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第七章
77 レストランのオープンに向けて
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クラウディアと顔を合わせてから、商会の仕事も本格的に動き出し二カ月が過ぎていた。
夏の始まる気配からもう残暑を感じる季節になり、その間も時間が経つのが早く感じるほど忙しかった。そして周囲の状況も変わっていくのがわかるほどだった。
リベンジェス商会は本拠地をナシュールに定め、近くに薔薇の美しいアマラ・グレースの公園があることから、商会の印は薔薇の花を模った。
そして商会長の決済には、薔薇の中央にクラウディアの瞳の色でもある瑠璃色を追加で入れるようにしていたのだ。それは少しでも感謝を忘れないようにとルードが勝手にやっていることで、クラウディアも他の商会員も知らないことだった。
封蝋はもちろんクラウディアの瑠璃色で、イメージカラーも金と瑠璃なのだから、リスペクトするにもほどがあるだろうと思う。
ここナシュールでは、領主への信頼であるとか尊敬の気持ちが大きいため瑠璃や金系の色を使っているものは町中見渡すと、かなりの数、見ることができる。その為、色から推測される心配はなく、ルードも安心して金と瑠璃を使っている。
ルードもそうだが、フィン、レヴィ、ナッシュ達がクラウディアに対して抱く感情も、表現しきれない程、言い表すことができない程の複雑なものだった。
感謝、尊敬、敬意、親愛、憧れ、…それはもう、彼女の為に事業を成功させるという意気込みが他の商会員にも伝わるほどの熱の入れようなのだ。それほど、クラウディアからもらったこのチャンスが彼らにとって大切なものだったのだろう。
フィンはルードから聞いた飲食事業の案件をすぐに行動に移し、それこそ眠っていても夢に見るほどこの事業を成功させることを考えていた。
その姿を見ていたルードは、一度、クラウディアに直接話をする機会を作る為ナッシュにクラウディアに会えるよう連絡を取っていたのだが、その日程も決まりクロスローズの屋敷へと足を運んでいた。
「ごめんなさい。待たせたかしら?」
前回に顔合わせをしてから二カ月も経っていないのだが、彼女の美しさはさらに磨きがかかっているような気がする。
「ルード様、久しぶりですね。報告書、毎回楽しみにしていたのよ。フィンもいつもありがとう」
「勿体ないお言葉です」
立ち上がり、深々と礼をして挨拶をする。
「かしこまらなくてもいいわ。では、早速話を進めましょうか」
フィンの口からこれからのあらましを説明し始めた。
そして、第一号店の候補場所や形態の決定権をフィンに一任することになった。販売予定の料理本にも何を掲載するかを店の料理との連携を含めて後日話を詰めることにした。
「一度、私の考えている事をまとめて商会宛に届けるから確認してもらえる?そのあと、もう一度会いましょう」
その後、リベンジェス商会に届いたクラウディアからの案を読んで、フィンは再度、今まで調べてきた料理の種類やその材料、そして客層を見直して何が一番良いのかを選択してまとめ始めた。
クラウディアからの手紙には、店は形態の違う2店舗を同時に展開をすることが明記されていた。一つは高所得者狙いのレストランで、もう一つは、一般階層向けの食堂と持ち帰りの店の併設だ。そして、そこでの持ち帰りは、料理本に掲載されているものを扱うとのことだった。
―――クラウディア様の考えは確かにいいと思う。仕事をしていると食事がおろそかになりがちだ。安価ですぐ食べられるものを売ることは、理にかなっているし、今まで考えたことはなかった。それが美味しくて家でも作れるようになれば、本も売れるだろう。
材料の仕入れ先も地元にこだわり、輸送費を大幅にカットしている。人員も孤児院を出た子供を優先するなど、なるべく地元の物や人を使おうとしている事も、さすがにこの都市の領主一族だと言わざるを得ない。
そして、それから数日をかけいくつかのパターンを考え、クラウディアに報告する日がくる事を楽しみにした。
一週間後、クラウディアが待ち合わせに選んだ店は、ナシュールの町の中でも比較的高級店が立ち並ぶ区画にあるレストランの一室だった。
ここは個室が完備されている事と、顧客情報に関して徹底した情報管理がなされていること、そして公爵家としても利用する店でもあったので、なにかとオーナーに融通が利くのだ。
