体が熊のように大きく、顔も顎髭が手入れされておらず、そのまま熊でも納得するようないで立ちの男性が現れ、少々面喰う。
「俺はそう思っているんだけど…ルビオさん、あれ、できてる?」
クラウディアはテオドールをパシッと叩いて、その発言を訂正させる。
「ああ、見るか?」
テオドールが頷くと、ルビオと呼ばれた熊……もとい、男性が店の奥へと姿を消す。
「ねえテオ、今の人は?」
「ああ、ルビオさんはここの親方なんだ。いつも俺の剣を作ってもらっているんだが、頭が上がらなくてな」
「ふうん。そうなんだ」
先ほどの“出来てる?”との話で、自分の剣でも取りに来たのだろうと思い、こうして頼むのもいいなと考えて、クラウディアも一度頼んでみようかと考えた。
その時には、鍔の部分にもデザイン性を取り入れようかと考えたりして、並んでいるレイピアをまじまじと観察した。
そうしていると、ルビオが店の奥から布に包まれた剣らしきものを手に取り、二人の前へ差し出す。そしてクラウディアを見てこう言った。
「この嬢ちゃんのか?……お前も相当だな?」
クラウディアの顔を見ながらテオドールに言うので、何のことを言っているのだろうかと思って彼の顔を見上げると、優しく微笑んで言った。
「これは、俺からだ」
ルビオから渡された布を取ると、そこにあったのは少し細身のきれいな剣だった。
「俺からって…これ、私に…?」
「ああ、使ってほしい」
真剣な顔でそう告げ、剣を手渡される。その剣はクラウディアの手になじみ、重さも今までのより格段に軽い。この軽さなら剣舞の時に使いやすそうだ。それに、実戦にも使える。
「どうだ、嬢ちゃん。軽いだろう。だが、耐久性は今までの剣に引けを取らないぞ。なんたって、作ったのが俺だからな」
どや顔で自慢してくるルビオの顔とテオドールの顔を交互に見て、本当に自分のために作ったのだという事がわかって、嬉しくて涙が溢れてくるようなじわっとする感覚がする。
「本当に…?」
「嘘を言ってどうする。本当だ」
剣身をまじまじと見つめていると、だんだんと実感がわいてきた。
「嬢ちゃん。こいつの言う通りに作ったが、どうだ?直すところがあれば遠慮なく言ってくれ」
だが、実際に使ってみないとわからないのが剣だ。
しかし、持って振るってみても、軽くて持ちやすく扱いやすいという事がよくわかり、全く違和感はなかった。
よく見ると。グリップ部分にはクラウディアの名前が刻まれており、柄頭には黒い石がはめ込まれている。鍔の部分にも細かな装飾がなされており、とても手をかけられたことが見て取れた。
「この石は破邪の石だ。魔除けの効果がある。騎士はこの石を好んで入れる者が多いんだ。これと同じだ」
テオドールが柄頭の黒い石を見て、クラウディアが身に付けているブレスレットに触れ、今、脇に差している自分の剣の柄頭を見せる。
そう言われて思い返すと、ウィルバートで見る剣には、すべてこの破邪の石がはめ込まれていたなと思い出す。
「こんなに素晴らしい剣、貰ってもいいの?」
「もちろんだ。そのために作ってもらったんだからな」
「テオ…ありがとう。大切にするね」
人目もはばからず、思いっきりテオドールに抱き着いた。
嬉しくて、もうそのことしか頭になかった。テオドールもまた、こんなに喜んで笑顔を浮かべてくれるとは思わず、内緒で準備してよかったと心からそう思った。
「よかったな、テオ。剣を贈ってあんなに喜ぶ子なんてそういないぞ。嬢ちゃん、使っていて気になるところがあったらいつでも来い」
「はい、ルビオさん。ありがとうございます」
ルビオに礼を言って店を後にしてメイン通りへと戻ってきたのだが、嬉しくて顔が緩みっぱなしになっているのがわかる。
剣は、綺麗に箱に入れて贈りたいとテオドールが言うので、ルビオの所へ置いてきたのだが、正直言ってすぐに持って帰りたかった。
「ねえ、テオ。やっぱり箱に入れなくてもいいよ。そのまま持って帰るから」
使ってみたいと思う気持ちもあるのだが、とりあえずは眺めていたいのだ。だから、出来る事ならこのまま持ち帰りたい。実物を見てしまったのだから、そう思うのは至極真っ当なことだと思う。
「だめだ。ちゃんと贈りたいから、もう少し待っていてほしい」
「だめ?」
テオドールの袖口を引っ張って、少し可愛らしくおねだりをしてみたのだが、再度ダメだと言われてしまう。
「そんな顔をするな。まるで俺が意地悪をしている様じゃないか」
