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第八章
97 春の祭祀
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今年もまた一年が巡り、新しい年を迎えた。
清明の月の第一週目の新年の祝い週、王宮で新年を祝う行事が始まった。
新年の一日目は、王都の大聖堂に王族と六代公爵家が新年の祭礼の為に集まり、これから一年の無事を祈る儀式が行われる。
王族は国王プロスペールと王妃セシリア、そして今年からは王太子レイナルドが参加している。
公爵家は、クロスローズからは当主のベイリーと妻のグレース、息子のアルトゥール、ジェラルド。デフュールからは当主のランベールと妻のカミラ息子のニコラス、リオネル。グレイシアからは当主のジョルジュと妻のリサ。ラファーガからは当主のディルクと妻のアマーリア息子のシモン、ジョスラン。ウェルダネスからは当主のクリストフと妻のマリアーナ。ウィルバートからは当主のジークフリートと妻のセラフィーナ息子のテオドールと娘のサラが参加していた。
礼拝が始まる時間を迎え、花が供えられた祭壇の前の椅子に座る。
その後、祭祀用の正装に着替えた枢機卿と大司教が揃って祭壇へと向かい、ヴェリダ神の像を前にしてその背後に聖山を仰ぎながら祈りの言葉を捧げ始めるのだ。
「王国の始祖たるヴェリダ神よ。あなたのエストレージャ王国の恒久なる繁栄をここに祈ります……」
奥ノ宮での祭祀が始まる時間に合わせてささげられた祈りの言葉が、聖堂内に響き渡った。そして王国の建国時から続く家門のみが参加するこの新年初日の祭事は、厳粛に行われた。
「今年も一年、楽しいことがありそうだね。テオドール殿もサラ嬢も今年から騎士団に配属ではないか?君達の実力はとても秀でていると聞いているよ」
「ありがとうございます。クロスローズ公爵からその様なお言葉を掛けていただけるとは、妹ともども、嬉しい限りです」
テオドールとサラは礼をしながらそう返事をした。まさかこんな風に声を掛けてもらうことは考えていなかったので少し驚いたのだが、そう言われることは二人とも嬉しかったのだ。
「リオネル殿とローラント殿はジェラルドと同じで、今年からジュネス学園だろう?レイナルド殿下も一緒なのだし、なかなか面白い学園生活になりそうだね」
「数年前から交流がありますから、楽しい学園生活になると思います」
「そうだね。君達、くれぐれも気を付けて過ごすのだよ。学園とはいえすべてが安全とは言えないからね」
笑顔を浮かべながら皆の顔を見比べてそう言ったのだが、言われた方からすると学園が安全ではないという意味が、交流関係に関して言われているだろうと考えていた。
ベイリーの意図するところは別にあるのだが、そこまで話す必要もないのだから、まあ、心の隅にでも留めておいてくれるといいくらいに思っていた。
「今年からクラウディアも来るかと思っていたんだがな」
クリストフがベイリーにそう言ったのを聞いて、皆がその返事を、聞き耳を立てて聞いている。
「彼女はまだだよ。アデライト嬢やフィオナ嬢と一緒に来年から学園じゃあないか。春の祭典への参加は来年からだね」
会えなくて残念だったと言わんばかりの表情を浮かべながらクリストフの顔を見て、そして他のメンバーにも視線を向けた。
この祭礼に参加するのは、学園に入学する17歳になる年からが通例だ。クラウディアは当主達には何度も会っているものの、令息たちに会わせることは先延ばしをしたいとベイリーは考えていた。だが、この中で半数はもう顔を合わせているので、ベイリーの虫よけ的な思惑は外れているような気もする。
奥ノ宮での祭祀を終えた王族が礼拝堂へ戻るという連絡を受けて、公爵家の面々は決められた場所へと戻り到着を待った。
そして、すぐ横にある大きな扉が開くとともに、その場の人達が一斉に頭を下げる。
ラフィニエールの先導で祭祀の服装から正装へと着替えを終えた王族達が入室し、祭壇の前に準備をされた王族用の椅子にそれぞれ腰掛けた。
ヴェリダ神の血を引くといわれる王家の特徴で、王位継承権を持つ者は輝く銀の髪に金の瞳を持つのだが、アインザムカイトは王位継承権の放棄を明示したときから、髪の色はプラチナブロンドへと変わり、瞳の色も琥珀色と徐々に変わっていった。
