13 / 15
第三勝 強者との出会い
出会い
しおりを挟む
後ろを振り向く。
そこには男が立っており、僕たちのテーブルの後ろに座った。
男は暑い夏だというのに黒い長ズボンに黒いジャケットを着ていて頭には黒いハチマキを着けており全身が黒で統一されている。
男の右目には縦に切られたかのような刺し傷がある、ジャケットから少し出ている手にもたくさんの刺し傷がある。
一瞬で誰か分かった、孤塚 紅だ。
剛も孤塚を探すためにこのショッピングモールに来たと言っていたし間違いない。
顔にある傷からもこの男は孤塚 紅だ、なぜここにいるんだ?
ずっと見ていると男と目が合った、なんてオーラだ。
僕はすぐに目を逸らし前を向く、するとそこにハンバーガー屋から帰ってきた天羽がいた。
「ベル鳴っているけど行かないの? 」
「いや今行くよ、ちょっと待ってて」
いつの間に鳴っていたのだろう、気づかなかったな。
あの男が何するかわからないから急ごう。
ハンバーガー屋でベルを返しご飯をもらってすぐにテーブルに帰る。
「天羽大丈夫か? 」
「え何が」
男のテーブルを見るとそこに男の姿がなかった。
どこかに行ってくれたのかな。
だが安心したのも束の間、男がスパゲッティーを持って帰ってきた。
男に背を向けてご飯を食べるなんて危険すぎるな。
もし攻撃された時、天羽を守れるか心配だ。
「天羽、隣で食べて良いかな? 」
「良いけどなんで? ここのテーブル小さいよ」
「天羽の隣が良いんだ」
そう言って僕と男が向かい合わせになるように椅子を移動する。
こうすれば何が起きても大丈夫だ。
待てよ、今の告白みたいじゃねぇか。
自分の失態に戸惑っていたせいで、天羽の顔が赤くなったのに僕は気づけなかった。
「ご飯食べた後、映画何見る? 」
「今何やってるの? 」
「前から見たいと思ってたね、学園恋戦争っていう高校生の恋愛映画があるけど」
「僕も学園恋戦争知ってるよ、面白そうだよね」
「じゃあこの映画で良い? 」
「オッケー」
恋愛映画か、楽しみだな。
僕はチーズバーガーを頬張った。
このチーズバーガーなかなかに美味しい。
そういや天羽に一口あげる約束してたな。
「天羽、一口あげる」
そう言って僕はチーズバーガーを持った左手を天羽の顔の方に持っていった。
ちょっと待てよ、これって結構キモくね。
まるで僕が天羽にアーンをしようとしているじゃないか、しかも僕が食べた方を。
「ご、ごめん」
左手を引こうとした時、天羽がチーズバーガーを勢いよく一口頬張った。
「やっぱチーズバーガー美味しい、ありがと鬼ちゃん」
カ、カア~。可愛すぎだろ。
その時男から圧を感じた。
男は目を大きく開けてこちらを眺めている。
なんだこの圧は、選手同士が近いのにアーンなんかしたから怒っているのか。
これはとっと退散した方が良いな。
すると男は立ち上がり去っていった。
よし、このすきに。
僕と天羽は男が帰ってくる前にハンバーガーを食べてフードコートを後にした。
そこには男が立っており、僕たちのテーブルの後ろに座った。
男は暑い夏だというのに黒い長ズボンに黒いジャケットを着ていて頭には黒いハチマキを着けており全身が黒で統一されている。
男の右目には縦に切られたかのような刺し傷がある、ジャケットから少し出ている手にもたくさんの刺し傷がある。
一瞬で誰か分かった、孤塚 紅だ。
剛も孤塚を探すためにこのショッピングモールに来たと言っていたし間違いない。
顔にある傷からもこの男は孤塚 紅だ、なぜここにいるんだ?
