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第五章
48 ヒューとマジックバッグ
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クラウディアは朝から魔塔魔術院のカルロスの元を訪れ、魔術陣の上級の勉強をしたい事を熱烈に訴えた。
できる限りの本も読んでみたが、これ以上は自力でやっていくのにも限界が見えてきて、『あと少しの切欠さえあれば先に進める』という自信がクラウディアにはあったのだ。
「お祖父様、お願いします。もう少し詳しく勉強したいの。どなたか教えてくださる方を紹介してください」
カルロスもまた可愛い孫でもあるクラウディアにはとても弱いので、すぐに「いいぞ」と返事をしたいところだったが、これ以上、彼女の年相応の子供らしさがなくなっていく事には抵抗があった。
だが、その真剣に詰め寄ってくる姿にとうとう折れた。
どれだけ考えても、彼女の中身は見た目の年と相違があるのだから仕方がないと思うしかなかったのだ。
「わかった、わかった。紹介しよう」
「本当?お祖父様、ありがとう」
しぶしぶ……といった表情を浮かべながら、クラウディアを伴い自身の部屋を出て、目当ての研究室へと向かった。
「ヒュー」
「これはカルロス様、どうされたのですか?」
ブレイズの研究室とは棟が違うソコは、魔術陣に特化した研究者が多く詰めているようで、その一室で仕事の準備を始めていたヒュー・ウェストにカルロスは声を掛けた。
彼は薄い水色の長い髪を後ろに流し、細い縁の眼鏡をかけた中性的な雰囲気を持つ男性が返事をした。
彼は魔術陣の専門家で、ここで魔術陣に関する研究員の代表をしている。
「この子は私の孫でな。魔術陣を習いたいと言っておるんだ。実力は中級はあると思うが、教えてやってくれんか?」
「私が…ですか?」
「ヒュー様。クラウディア・リュカ・クロスローズです。新しい魔術陣を考えているのですが、今、行き詰ってしまってお祖父様にお願いしたのです。お忙しいと思いますが、少し、教えていただけませんか?」
クロスローズは筆頭公爵家だ。そんな高位貴族の令嬢が、人から教えを請おうとするその丁寧な話し方に、ヒューは好感を持った。
普通であれば、もっと高圧的な態度を示されても文句は言えないのだが、彼女の学ぼうとする姿勢を見て心に響くものがあった。そんな姿を見せられると親切に教えてあげたいと思うのは研究者としても学問を習得する者としても放ってはおけない。
「わかりました。今日は時間がありますし、ゆっくりお聞きしますよ」
「そうか。ヒュー、頼んだぞ。クラウディア、あまり無茶なことは言うなよ」
「まあ、お祖父様。私はそんなことはしません」
カルロスはヒューにクラウディアを頼み自室へと戻ったのだが、心の中では無茶をしないかと心配はあった。研究者というものは限度を知らない人間が多いことを知っているから、途中で振り返り「後で一度来るべきか…」と少し考えていた。
その頃、部屋の中では…
「では、クラウディア様。魔術陣に関しては、どのくらい理解していますか?」
「家にある本と、お祖父様から借りた本は目を通しました。それで、これが今考えているものなのですが、わからないところがあるのです」
持ってきた魔術陣を考察した紙を取り出し、ヒューに見せて意見を聞いた。何度試しても機能しない収納魔法の魔術陣の確認をしてもらいたいとこうしてお願いしにきたのだ。
「この赤で記したところが違うと思うのです。何度直しても納得できる形にならないのですが、どこが悪いのでしょうか」
「ちょ……ちょっと待ってください」
ヒューはクラウディアから手渡された紙に記されている、魔術陣と魔力回路の細かい線を何度も繰り返し辿った。彼女の説明する内容に間違いはないし、これだけのものが書けるのであれば完璧だろう。だが、一瞬だが自身の目を疑った。
―――これはなんだ?しかもこの考察、おかしいところが見当たらない…
数秒、ほんの数秒だがクラウディアの顔をじっと見つめてしまうが、その視線を感じたのが首を傾げられる。いくらカルロスの孫とはいえ、まだ10歳やそこらの子供だ。そんな子供がこんな複雑な魔術陣を考えつくのだろうか。誰かほかの人間が考えたとか、そういう事なのだろうか。
「クラウディア様、これはどうなさったのですか?」
