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 あれから数ヶ月が過ぎ、特段、マックスから何かを言われることもなく、なにかされるわけでもなく、ただ、会えば何かしらを言いたげな視線を向けられるだけの日々をすごしていた。

 一応、公爵家の仕事もしなければと、病院や孤児院、教会へと顔を出し、支援や交流に出掛けたり比較的楽しく時間を過ごした。
 貴族の中ではこういう慰問と呼ばれる事が嫌いな令嬢も多いらしいが、私はこの時間は毎回楽しい。逆に高位貴族のお堅い人達と一緒にいる方が、正直遠慮したい。

 けれど、公爵家の人達は高位貴族の割に柔軟な考え方をしているなと思う。もしかすると珍しい人達なのかもしれない。



 教会へ顔を出したときに、シスターたちが手仕事をして収入を得て運営の足しにしてると聞いて、小物やコサージュの作り方を教えたりもした。

 イザベルの店で引き取ったドレスの中で再利用できないものもあると思い出し、それらを材料として提供することにしたのだ。そして出来上がったものをバザーで売れるようにと助言をした所、生地の質がいいこともありなかなかの売り上げがあったらしい。

 孤児院の子供たちにも作り方を教えたり、文字を教えたりして比較的自由な時間を過ごしていた。護衛騎士の二人も男の子たちの良い遊び相手になったようで、「騎士になる」と言い出した子もチラホラいて、懐かれた騎士たちが色々と教えていた。

 子供と接する機会は義母の子供でもあるリオ君くらいだったけど、それも離れにいる私とはそんなに接点もない。だから、ここで元気いっぱいな子供たちを見ていると元気がもらえて自然に笑顔になっていた。



 ここで子供と触れ合えることは私にとってもいい事なのかなと思う。

 昔は考えもしなかったけど、こう触れ合うと子供というものは可愛いものだ。
 一応結婚はしたけれど、白い結婚前提の私達には子供など出来ない。だからマックスは親戚や兄弟に任せることを考えているのだろう。まあ、リオ君もいることだし、マックスが後見人でも務めればいいだろう。その頃には私は離縁したりしてるかな?

 レ・グランもラ・シュエットも収益を出しているし、自分の取り分はしっかりと貯めている。慰謝料がなくとも生きていけるだけのお金はある。


 まあ、マックスなら別れるときは慰労金名目でいくらか渡してくるだろうけどね。
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