ずっと見ていると男と目が合った、なんてオーラだ。
僕はすぐに目を逸らし前を向く、するとそこにハンバーガー屋から帰ってきた天羽がいた。
「ベル鳴っているけど行かないの? 」
「いや今行くよ、ちょっと待ってて」
いつの間に鳴っていたのだろう、気づかなかったな。
あの男が何するかわからないから急ごう。
ハンバーガー屋でベルを返しご飯をもらってすぐにテーブルに帰る。
「天羽大丈夫か? 」
「え何が」
男のテーブルを見るとそこに男の姿がなかった。
どこかに行ってくれたのかな。
だが安心したのも束の間、男がスパゲッティーを持って帰ってきた。
男に背を向けてご飯を食べるなんて危険すぎるな。
もし攻撃された時、天羽を守れるか心配だ。
「天羽、隣で食べて良いかな? 」
「良いけどなんで? ここのテーブル小さいよ」
「天羽の隣が良いんだ」
そう言って僕と男が向かい合わせになるように椅子を移動する。
こうすれば何が起きても大丈夫だ。
待てよ、今の告白みたいじゃねぇか。
自分の失態に戸惑っていたせいで、天羽の顔が赤くなったのに僕は気づけなかった。
「ご飯食べた後、映画何見る? 」
「今何やってるの? 」
「前から見たいと思ってたね、学園恋戦争っていう高校生の恋愛映画があるけど」
「僕も学園恋戦争知ってるよ、面白そうだよね」
「じゃあこの映画で良い? 」
「オッケー」
恋愛映画か、楽しみだな。
僕はチーズバーガーを頬張った。
このチーズバーガーなかなかに美味しい。
そういや天羽に一口あげる約束してたな。
「天羽、一口あげる」
そう言って僕はチーズバーガーを持った左手を天羽の顔の方に持っていった。
ちょっと待てよ、これって結構キモくね。
まるで僕が天羽にアーンをしようとしているじゃないか、しかも僕が食べた方を。
「ご、ごめん」
左手を引こうとした時、天羽がチーズバーガーを勢いよく一口頬張った。
「やっぱチーズバーガー美味しい、ありがと鬼ちゃん」
カ、カア~。可愛すぎだろ。
その時男から圧を感じた。
男は目を大きく開けてこちらを眺めている。
なんだこの圧は、選手同士が近いのにアーンなんかしたから怒っているのか。
これはとっと退散した方が良いな。
すると男は立ち上がり去っていった。
よし、このすきに。
僕と天羽は男が帰ってくる前にハンバーガーを食べてフードコートを後にした。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
約束へと続くストローク
葛城騰成
青春
競泳のオリンピック選手を目指している双子の幼馴染に誘われてスイミングスクールに通うようになった少女、金井紗希(かないさき)は、小学五年生になったある日、二人が転校してしまうことを知る。紗希は転校当日に双子の兄である橘柊一(たちばなしゅういち)に告白して両想いになった。
凄い選手になって紗希を迎えに来ることを誓った柊一と、柊一より先に凄い選手になって柊一を迎えに行くことを誓った紗希。その約束を胸に、二人は文通をして励まし合いながら、日々を過ごしていく。
時が経ち、水泳の名門校である立清学園(りっせいがくえん)に入学して高校生になった紗希は、女子100m自由形でインターハイで優勝することを決意する。
長年勝つことができないライバル、湾内璃子(わんないりこ)や、平泳ぎを得意とする中條彩乃(なかじょうあやの)、柊一と同じ学校に通う兄を持つ三島夕(みしまゆう)など、多くの仲間たちと関わる中で、紗希は選手としても人間としても成長していく。
絶好調かに思えたある日、紗希の下に「紗希と話がしたい」と書かれた柊一からの手紙が届く。柊一はかつて交わした約束を忘れてしまったのか? 数年ぶりの再会を果たした時、運命の歯車が大きく動き出す。
※表示画像は、SKIMAを通じて知様に描いていただきました。

僕は☓っぽいけど○だから☓子校に行くなんて間違ってる!
だらけたい
青春
僕は○なんだ。
でも、なぜか☓っぽくみられてしまう。
普通にやってるのに☓っぽいと言われてしまう。
そして、なぜかついには☓子校に通うことになってしまった。
ホントになんでこんなことになってしまったんだ!
何度でも言うよ!僕は○なんだ!!誰がなんと言おうと○なんだ!!!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる