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第一章
11 お披露目会の終了
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時間も過ぎ、そろそろお披露目会も終わりに差し掛かった。
結局、アルトゥールたちが心配していたクラウディアが他の貴族たちと出会う事はなかったので、胸をなでおろしていたのだ。
そしてジョルジュがベイリーに近づいて話しかけた。
「今日はありがとう。クラウディアにはずいぶん甘えてしまったな」
「いや。クラウディアもフィオナやエレンと遊んでいた方が楽しかっただろう」
ベイリーはジョルジュの側に居るフィオナに微笑みかけながら「またクラウディアを連れて来るよ」と告げると、フィオナも笑顔で「待っています」と元気に答えていた。
「では、そろそろ帰るとしよう。ジョルジュ、本当におめでとう」
「ベイリー、こちらこそだ。先に部屋へ向かってくれ。すぐにクラウディアを連れて行かせよう」
自身の横に控える侍従にガゼボに残っているクラウディアを、転移陣の部屋へと連れてくるように指示を出した。
「お父様。ラファエル、本当にかわいかったですね。クラウが赤ちゃんの頃を思い出しました」
クラウディアが生まれたときは本当に天使だと思うほど可愛らしく、この先、兄として守っていこうと思ったことを家族みんなで喜んだことを思い出していた。
「そうだね。赤ん坊というものはみんな天使のような存在だ。赤ん坊だけではなく、自分よりも小さいもの弱いものは守るべき対象だよ。よく覚えておきなさい」
「はい。父上」
◇ ◇ ◇
「クロスローズ公爵様。ご令嬢をお連れしました」
グレイシア家の執事と一緒に使用人に抱かれ、気持ちよさそうに眠っているクラウディアがそこにいた。
頭には花の冠をかぶっていてまさにお姫様のようだ。
「おぉ、すまないね。我が家の天使は眠ってしまったのか。ありがとう」
そう言って抱き止め、転移陣をくぐって屋敷へと戻った。
結局、アルトゥールたちが心配していたクラウディアが他の貴族たちと出会う事はなかったので、胸をなでおろしていたのだ。
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「今日はありがとう。クラウディアにはずいぶん甘えてしまったな」
「いや。クラウディアもフィオナやエレンと遊んでいた方が楽しかっただろう」
ベイリーはジョルジュの側に居るフィオナに微笑みかけながら「またクラウディアを連れて来るよ」と告げると、フィオナも笑顔で「待っています」と元気に答えていた。
「では、そろそろ帰るとしよう。ジョルジュ、本当におめでとう」
「ベイリー、こちらこそだ。先に部屋へ向かってくれ。すぐにクラウディアを連れて行かせよう」
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「はい。父上」
◇ ◇ ◇
「クロスローズ公爵様。ご令嬢をお連れしました」
グレイシア家の執事と一緒に使用人に抱かれ、気持ちよさそうに眠っているクラウディアがそこにいた。
頭には花の冠をかぶっていてまさにお姫様のようだ。
「おぉ、すまないね。我が家の天使は眠ってしまったのか。ありがとう」
そう言って抱き止め、転移陣をくぐって屋敷へと戻った。
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