この日、クラウディアが到着するのを今か今かと待ちわびているフィンは、いつもより緊張している自分に気が付いた。そして前回よりも遥かに緊張していた。この日はルードもいないので、尚更なのだろう。
部屋の扉が開き、クラウディアが部屋に入ってくるのだが、その姿に見とれて思わず動作が贈れそうになる。慌てて立ち上がり、丁寧にあいさつを交わした。
この日は護衛騎士と思われる青年の姿があり、クラウディアが入室してすぐに頼んでおいた飲み物や軽食が運ばれてくる。
「お腹がすいているでしょう?食べてくださる?その間にこの書類を読んでおくわ。ソニードも食べて。まだ何も食べてないでしょ?」
フィンたちが食べている間に、彼のまとめた報告書に目を通すのだが、高級志向のレストランを1店舗、庶民向けのテイクアウト専門が1店舗、そしてそこに食堂を併設することを決定し、その場所、営業時間、提供メニューなど細かく決められ、その報告書はとても上手にまとめられていた。
提供メニューに関してはきちんと考えられているのもわかり、彼の優秀さがよくわかる。そして読みながら彼らが食べ終わるのを待ち、ある程度で声を掛けた。
「フィン、素晴らしい出来だわ。さすがね」
「恐れ入ります」
「テイクアウトと食堂のメニューについてなんだけど…これを入れてもらえるかしら?」
紙にいくつか案を書き入れてフィンに渡す。それを見た彼は、色々と考えて頷いた。
「これはいいですね。では、一度持ち帰って、もう一回詰めてみます」
「次は店の場所だけど…」
クラウディアのその言葉でフィンは持参した地図を広げた。そこには赤色と青色の印が数か所あり、赤は高級向け、青が庶民向けの候補店舗の位置を指しているようだ。
その場所は彼が有能だという事を知らしめるには十分なもので、しっかりとリサーチをしたであろう根拠に基づいた場所だった。
その各場所の建物の詳細や周囲の状況人通りなどを細かく説明を受け、その中から一番良いと思う場所を選んだ。
「この中では…ここと……ここがいいわね。どう思う?」
「やはりそう思われますか?私もその二か所が一番最適だと考えていたのですが、他の候補と優劣をつけがたく、ク
ラウディア様の意見をお聞きしようと思っていたのです」
「フィン…そう思うなら、これで決定しても良かったのよ」
「そう言う訳にはいきません。クラウディア様から機会をいただいたのですから、最終確認はさせていただきたいのです」
小さく微笑んだその笑顔は、アッシュの瞳が輝いていて、見ていてホッとするものだった。
夏の始まる気配からもう残暑を感じる季節になり、その間も時間が経つのが早く感じるほど忙しかった。そして周囲の状況も変わっていくのがわかるほどだった。
リベンジェス商会は本拠地をナシュールに定め、近くに薔薇の美しいアマラ・グレースの公園があることから、商会の印は薔薇の花を模った。
そして商会長の決済には、薔薇の中央にクラウディアの瞳の色でもある瑠璃色を追加で入れるようにしていたのだ。それは少しでも感謝を忘れないようにとルードが勝手にやっていることで、クラウディアも他の商会員も知らないことだった。
封蝋はもちろんクラウディアの瑠璃色で、イメージカラーも金と瑠璃なのだから、リスペクトするにもほどがあるだろうと思う。
ここナシュールでは、領主への信頼であるとか尊敬の気持ちが大きいため瑠璃や金系の色を使っているものは町中見渡すと、かなりの数、見ることができる。その為、色から推測される心配はなく、ルードも安心して金と瑠璃を使っている。
ルードもそうだが、フィン、レヴィ、ナッシュ達がクラウディアに対して抱く感情も、表現しきれない程、言い表すことができない程の複雑なものだった。
感謝、尊敬、敬意、親愛、憧れ、…それはもう、彼女の為に事業を成功させるという意気込みが他の商会員にも伝わるほどの熱の入れようなのだ。それほど、クラウディアからもらったこのチャンスが彼らにとって大切なものだったのだろう。
フィンはルードから聞いた飲食事業の案件をすぐに行動に移し、それこそ眠っていても夢に見るほどこの事業を成功させることを考えていた。
その姿を見ていたルードは、一度、クラウディアに直接話をする機会を作る為ナッシュにクラウディアに会えるよう連絡を取っていたのだが、その日程も決まりクロスローズの屋敷へと足を運んでいた。
「ごめんなさい。待たせたかしら?」
前回に顔合わせをしてから二カ月も経っていないのだが、彼女の美しさはさらに磨きがかかっているような気がする。
「ルード様、久しぶりですね。報告書、毎回楽しみにしていたのよ。フィンもいつもありがとう」
「勿体ないお言葉です」
立ち上がり、深々と礼をして挨拶をする。
