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13:マクシミリアン side
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俺が15歳の時だった。
姉が「親友よ」と屋敷に連れてきたのが、今の義母のヴィレンヌだった。
伯爵家の令嬢でもある彼女は、緩いウェーブのかかった淡いブラウンの髪が太陽の光に輝き、その澄んだグリーンの瞳にくぎ付けになった。
彼女が笑顔を浮かべて俺の名を口にした時、俺は彼女に恋をした。
一目惚れだった。
彼女の側にずっといたいと、彼女に名前を呼んでもらいたいとそう願ってしまった。
姉はそんな俺の気持ちを知ってか知らずか、何度も彼女を家に呼んだ。
だが、俺はまだ学生の身分だ。令嬢は学園に通うか、屋敷で家庭教師から一定の教育を施されるかどちらかを選ぶことになる。姉とヴィレンヌは屋敷で家庭教師から学んでいた。高位貴族ではよくある事だ。
しかし貴族の令息ともなると、領地経営の勉強や騎士になるための修練に学園に通う義務がある。
だから俺は休みになるたびに屋敷へ戻ってきていた。
だが、彼女にはもう年上の婚約者がいた。
幼い頃に決められた縁で、お互いに好意を持っていたらしい。それを知ったときには数日落ち込んだものだ。
いくら自分が公爵家の嫡子とはいえ、想い合っている二人の関係に横槍を入れるわけにはいかなかった。ましてやそんなことをして彼女を手に入れたとしても、そんな俺に気持ちを寄せてくれるとは限らない。
いや、そうなった場合は俺は彼女どころか姉からも嫌悪の目で見るだろう。
そんな行き場のない想いを膨らませ、拗らせ、自分でそうすることもできなかった。
姉が「親友よ」と屋敷に連れてきたのが、今の義母のヴィレンヌだった。
伯爵家の令嬢でもある彼女は、緩いウェーブのかかった淡いブラウンの髪が太陽の光に輝き、その澄んだグリーンの瞳にくぎ付けになった。
彼女が笑顔を浮かべて俺の名を口にした時、俺は彼女に恋をした。
一目惚れだった。
彼女の側にずっといたいと、彼女に名前を呼んでもらいたいとそう願ってしまった。
姉はそんな俺の気持ちを知ってか知らずか、何度も彼女を家に呼んだ。
だが、俺はまだ学生の身分だ。令嬢は学園に通うか、屋敷で家庭教師から一定の教育を施されるかどちらかを選ぶことになる。姉とヴィレンヌは屋敷で家庭教師から学んでいた。高位貴族ではよくある事だ。
しかし貴族の令息ともなると、領地経営の勉強や騎士になるための修練に学園に通う義務がある。
だから俺は休みになるたびに屋敷へ戻ってきていた。
だが、彼女にはもう年上の婚約者がいた。
幼い頃に決められた縁で、お互いに好意を持っていたらしい。それを知ったときには数日落ち込んだものだ。
いくら自分が公爵家の嫡子とはいえ、想い合っている二人の関係に横槍を入れるわけにはいかなかった。ましてやそんなことをして彼女を手に入れたとしても、そんな俺に気持ちを寄せてくれるとは限らない。
いや、そうなった場合は俺は彼女どころか姉からも嫌悪の目で見るだろう。
そんな行き場のない想いを膨らませ、拗らせ、自分でそうすることもできなかった。
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