腕の中にクラウディアを捉えて、その瞳を覗き込む。
「もう少し待っているだけだろう?我慢しろ。その代わり、今日は行きたいところに連れてくから、な?」
「……わかったわ」
ふてくされた顔をして彼の顔を見上げて、やっぱり無理かと諦めた。
「いい子だ…」
優しい声で囁くようにそう言って、テオドールは彼女の唇を塞いだ。その背後では女の子達の悲鳴のような声が響いている。
「ちょ……、テオ!こんなところで…」
「ディーがそんな可愛い顔するから、我慢できなかった…」
全く反省してないその顔を見て、胸をドンと押してダメだと念を押した。しかし、周りからの視線はそれがもう遅いことを意味しているように、まだザワザワしている。
馬車の扉が開き、先に降りたテオドールがサッと手を差し伸べ、クラウディアの手を取った。
そのさりげない動作は、やはり公爵家の人間だと思いながら、ありがたくその気持ちを受け取った。
「この町に来るのって、久しぶりね。フェストの時にしか来ないから、なんだかこんな静かなのが不思議」
「あの時は国内外からたくさんの人が来るからな」
フェストの時は騎士を生業としている人と、その騎士を狙っている商売人や女性が大勢集まるのは有名で、いつもはこういう落ち着きのある雰囲気の町だとは思いもしなかった。
クロスローズの領地とも王都のロワールとも違う、この町がなぜか心地よかった。
「小さい頃はいつも遊びに来ていたんだが、15でアルドーレに入ってからはそう来ることもなくなったんだ」
そう言いながら笑う彼の顔は、子供の頃を思い出し、懐かしい友人に出会えたような懐かしさを感じさせるような表情をしている。
デュラヴェルの店が立て並ぶメインストリートを二人で並んで歩いているだけなのだが、周囲からの視線が集中するのがわかる。
そのほとんどは秋波の類なのだが、それもそのはず【漆黒の貴公子】が、噂の少女と一緒に歩いているのだから、視線が集まるのは納得がいく。その事に気付いたのは、しばらく歩いた後だった。
この春のフェストの時にテオドールが花を捧げた相手なのだから、注目を浴びるのは仕方がないだろう。
「連れて行きたい店がある」と言われ、メイン通りから路地を入り裏通りへと歩みを進めた。
街並みがオシャレな感じから武骨な感じへと変わっていき、商店街から職人街に入り込んだようで、着いた先は鍛冶屋が並ぶ通りだった。
そこは、防具や武器をはじめ、家庭用の鉄製品なども扱う店が集まっている区画だ。
こっちだ、と更に手を引かれて通りの奥へと連れて行かれるのだが、この先にどんな店があるんだろうかと期待が膨らむ。
しばらく進んで、いくつか角を曲がったところで立ち止まり、ここだと告げられ、店を見上げる。
外からは普通の何の変哲もない店構えだが、扉にかかる看板には【ルビオ】と書かれていた。
扉を開けて中に入ると、そこには様々な剣が飾られ、ここは剣を扱う店なのだと気が付いた。小剣から細身のレイピア、大剣、両手剣など『剣』と名前の付く物はすべてあるのではないかというほど揃っている。
クラウディアは、剣士が使うものを扱う店には行った事はあるが、こんな剣特化の店は今まで来たことがなかったので、興味津々で飾られている剣を食い入るように見入った。
「おお、テオじゃないか。なんだ、今日はそんな別嬪さん連れて、彼女か?」
店の主人らしき人物が奥から出てきて声をかけた。
年の頃はもう60を超えているような、見るからに鍛冶職人ですと言った、身体が熊のように大きく、顔も顎髭が手入れされておらず、そのまま熊でも納得するようないで立ちの男性が現れ、少々面喰う。
「俺はそう思っているんだけど…ルビオさん、あれ、できてる?」
クラウディアはテオドールをパシッと叩いて、その発言を訂正させる。
「ああ、見るか?」
テオドールが頷くと、ルビオと呼ばれた熊……もとい、男性が店の奥へと姿を消す。
「ねえテオ、今の人は?」
「ああ、ルビオさんはここの親方なんだ。いつも俺の剣を作ってもらっているんだが、頭が上がらなくてな」
「ふうん。そうなんだ」
先ほどの“出来てる?”との話で、自分の剣でも取りに来たのだろうと思い、こうして頼むのもいいなと考えて、クラウディアも一度頼んでみようかと考えた。
その時には、鍔の部分にもデザイン性を取り入れようかと考えたりして、並んでいるレイピアをまじまじと観察した。
そうしていると、ルビオが店の奥から布に包まれた剣らしきものを手に取り、二人の前へ差し出す。そしてクラウディアを見てこう言った。
「この嬢ちゃんのか?……お前も相当だな?」
クラウディアの顔を見ながらテオドールに言うので、何のことを言っているのだろうかと思って彼の顔を見上げると、優しく微笑んで言った。
「これは、俺からだ」
ルビオから渡された布を取ると、そこにあったのは少し細身のきれいな剣だった。
「俺からって…これ、私に…?」
「ああ、使ってほしい」
真剣な顔でそう告げ、剣を手渡される。その剣はクラウディアの手になじみ、重さも今までのより格段に軽い。この軽さなら剣舞の時に使いやすそうだ。それに、実戦にも使える。
「どうだ、嬢ちゃん。軽いだろう。だが、耐久性は今までの剣に引けを取らないぞ。なんたって、作ったのが俺だからな」
どや顔で自慢してくるルビオの顔とテオドールの顔を交互に見て、本当に自分のために作ったのだという事がわかって、嬉しくて涙が溢れてくるようなじわっとする感覚がする。
「本当に…?」
「嘘を言ってどうする。本当だ」
剣身をまじまじと見つめていると、だんだんと実感がわいてきた。
「嬢ちゃん。こいつの言う通りに作ったが、どうだ?直すところがあれば遠慮なく言ってくれ」
だが、実際に使ってみないとわからないのが剣だ。
しかし、持って振るってみても、軽くて持ちやすく扱いやすいという事がよくわかり、全く違和感はなかった。
よく見ると。グリップ部分にはクラウディアの名前が刻まれており、柄頭には黒い石がはめ込まれている。鍔の部分にも細かな装飾がなされており、とても手をかけられたことが見て取れた。
「この石は破邪の石だ。魔除けの効果がある。騎士はこの石を好んで入れる者が多いんだ。これと同じだ」
テオドールが柄頭の黒い石を見て、クラウディアが身に付けているブレスレットに触れ、今、脇に差している自分の剣の柄頭を見せる。
そう言われて思い返すと、ウィルバートで見る剣には、すべてこの破邪の石がはめ込まれていたなと思い出す。
「こんなに素晴らしい剣、貰ってもいいの?」
「もちろんだ。そのために作ってもらったんだからな」
「テオ…ありがとう。大切にするね」
人目もはばからず、思いっきりテオドールに抱き着いた。
嬉しくて、もうそのことしか頭になかった。テオドールもまた、こんなに喜んで笑顔を浮かべてくれるとは思わず、内緒で準備してよかったと心からそう思った。
「よかったな、テオ。剣を贈ってあんなに喜ぶ子なんてそういないぞ。嬢ちゃん、使っていて気になるところがあったらいつでも来い」
「はい、ルビオさん。ありがとうございます」
ルビオに礼を言って店を後にしてメイン通りへと戻ってきたのだが、嬉しくて顔が緩みっぱなしになっているのがわかる。
剣は、綺麗に箱に入れて贈りたいとテオドールが言うので、ルビオの所へ置いてきたのだが、正直言ってすぐに持って帰りたかった。
「ねえ、テオ。やっぱり箱に入れなくてもいいよ。そのまま持って帰るから」
使ってみたいと思う気持ちもあるのだが、とりあえずは眺めていたいのだ。だから、出来る事ならこのまま持ち帰りたい。実物を見てしまったのだから、そう思うのは至極真っ当なことだと思う。
「だめだ。ちゃんと贈りたいから、もう少し待っていてほしい」
「だめ?」
テオドールの袖口を引っ張って、少し可愛らしくおねだりをしてみたのだが、再度ダメだと言われてしまう。
「そんな顔をするな。まるで俺が意地悪をしている様じゃないか」
腕の中にクラウディアを捉えて、その瞳を覗き込む。
「もう少し待っているだけだろう?我慢しろ。その代わり、今日は行きたいところに連れてくから、な?」
「……わかったわ」
ふてくされた顔をして彼の顔を見上げて、やっぱり無理かと諦めた。
「いい子だ…」
優しい声で囁くようにそう言って、テオドールは彼女の唇を塞いだ。その背後では女の子達の悲鳴のような声が響いている。
「ちょ……、テオ!こんなところで…」
「ディーがそんな可愛い顔するから、我慢できなかった…」
全く反省してないその顔を見て、胸をドンと押してダメだと念を押した。しかし、周りからの視線はそれがもう遅いことを意味しているように、まだザワザワしている。
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