「以前『稀有な魔法全集』という本を読んだのです。そこに出ていた収納魔法の魔道具を考えているのですが、どうしても肝心な回路が動かなくて、魔術陣の直すところはわかるのです。でも、どうやって直せばいいのか、どう調べても解決方法が見当たらなくて、お祖父様に教えてくれる方を紹介してほしいとお願いしたのです」
『稀有な魔法全集』は、研究員の中でもみんなが必ず目にしている一冊なのだが、その中には今現在、どうやっても再現できないものもいくつかある。その中の一つがこの収納魔法だった。
不可能という訳ではないのだが、その規模が小さくなればなるほど難しくなり、クラウディアが書いてきた魔術陣は、おそらく小さいものに付与するように考えられている。
その精密さと精巧さに驚きを隠せないものの、ヒューの心は踊るように楽しい気持ちが溢れ出てきて仕方がなかった。
「わかりました。では、今から直していきましょうか」
机の上にいくつか本を開き、持ってきたクラウディアが書いた魔術陣の意味を改めて説明をし始めた。場所の意味、役目、威力、方法、あげればきりがないほど、細かいところまで教えた。
「クラウディア様は、お一人で学ばれたのですか?」
「はい。教えて貰う事もありますが、ほとんどは一人で学びました」
「クラウディア様は本当に素晴らしい。私が教えて貰いたいほどですよ」
「ヒュー先生、それは言い過ぎです」
「いえ、それほどあなたの考えた魔術陣は素晴らしい。この先、どれほどの功績をあげられるか楽しみです」
「買いかぶりすぎです」
「あなたは自分を過小評価し過ぎですよ。また新しい魔術陣を考えた時には見せていただけませんか?私の勉強にもなりますし。お互い様ではないですか?」
話をしながら、目の前に広げられた術式を確認し、その線をたどり、部分的に動かして確認を繰り返した。
「では、これで大丈夫でしょう。一度、やってみましょうか」
クラウディアは日本で見ていたマジックバッグのようなものが出来るといいなと思っていたので、バッグに付与したいと考えたのだが、まずは動くかどうかの確認をするためにヒューの部屋にある小箱に魔術陣を記してみた。
魔術陣にはいくつか種類があり、魔術陣に魔力を流して発動させるもの、同じく魔術陣に魔力を込めた魔石から魔力を提供し続けるもの、それと、魔力の持った魔石から作ったインクを使って魔術陣自体に魔力を持たせ常時発動させておくものなど、その使い方によって記し方や付与の仕方が違う。
今回はインクを使った方法で記し、どうなるのかと二人で見守る。
小箱の底に魔術陣の書き終わり発動を促す魔力を流してみると、彼女のイメージしている通りの物が出来上がった。試しに本を出し入れしてみるが、何の問題もなく使える事を確認できた。後は、食べ物などの時間経過を見る必要があるだろう。
「クラウディア様。これをどうされるおつもりですか?」
「これ?バッグに書いて自分で使おうかなって思っているの」
思ってもみなかったその返事に、ヒューは思わず言葉が出なかった。だが、魔道具を思いつく瞬間はそういう時が一番多いのも事実だ。
「これはカルロス様に報告しておいた方がいいですね」
このことに関しては、どこからか広まるよりも最初から話しておく方が正解だろうと考えそう言ったのだ。これは商品化にもなるし、騎士団でも商団でも必需品になるものだから、しっかりと保護しておくべきものだ。
「そう…ね。じゃあ、お祖父様の所に行ってからブレイズさんの所に行こうかな」
「それがいいです。では、クラウディア様。またわからないことがあれば、いつでも声を掛けてください。あなたの為ならすぐ時間を作ります。楽しみにしていますね」
そしてヒューの研究室を後にして、カルロスの元へと急いだ。
「お祖父様、いらっしゃる?」
「どうした、クラウディア?ヒューとの話は終わったのか?」
「はい。ヒュー先生に手伝ってもらって出来たものを見せに来ました。お祖父様に伝えた方が良いと言われたの」
「それで、何が出来たのか見せて見ろ」
そう言っておじいちゃんの顔を浮かべて優しく笑う。
「これです」
そう言って手に持っていた収納魔法を付与した小箱を手渡し、説明をしているうちにカルロスの表情がどんどん変わっていくのを間近で見る事になった。
「これを…お前が作ったのか?」
「ヒュー先生に手伝ってもらいました」
一人ではどうしても解決できないところがあって、それを教えて貰い作ってみたことを話したのだが、それでも信じられないと言った顔をしている。
「クラウディア、お前はどれほど素晴らしいものを作ったのか自覚はあるのか?」
