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第一勝 喧嘩甲子園
打ち上げの帰り道
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「今日楽しかったね」
暗い道を歩く途中で天羽 幸がそう言った。
さっきまでみんなと帰っていたが、みんな家に到着してしまったので今は天羽と僕の二人きりで帰っている。
「そうだね、またみんなで行きたいな」
「私もまた行きたい。鬼ちゃんがあんなことするなんてびっくりだよ」
「別にやりたくてしたわけじゃないから、もうしたくないよ」
「え~良いじゃん、面白かったよ。鬼ちゃんって面白いんだね」
暗い夜道で君の笑い声がこだます。
くじを引いた後、昨日見た狩野英孝のネタをしてみたところ、みんなから大笑いをとれたのである。
ちなみに鬼ちゃんは鬼越 勝という僕のあだ名だ。
「面白かったのは今回だけだよ、今度は天羽がやったら良いじゃん」
「ああいうのは男の子がやるから面白いんだよ」
「そういうのは男女差別って言うんだ。もうクジなんか絶対にしない」
君は笑う。
やっぱし可愛いな。
でも別に好きとかじゃないけど。
突然君はまっすぐ前を見ながら足を止めた。
僕も前を見る。
なにかが飛んできた。
「危ない」
僕は天羽を横に押した。
くっ。
何者かにドロップキックされた。
こんな時に誰だよ。
僕を蹴った男はまっすぐ俺を見ている。
男は僕より小さく、身長は160後半ぐらいだ。
髪は坊主で目が切れ長である。
「俺はカップルの男を彼女の前でぼこぼこにするのが好きなんでね。お前らは何も悪くないが死んでくれ」
その男は僕に走って近づく。
ここはちょうど電灯があり、明るくて男のことをちゃんと見ることができる。
顔面に右ストレートがくる、顔を後ろにそむける。
右から横腹に蹴りがくる、右足を上げてひざでガードする。
後ろに少し下がる。
左から横腹に向かってまた蹴りがくる、上半身を後ろにそらし蹴りを避けた瞬間その足を掴む。
右足で男の残りの足をはらう。
「うっ」
男が倒れたと同時に倒れる勢いを使って男の顔に右掌で地面に押し込む。
男の頭の下のコンクリートにヒビが入った。
男は大文字になって気絶している。
「天羽、大丈夫? 」
「大丈……」
天羽の後ろに人影を見つけた。
天羽は女の中では身長が高い方だがその人影は天羽を小人に見せるかのようにでかかった。
その人影は右手を上げ、天羽の頭めがけて振り下ろした。
がしっ
僕はその手が天羽の頭にたどり着く前に捕まえることができた。
その手は非常に重い。
こいつはこっち側だ。
僕は天羽を抱え後ろに下がった。
その人影は電灯の下にやってきた。
さっき感じたときとは違い、そんなにデカくはない。
さっき倒した男と一緒で坊主で切長の目を持っているが金髪でおれよりでかい。
しかもこいつにはオーラがある。
人間が虎に行き止まりまで遭われたときに虎が見せる勝ち誇ったオーラだ。
こいつは強い。
「てめえ、何もんだ」
その男はそう訊ねた。
「別に何もんでもないけど」
「お前は喧嘩甲子園に出るのか? 」
「喧嘩、甲子園? 」
「お前は俺の弟を倒した。お前は強い、喧嘩甲子園に出る資格がある」
何を言っているのか分からない。
こいつはさっき倒した男の兄なのか。
男の後ろからスーツを着てサングラスをかけた若い男がやってきた。
「私は喧嘩甲子園を仕切っているものだ。喧嘩甲子園にあなたは出たいのですか? 」
「そのさっきから言ってる喧嘩甲子園って? 」
暗い道を歩く途中で天羽 幸がそう言った。
さっきまでみんなと帰っていたが、みんな家に到着してしまったので今は天羽と僕の二人きりで帰っている。
「そうだね、またみんなで行きたいな」
「私もまた行きたい。鬼ちゃんがあんなことするなんてびっくりだよ」
「別にやりたくてしたわけじゃないから、もうしたくないよ」
「え~良いじゃん、面白かったよ。鬼ちゃんって面白いんだね」
暗い夜道で君の笑い声がこだます。
くじを引いた後、昨日見た狩野英孝のネタをしてみたところ、みんなから大笑いをとれたのである。
ちなみに鬼ちゃんは鬼越 勝という僕のあだ名だ。
「面白かったのは今回だけだよ、今度は天羽がやったら良いじゃん」
「ああいうのは男の子がやるから面白いんだよ」
「そういうのは男女差別って言うんだ。もうクジなんか絶対にしない」
君は笑う。
やっぱし可愛いな。
でも別に好きとかじゃないけど。
突然君はまっすぐ前を見ながら足を止めた。
僕も前を見る。
なにかが飛んできた。
「危ない」
僕は天羽を横に押した。
くっ。
何者かにドロップキックされた。
こんな時に誰だよ。
僕を蹴った男はまっすぐ俺を見ている。
男は僕より小さく、身長は160後半ぐらいだ。
髪は坊主で目が切れ長である。
「俺はカップルの男を彼女の前でぼこぼこにするのが好きなんでね。お前らは何も悪くないが死んでくれ」
その男は僕に走って近づく。
ここはちょうど電灯があり、明るくて男のことをちゃんと見ることができる。
顔面に右ストレートがくる、顔を後ろにそむける。
右から横腹に蹴りがくる、右足を上げてひざでガードする。
後ろに少し下がる。
左から横腹に向かってまた蹴りがくる、上半身を後ろにそらし蹴りを避けた瞬間その足を掴む。
右足で男の残りの足をはらう。
「うっ」
男が倒れたと同時に倒れる勢いを使って男の顔に右掌で地面に押し込む。
男の頭の下のコンクリートにヒビが入った。
男は大文字になって気絶している。
「天羽、大丈夫? 」
「大丈……」
天羽の後ろに人影を見つけた。
天羽は女の中では身長が高い方だがその人影は天羽を小人に見せるかのようにでかかった。
その人影は右手を上げ、天羽の頭めがけて振り下ろした。
がしっ
僕はその手が天羽の頭にたどり着く前に捕まえることができた。
その手は非常に重い。
こいつはこっち側だ。
僕は天羽を抱え後ろに下がった。
その人影は電灯の下にやってきた。
さっき感じたときとは違い、そんなにデカくはない。
さっき倒した男と一緒で坊主で切長の目を持っているが金髪でおれよりでかい。
しかもこいつにはオーラがある。
人間が虎に行き止まりまで遭われたときに虎が見せる勝ち誇ったオーラだ。
こいつは強い。
「てめえ、何もんだ」
その男はそう訊ねた。
「別に何もんでもないけど」
「お前は喧嘩甲子園に出るのか? 」
「喧嘩、甲子園? 」
「お前は俺の弟を倒した。お前は強い、喧嘩甲子園に出る資格がある」
何を言っているのか分からない。
こいつはさっき倒した男の兄なのか。
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「私は喧嘩甲子園を仕切っているものだ。喧嘩甲子園にあなたは出たいのですか? 」
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