その変化はこの王国ではよくあることで、王位の継承の際の争いを避けることが目で見てもわかるようになっていた。
公爵家も家門を継がない者の子は髪色が若干変わっていくので、この国の建国時からの血筋にはそういうことが起こるのだろうと不思議ながらも受け入れられていた。
国王の隣に座る王妃は小柄で、どちらかというと可愛らしい顔つきをしているのだが、その目は大きくて睫毛も長くとても力がある。隣国エアストンの王族の縁者で、髪は薄いピンク色をし瞳は薄茶をしている。レイナルドの目は彼女に似ているのだろう。
「プロスペール陛下、セシリア王妃、レイナルド王太子殿下、恙無く祭祀を終えられ、新しい年を迎えましたこと、お祝い申し上げます」
筆頭公爵家当主であるベイリーが代表として王族への挨拶をすると同時に、再度深く頭を下げる。その挨拶を受けたプロスペールは笑顔を浮かべながら一瞥した。
「堅苦しい挨拶はよい。今年も今日から新しい年が始まる。皆には迷惑をかけるが、この国の為にも、これからも尽力を頼む」
「もちろんでございます。しかし陛下。我々、公爵家一同はこの王国を、そして王家を支えるために存在しているのです。そのようなお言葉は不要だと、いつも言っているではありませんか」
「公爵家の忠義はいつも感じておるのだ。感謝の気持ちくらい言わせてくれてもいいだろう。本当にベイリーは固いな」
プロスペールはわずかに笑ってベイリーに言い返すのだが、これ以上言っても同じことだと思い、話題を変える。
「そう言えば、レイナルドも今年から学園生だな。幸いにもここには学園の先輩も、同窓もおるではないか?ゆっくりと話をしてみてはどうだ?私達は少し席をはずそう。子供達でゆっくりと話すがよい」
そう言い残し、レイナルドと公爵家の子供たちがその場に残され、当主と王、王妃は他の部屋へと場所を移した。
礼拝堂から離れた場所にある一室に入ると、そこにはラフィニエールが待っていて、意味深な表情で入室するメンバーの顔を見ている。
「ラフィニエール教皇、何か…感じられたのですか?それで、私達をここへ集めたのではないですか?それに、今年、王弟殿下はなぜ参加されていないのでしょう?」
ベイリーはいつもは感じることのない空気を感じ、ラフィニエールに向き直った。ベイリーのその言葉に、他の当主の表情も引き締まり、皆の視線がラフィニエールへ向いている。
「ベイリー、まずは座れ。他の者もだ」
プロスペールが冷静な声で言うと、それぞれ用意された椅子に座り、次の言葉を待つことにした。
「実はな…数年前から兆候はあったのだ。だが、我々王家とラフィニエール達の力で対処ができていた」
「対処…というと、まさか、祭祀の儀が……」
「ああ、そうだ。そのまさかだ」
この国が建国される前に起きた混乱は、表向きには戦争と伝えられているが、実際には闇の力によって引き起こされたものだと王家と公爵家には伝えられていた。
ヴェリタの神と対立していた神が闇に堕ち、その神の愛する土地を焼き尽くさんとしたことが全ての始まりだったと伝わっていた。そしてその“闇”はセーロスといい、人の心に巣くうことで力をつけていったのだが、三百年前の大戦の際にヴェリダ神とアレクシスの祈りによって弱体化されてかの地に封じ込められたのだ。
「お前達も知っているだろうが、この祭祀はヴェリダ神の力を借りて“闇”の力を削ぎ、その封印を維持する事が目的だ。だが、ここ数年、その“闇”が少しずつだが漏れ出ている気配がある」
「七年ほど前に一度、大量に漏れ出たことがあったのだが、その時はラフィニエール達の力で事なきを得た。しかし、それから毎年、ほんのわずかだがまだ漏れ出ている」
「アインザムカイトの力は我らの中でも強い。そのこともあって今までは十分対応はできてきたのだが……今、ここにいないのは、封印の地での祈りを任せているためだ。その報告次第では次回からはお前達にも祭祀に参加してもらう可能性もある」
「そんなに深刻なのですか?」
「いや…念の為だと考えていてくれて構わない」
「ラフィニエール達と我が王家、そして公爵家の力が合わされば、歴史が繰り返されることはないだろう。だがベイリー…例の事もある。念には念を…だ」
「わかりました。では、報告次第で来年からの祭祀には私どもも参加することを心に止めておきます。各領地のフェストも今以上に力を入れましょう。それで変わらない様であれば、すぐにでも代案を出さねばなりませんから」