そう言われたが、その自覚などあるはずもない。彼女の常識は今ではこの世界での非常識なのだから。
できる限りの本も読んでみたが、これ以上は自力でやっていくのにも限界が見えてきて、『あと少しの切欠さえあれば先に進める』という自信がクラウディアにはあったのだ。
「お祖父様、お願いします。もう少し詳しく勉強したいの。どなたか教えてくださる方を紹介してください」
カルロスもまた可愛い孫でもあるクラウディアにはとても弱いので、すぐに「いいぞ」と返事をしたいところだったが、これ以上、彼女の年相応の子供らしさがなくなっていく事には抵抗があった。
だが、その真剣に詰め寄ってくる姿にとうとう折れた。
どれだけ考えても、彼女の中身は見た目の年と相違があるのだから仕方がないと思うしかなかったのだ。
「わかった、わかった。紹介しよう」
「本当?お祖父様、ありがとう」
しぶしぶ……といった表情を浮かべながら、クラウディアを伴い自身の部屋を出て、目当ての研究室へと向かった。
「ヒュー」
「これはカルロス様、どうされたのですか?」
ブレイズの研究室とは棟が違うソコは、魔術陣に特化した研究者が多く詰めているようで、その一室で仕事の準備を始めていたヒュー・ウェストにカルロスは声を掛けた。
彼は薄い水色の長い髪を後ろに流し、細い縁の眼鏡をかけた中性的な雰囲気を持つ男性が返事をした。
彼は魔術陣の専門家で、ここで魔術陣に関する研究員の代表をしている。
「この子は私の孫でな。魔術陣を習いたいと言っておるんだ。実力は中級はあると思うが、教えてやってくれんか?」
「私が…ですか?」
「ヒュー様。クラウディア・リュカ・クロスローズです。新しい魔術陣を考えているのですが、今、行き詰ってしまってお祖父様にお願いしたのです。お忙しいと思いますが、少し、教えていただけませんか?」
クロスローズは筆頭公爵家だ。そんな高位貴族の令嬢が、人から教えを請おうとするその丁寧な話し方に、ヒューは好感を持った。
普通であれば、もっと高圧的な態度を示されても文句は言えないのだが、彼女の学ぼうとする姿勢を見て心に響くものがあった。そんな姿を見せられると親切に教えてあげたいと思うのは研究者としても学問を習得する者としても放ってはおけない。
「わかりました。今日は時間がありますし、ゆっくりお聞きしますよ」
「そうか。ヒュー、頼んだぞ。クラウディア、あまり無茶なことは言うなよ」
「まあ、お祖父様。私はそんなことはしません」
カルロスはヒューにクラウディアを頼み自室へと戻ったのだが、心の中では無茶をしないかと心配はあった。研究者というものは限度を知らない人間が多いことを知っているから、途中で振り返り「後で一度来るべきか…」と少し考えていた。
その頃、部屋の中では…
「では、クラウディア様。魔術陣に関しては、どのくらい理解していますか?」
「家にある本と、お祖父様から借りた本は目を通しました。それで、これが今考えているものなのですが、わからないところがあるのです」
持ってきた魔術陣を考察した紙を取り出し、ヒューに見せて意見を聞いた。何度試しても機能しない収納魔法の魔術陣の確認をしてもらいたいとこうしてお願いしにきたのだ。
「この赤で記したところが違うと思うのです。何度直しても納得できる形にならないのですが、どこが悪いのでしょうか」
「ちょ……ちょっと待ってください」
ヒューはクラウディアから手渡された紙に記されている、魔術陣と魔力回路の細かい線を何度も繰り返し辿った。彼女の説明する内容に間違いはないし、これだけのものが書けるのであれば完璧だろう。だが、一瞬だが自身の目を疑った。
―――これはなんだ?しかもこの考察、おかしいところが見当たらない…
数秒、ほんの数秒だがクラウディアの顔をじっと見つめてしまうが、その視線を感じたのが首を傾げられる。いくらカルロスの孫とはいえ、まだ10歳やそこらの子供だ。そんな子供がこんな複雑な魔術陣を考えつくのだろうか。誰かほかの人間が考えたとか、そういう事なのだろうか。
「クラウディア様、これはどうなさったのですか?」
「以前『稀有な魔法全集』という本を読んだのです。そこに出ていた収納魔法の魔道具を考えているのですが、どうしても肝心な回路が動かなくて、魔術陣の直すところはわかるのです。でも、どうやって直せばいいのか、どう調べても解決方法が見当たらなくて、お祖父様に教えてくれる方を紹介してほしいとお願いしたのです」