「かしこまらなくてもいいわ。では、早速話を進めましょうか」
フィンの口からこれからのあらましを説明し始めた。
そして、第一号店の候補場所や形態の決定権をフィンに一任することになった。販売予定の料理本にも何を掲載するかを店の料理との連携を含めて後日話を詰めることにした。
「一度、私の考えている事をまとめて商会宛に届けるから確認してもらえる?そのあと、もう一度会いましょう」
その後、リベンジェス商会に届いたクラウディアからの案を読んで、フィンは再度、今まで調べてきた料理の種類やその材料、そして客層を見直して何が一番良いのかを選択してまとめ始めた。
クラウディアからの手紙には、店は形態の違う2店舗を同時に展開をすることが明記されていた。一つは高所得者狙いのレストランで、もう一つは、一般階層向けの食堂と持ち帰りの店の併設だ。そして、そこでの持ち帰りは、料理本に掲載されているものを扱うとのことだった。
―――クラウディア様の考えは確かにいいと思う。仕事をしていると食事がおろそかになりがちだ。安価ですぐ食べられるものを売ることは、理にかなっているし、今まで考えたことはなかった。それが美味しくて家でも作れるようになれば、本も売れるだろう。
材料の仕入れ先も地元にこだわり、輸送費を大幅にカットしている。人員も孤児院を出た子供を優先するなど、なるべく地元の物や人を使おうとしている事も、さすがにこの都市の領主一族だと言わざるを得ない。
そして、それから数日をかけいくつかのパターンを考え、クラウディアに報告する日がくる事を楽しみにした。
一週間後、クラウディアが待ち合わせに選んだ店は、ナシュールの町の中でも比較的高級店が立ち並ぶ区画にあるレストランの一室だった。
ここは個室が完備されている事と、顧客情報に関して徹底した情報管理がなされていること、そして公爵家としても利用する店でもあったので、なにかとオーナーに融通が利くのだ。
この日、クラウディアが到着するのを今か今かと待ちわびているフィンは、いつもより緊張している自分に気が付いた。そして前回よりも遥かに緊張していた。この日はルードもいないので、尚更なのだろう。
部屋の扉が開き、クラウディアが部屋に入ってくるのだが、その姿に見とれて思わず動作が贈れそうになる。慌てて立ち上がり、丁寧にあいさつを交わした。
この日は護衛騎士と思われる青年の姿があり、クラウディアが入室してすぐに頼んでおいた飲み物や軽食が運ばれてくる。
「お腹がすいているでしょう?食べてくださる?その間にこの書類を読んでおくわ。ソニードも食べて。まだ何も食べてないでしょ?」
フィンたちが食べている間に、彼のまとめた報告書に目を通すのだが、高級志向のレストランを1店舗、庶民向けのテイクアウト専門が1店舗、そしてそこに食堂を併設することを決定し、その場所、営業時間、提供メニューなど細かく決められ、その報告書はとても上手にまとめられていた。
提供メニューに関してはきちんと考えられているのもわかり、彼の優秀さがよくわかる。そして読みながら彼らが食べ終わるのを待ち、ある程度で声を掛けた。
「フィン、素晴らしい出来だわ。さすがね」
「恐れ入ります」
「テイクアウトと食堂のメニューについてなんだけど…これを入れてもらえるかしら?」
紙にいくつか案を書き入れてフィンに渡す。それを見た彼は、色々と考えて頷いた。
「これはいいですね。では、一度持ち帰って、もう一回詰めてみます」
「次は店の場所だけど…」
クラウディアのその言葉でフィンは持参した地図を広げた。そこには赤色と青色の印が数か所あり、赤は高級向け、青が庶民向けの候補店舗の位置を指しているようだ。
その場所は彼が有能だという事を知らしめるには十分なもので、しっかりとリサーチをしたであろう根拠に基づいた場所だった。
その各場所の建物の詳細や周囲の状況人通りなどを細かく説明を受け、その中から一番良いと思う場所を選んだ。
「この中では…ここと……ここがいいわね。どう思う?」
「やはりそう思われますか?私もその二か所が一番最適だと考えていたのですが、他の候補と優劣をつけがたく、ク
ラウディア様の意見をお聞きしようと思っていたのです」
「フィン…そう思うなら、これで決定しても良かったのよ」
「そう言う訳にはいきません。クラウディア様から機会をいただいたのですから、最終確認はさせていただきたいのです」
小さく微笑んだその笑顔は、アッシュの瞳が輝いていて、見ていてホッとするものだった。
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