これからの方向性を話し合い、ラフィニエールからの報告を待つことにしてその場が解散となった。
清明の月の第一週目の新年の祝い週、王宮で新年を祝う行事が始まった。
新年の一日目は、王都の大聖堂に王族と六代公爵家が新年の祭礼の為に集まり、これから一年の無事を祈る儀式が行われる。
王族は国王プロスペールと王妃セシリア、そして今年からは王太子レイナルドが参加している。
公爵家は、クロスローズからは当主のベイリーと妻のグレース、息子のアルトゥール、ジェラルド。デフュールからは当主のランベールと妻のカミラ息子のニコラス、リオネル。グレイシアからは当主のジョルジュと妻のリサ。ラファーガからは当主のディルクと妻のアマーリア息子のシモン、ジョスラン。ウェルダネスからは当主のクリストフと妻のマリアーナ。ウィルバートからは当主のジークフリートと妻のセラフィーナ息子のテオドールと娘のサラが参加していた。
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その後、祭祀用の正装に着替えた枢機卿と大司教が揃って祭壇へと向かい、ヴェリダ神の像を前にしてその背後に聖山を仰ぎながら祈りの言葉を捧げ始めるのだ。
「王国の始祖たるヴェリダ神よ。あなたのエストレージャ王国の恒久なる繁栄をここに祈ります……」
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「今年も一年、楽しいことがありそうだね。テオドール殿もサラ嬢も今年から騎士団に配属ではないか?君達の実力はとても秀でていると聞いているよ」
「ありがとうございます。クロスローズ公爵からその様なお言葉を掛けていただけるとは、妹ともども、嬉しい限りです」
テオドールとサラは礼をしながらそう返事をした。まさかこんな風に声を掛けてもらうことは考えていなかったので少し驚いたのだが、そう言われることは二人とも嬉しかったのだ。
「リオネル殿とローラント殿はジェラルドと同じで、今年からジュネス学園だろう?レイナルド殿下も一緒なのだし、なかなか面白い学園生活になりそうだね」
「数年前から交流がありますから、楽しい学園生活になると思います」
「そうだね。君達、くれぐれも気を付けて過ごすのだよ。学園とはいえすべてが安全とは言えないからね」
笑顔を浮かべながら皆の顔を見比べてそう言ったのだが、言われた方からすると学園が安全ではないという意味が、交流関係に関して言われているだろうと考えていた。
ベイリーの意図するところは別にあるのだが、そこまで話す必要もないのだから、まあ、心の隅にでも留めておいてくれるといいくらいに思っていた。
「今年からクラウディアも来るかと思っていたんだがな」
クリストフがベイリーにそう言ったのを聞いて、皆がその返事を、聞き耳を立てて聞いている。
「彼女はまだだよ。アデライト嬢やフィオナ嬢と一緒に来年から学園じゃあないか。春の祭典への参加は来年からだね」
会えなくて残念だったと言わんばかりの表情を浮かべながらクリストフの顔を見て、そして他のメンバーにも視線を向けた。
この祭礼に参加するのは、学園に入学する17歳になる年からが通例だ。クラウディアは当主達には何度も会っているものの、令息たちに会わせることは先延ばしをしたいとベイリーは考えていた。だが、この中で半数はもう顔を合わせているので、ベイリーの虫よけ的な思惑は外れているような気もする。
奥ノ宮での祭祀を終えた王族が礼拝堂へ戻るという連絡を受けて、公爵家の面々は決められた場所へと戻り到着を待った。
そして、すぐ横にある大きな扉が開くとともに、その場の人達が一斉に頭を下げる。
ラフィニエールの先導で祭祀の服装から正装へと着替えを終えた王族達が入室し、祭壇の前に準備をされた王族用の椅子にそれぞれ腰掛けた。
ヴェリダ神の血を引くといわれる王家の特徴で、王位継承権を持つ者は輝く銀の髪に金の瞳を持つのだが、アインザムカイトは王位継承権の放棄を明示したときから、髪の色はプラチナブロンドへと変わり、瞳の色も琥珀色と徐々に変わっていった。
その変化はこの王国ではよくあることで、王位の継承の際の争いを避けることが目で見てもわかるようになっていた。