『稀有な魔法全集』は、研究員の中でもみんなが必ず目にしている一冊なのだが、その中には今現在、どうやっても再現できないものもいくつかある。その中の一つがこの収納魔法だった。
不可能という訳ではないのだが、その規模が小さくなればなるほど難しくなり、クラウディアが書いてきた魔術陣は、おそらく小さいものに付与するように考えられている。
その精密さと精巧さに驚きを隠せないものの、ヒューの心は踊るように楽しい気持ちが溢れ出てきて仕方がなかった。
「わかりました。では、今から直していきましょうか」
机の上にいくつか本を開き、持ってきたクラウディアが書いた魔術陣の意味を改めて説明をし始めた。場所の意味、役目、威力、方法、あげればきりがないほど、細かいところまで教えた。
「クラウディア様は、お一人で学ばれたのですか?」
「はい。教えて貰う事もありますが、ほとんどは一人で学びました」
「クラウディア様は本当に素晴らしい。私が教えて貰いたいほどですよ」
「ヒュー先生、それは言い過ぎです」
「いえ、それほどあなたの考えた魔術陣は素晴らしい。この先、どれほどの功績をあげられるか楽しみです」
「買いかぶりすぎです」
「あなたは自分を過小評価し過ぎですよ。また新しい魔術陣を考えた時には見せていただけませんか?私の勉強にもなりますし。お互い様ではないですか?」
話をしながら、目の前に広げられた術式を確認し、その線をたどり、部分的に動かして確認を繰り返した。
「では、これで大丈夫でしょう。一度、やってみましょうか」
クラウディアは日本で見ていたマジックバッグのようなものが出来るといいなと思っていたので、バッグに付与したいと考えたのだが、まずは動くかどうかの確認をするためにヒューの部屋にある小箱に魔術陣を記してみた。
魔術陣にはいくつか種類があり、魔術陣に魔力を流して発動させるもの、同じく魔術陣に魔力を込めた魔石から魔力を提供し続けるもの、それと、魔力の持った魔石から作ったインクを使って魔術陣自体に魔力を持たせ常時発動させておくものなど、その使い方によって記し方や付与の仕方が違う。
今回はインクを使った方法で記し、どうなるのかと二人で見守る。
小箱の底に魔術陣の書き終わり発動を促す魔力を流してみると、彼女のイメージしている通りの物が出来上がった。試しに本を出し入れしてみるが、何の問題もなく使える事を確認できた。後は、食べ物などの時間経過を見る必要があるだろう。
「クラウディア様。これをどうされるおつもりですか?」
「これ?バッグに書いて自分で使おうかなって思っているの」
思ってもみなかったその返事に、ヒューは思わず言葉が出なかった。だが、魔道具を思いつく瞬間はそういう時が一番多いのも事実だ。
「これはカルロス様に報告しておいた方がいいですね」
このことに関しては、どこからか広まるよりも最初から話しておく方が正解だろうと考えそう言ったのだ。これは商品化にもなるし、騎士団でも商団でも必需品になるものだから、しっかりと保護しておくべきものだ。
「そう…ね。じゃあ、お祖父様の所に行ってからブレイズさんの所に行こうかな」
「それがいいです。では、クラウディア様。またわからないことがあれば、いつでも声を掛けてください。あなたの為ならすぐ時間を作ります。楽しみにしていますね」
そしてヒューの研究室を後にして、カルロスの元へと急いだ。
「お祖父様、いらっしゃる?」
「どうした、クラウディア?ヒューとの話は終わったのか?」
「はい。ヒュー先生に手伝ってもらって出来たものを見せに来ました。お祖父様に伝えた方が良いと言われたの」
「それで、何が出来たのか見せて見ろ」
そう言っておじいちゃんの顔を浮かべて優しく笑う。
「これです」
そう言って手に持っていた収納魔法を付与した小箱を手渡し、説明をしているうちにカルロスの表情がどんどん変わっていくのを間近で見る事になった。
「これを…お前が作ったのか?」
「ヒュー先生に手伝ってもらいました」
一人ではどうしても解決できないところがあって、それを教えて貰い作ってみたことを話したのだが、それでも信じられないと言った顔をしている。
「クラウディア、お前はどれほど素晴らしいものを作ったのか自覚はあるのか?」
そう言われたが、その自覚などあるはずもない。彼女の常識は今ではこの世界での非常識なのだから。
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