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もう離さない
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2年後
「行ってくる」
俺は大学に行くために家を出た。
俺たち家族は東京に去年引っ越してきたばかり。
親父の仕事と俺の大学が東京にあるからだ。
「行ってらっしゃい」
まだ親父は飯を食って、母ちゃんは咲の準備を手伝っている。
家を出て、電車に乗り大学に行く。
この一年間はずっとこんな毎日だ。
「結城~、一緒に行こうぜ」
歩いていると圭太がいた。
圭太は俺と同じ大学でアパートを借りて一人暮らししている。
俺ら二人は一緒に電車に乗り、大学に向かう。
「そういえばさ、日暖ちゃんってどうなったの? 」
「良い大学行ってるらしいぜ、頭良かったからな」
「そうじゃなくて結城とはどうなんだよ」
「それは別に良いんだよ」
「別に良いってなんかあるんでしょ? 無視すんなよ」
電車が目的地に着いたので圭太を無視して降りた。
「そこ降りても大学ねぇぞ」
「良いんだよ、先に大学行っててな」
圭太を乗せた電車が出発していった。
俺はそのままその駅を出た。
いつもの待ち合わせ場所に向かう。
横断歩道橋の下だ。
「悪い、少し待たせた」
「遅いよ、もう離さないって言ったのに」
夢の架け橋に隠れていた君が昼の橋の下にいる。
俺は君に近づき、手を取った。
「ほら、これでもう離れない。ほら行こうぜ、日暖」
「行ってくる」
俺は大学に行くために家を出た。
俺たち家族は東京に去年引っ越してきたばかり。
親父の仕事と俺の大学が東京にあるからだ。
「行ってらっしゃい」
まだ親父は飯を食って、母ちゃんは咲の準備を手伝っている。
家を出て、電車に乗り大学に行く。
この一年間はずっとこんな毎日だ。
「結城~、一緒に行こうぜ」
歩いていると圭太がいた。
圭太は俺と同じ大学でアパートを借りて一人暮らししている。
俺ら二人は一緒に電車に乗り、大学に向かう。
「そういえばさ、日暖ちゃんってどうなったの? 」
「良い大学行ってるらしいぜ、頭良かったからな」
「そうじゃなくて結城とはどうなんだよ」
「それは別に良いんだよ」
「別に良いってなんかあるんでしょ? 無視すんなよ」
電車が目的地に着いたので圭太を無視して降りた。
「そこ降りても大学ねぇぞ」
「良いんだよ、先に大学行っててな」
圭太を乗せた電車が出発していった。
俺はそのままその駅を出た。
いつもの待ち合わせ場所に向かう。
横断歩道橋の下だ。
「悪い、少し待たせた」
「遅いよ、もう離さないって言ったのに」
夢の架け橋に隠れていた君が昼の橋の下にいる。
俺は君に近づき、手を取った。
「ほら、これでもう離れない。ほら行こうぜ、日暖」
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