公爵家も家門を継がない者の子は髪色が若干変わっていくので、この国の建国時からの血筋にはそういうことが起こるのだろうと不思議ながらも受け入れられていた。
国王の隣に座る王妃は小柄で、どちらかというと可愛らしい顔つきをしているのだが、その目は大きくて睫毛も長くとても力がある。隣国エアストンの王族の縁者で、髪は薄いピンク色をし瞳は薄茶をしている。レイナルドの目は彼女に似ているのだろう。
「プロスペール陛下、セシリア王妃、レイナルド王太子殿下、恙無く祭祀を終えられ、新しい年を迎えましたこと、お祝い申し上げます」
筆頭公爵家当主であるベイリーが代表として王族への挨拶をすると同時に、再度深く頭を下げる。その挨拶を受けたプロスペールは笑顔を浮かべながら一瞥した。
「堅苦しい挨拶はよい。今年も今日から新しい年が始まる。皆には迷惑をかけるが、この国の為にも、これからも尽力を頼む」
「もちろんでございます。しかし陛下。我々、公爵家一同はこの王国を、そして王家を支えるために存在しているのです。そのようなお言葉は不要だと、いつも言っているではありませんか」
「公爵家の忠義はいつも感じておるのだ。感謝の気持ちくらい言わせてくれてもいいだろう。本当にベイリーは固いな」
プロスペールはわずかに笑ってベイリーに言い返すのだが、これ以上言っても同じことだと思い、話題を変える。
「そう言えば、レイナルドも今年から学園生だな。幸いにもここには学園の先輩も、同窓もおるではないか?ゆっくりと話をしてみてはどうだ?私達は少し席をはずそう。子供達でゆっくりと話すがよい」
そう言い残し、レイナルドと公爵家の子供たちがその場に残され、当主と王、王妃は他の部屋へと場所を移した。
礼拝堂から離れた場所にある一室に入ると、そこにはラフィニエールが待っていて、意味深な表情で入室するメンバーの顔を見ている。
「ラフィニエール教皇、何か…感じられたのですか?それで、私達をここへ集めたのではないですか?それに、今年、王弟殿下はなぜ参加されていないのでしょう?」
ベイリーはいつもは感じることのない空気を感じ、ラフィニエールに向き直った。ベイリーのその言葉に、他の当主の表情も引き締まり、皆の視線がラフィニエールへ向いている。
「ベイリー、まずは座れ。他の者もだ」
プロスペールが冷静な声で言うと、それぞれ用意された椅子に座り、次の言葉を待つことにした。
「実はな…数年前から兆候はあったのだ。だが、我々王家とラフィニエール達の力で対処ができていた」
「対処…というと、まさか、祭祀の儀が……」
「ああ、そうだ。そのまさかだ」
この国が建国される前に起きた混乱は、表向きには戦争と伝えられているが、実際には闇の力によって引き起こされたものだと王家と公爵家には伝えられていた。
ヴェリタの神と対立していた神が闇に堕ち、その神の愛する土地を焼き尽くさんとしたことが全ての始まりだったと伝わっていた。そしてその“闇”はセーロスといい、人の心に巣くうことで力をつけていったのだが、三百年前の大戦の際にヴェリダ神とアレクシスの祈りによって弱体化されてかの地に封じ込められたのだ。
「お前達も知っているだろうが、この祭祀はヴェリダ神の力を借りて“闇”の力を削ぎ、その封印を維持する事が目的だ。だが、ここ数年、その“闇”が少しずつだが漏れ出ている気配がある」
「七年ほど前に一度、大量に漏れ出たことがあったのだが、その時はラフィニエール達の力で事なきを得た。しかし、それから毎年、ほんのわずかだがまだ漏れ出ている」
「アインザムカイトの力は我らの中でも強い。そのこともあって今までは十分対応はできてきたのだが……今、ここにいないのは、封印の地での祈りを任せているためだ。その報告次第では次回からはお前達にも祭祀に参加してもらう可能性もある」
「そんなに深刻なのですか?」
「いや…念の為だと考えていてくれて構わない」
「ラフィニエール達と我が王家、そして公爵家の力が合わされば、歴史が繰り返されることはないだろう。だがベイリー…例の事もある。念には念を…だ」
「わかりました。では、報告次第で来年からの祭祀には私どもも参加することを心に止めておきます。各領地のフェストも今以上に力を入れましょう。それで変わらない様であれば、すぐにでも代案を出さねばなりませんから」
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