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2☆カグヤと桂と母と祖父母
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桂はカグヤを連れて実家の中に入る。
なぜだか、宇宙人のカグヤとは会話ができた。
「まさか、宇宙人の君に恋して、意思疎通ができるとは思わなかったよ…むしろこれが運命の相手ということなんだね!」
桂は頬を赤らめて、カグヤを見つめる。
カグヤもメタルなような肌質を蛍光色に点滅させて満更でもないようだった。
『私はぜーーーたいにっ!認めないんだからーーーっ!』
幽霊で縁結びの神の使いをしている母の葛葉子が狐の耳と尻尾を逆立てて生きている時には数回しか見たことない最大限の怒りの表情をして、見つめ合う二人の顔の間を入って二人の仲を引き剥がす。
「母さん!何するんだ!せっかくいい雰囲気だったのに!」
『ほんと、何するところだったの⁉︎』
「き、キス?」
『どうやって?』
葛葉子は桂に詰めよる。
桜の形にくり抜かれたような不思議なカグヤの口を見て、指差して憤る。
「た、ためしてみないと、わかんないし…」
桂は母親の見ている前でキスをするのをやめようと思うが反抗心も湧く。
母は亡くなっているとはいえ生きている時と変わらずだ。
(いや、むしろ、父の抑えが効かない分、わがままで傲慢さが際立ってきたと思う……)
桂は母に憤りながら冷静に分析する。
『父様が桂を呼ぶのがいけないのよっ!』
《しかたないじゃないの、異界から目覚めさせられちゃうほどの力が落ちてきたんだから…》
《まさに、地球外生物ならではの技でね…》
いつのまにか、陛下の御代を見守る影の御霊としてこの地に眠る祖父母の威津那と橘が姿を表す。
二人とも眠りを半分妨げられて微睡む感じだ。
普通の人や父には見えないだろうが、桂には生きていると変わらず三人の姿を見ることができる能力を持っていた。
その能力は陰陽寮長である晴房をも越すかもしれないともう一人の祖父の高良に推測させるほどだった。
『母様!父様!だって、だってぇぇぇぇ!』
葛葉子は二人に泣きつく。
同じ存在になっている二人は愛おしい娘をよしよしとして慰める。
《葛葉子、どんなに気に食わなくても嫁いびりはだめだよ?》
未来を見る祖父はにこやかに二人の未来を暴露した。
『しないわ!できないわ!恋をするなら人間にしてよ!桂に縁がある子が一人もいないことに不安を思っていたけど、まさか人でなしだったなんてーーーー!』
《葛葉子、人でなしなのは家系よ!》
妖怪の血筋が濃かった祖母の橘は人でなしが嫌味だと分かってない。
「人でなしって、最大限の侮辱だよ!そんなこと言う母さんを嫌いになっちゃうよ?」
桂の引き攣った笑顔は本気だ。
『むーーっ!』
そのことに葛葉子は口をつぐむ。
葛葉子はあまりにショックで膝を抱えて落ち込む。
世話のかからないとてもいい子だった自慢の大好きな愛しの息子の運命の人が地球外生命という事にショックが大きかったが、真面目で優しいけれど、どこか特殊だった息子の過去を反芻する。
『そういえば、桂って普段大人しいのに、怪獣者や、宇宙人に異様な関心ごとをしていて、天才な者なのか…ご飯は人間が食べるものじゃなかったし……』
《それは、橘に似たんだよ…》
威津那はすかさずツッコミを入れる。
《威津那さん?》
橘は料理のことを貶されるとキレるので、慌てて《味はとてもおいしいけどね!》と誤魔化した。
『まさか、宇宙人フェチだったなんてええええ!イケメンなのに彼女無しの理由がコレだったのにピンポイントきちゃったよぉぉぉ!』
ついに感情が決壊しておいおい泣き出す。
マジ泣きする娘をよしよしと、橘と威津那は慰める。
《でも、子供の幸せを祈るなら祝福してあげなきゃいけないよ?》
威津那は諭す。
橘よりも長くそばにいた葛葉子の扱いは慣れている自信はあったが、
『………父様もそう思う?瑠香にあんなに意地悪したくせに…』
幼い頃、瑠香に意地悪をしていたことを葛葉子は思い出し知っている。更に本気で殺そうとした。
《………ま、まぁね。》
威津那は苦笑するしかなかった。
《まぁ、娘と息子じゃ、とられた感が違うというわよね?私には娘しかいないし永遠にわからないけど…》
橘は娘の成長と同じ母親として複雑を察しようとする。
悔し泣きする葛葉子をツンツンとカグヤはつつく。
『……もしかして、私を見えてる?』
コクコクと頷き、小さな手で葛葉子の手を握って、見つめる。
『にゃっ⁉︎』
見つめられた瞬間電撃が走った。
『なかなか可愛い子だね…かーさんゆるす』
棒読みで、葛葉子はそう言った。
「幽霊をも洗脳するとはさすがだよカグヤ。」
宇宙人恐るべし。
夫婦神は声を合わせて呟いた。
「でも、僕は洗脳されてないからね!
むぎゅっ!と抱っこすると、抱きしめからはみ出すように、かぐやの形が変形する。
宇宙人恐るべし……!
葛葉子が言うように本気になって孫が本物の地球外人外に恋をした事を心配するのだった。
《まぁ、未来では二人の可愛い子供、僕たちの曾孫ができてる未来が見えるから、大丈夫だよ!》
威津那はそう言って橘の不安を払拭するのだった。
なぜだか、宇宙人のカグヤとは会話ができた。
「まさか、宇宙人の君に恋して、意思疎通ができるとは思わなかったよ…むしろこれが運命の相手ということなんだね!」
桂は頬を赤らめて、カグヤを見つめる。
カグヤもメタルなような肌質を蛍光色に点滅させて満更でもないようだった。
『私はぜーーーたいにっ!認めないんだからーーーっ!』
幽霊で縁結びの神の使いをしている母の葛葉子が狐の耳と尻尾を逆立てて生きている時には数回しか見たことない最大限の怒りの表情をして、見つめ合う二人の顔の間を入って二人の仲を引き剥がす。
「母さん!何するんだ!せっかくいい雰囲気だったのに!」
『ほんと、何するところだったの⁉︎』
「き、キス?」
『どうやって?』
葛葉子は桂に詰めよる。
桜の形にくり抜かれたような不思議なカグヤの口を見て、指差して憤る。
「た、ためしてみないと、わかんないし…」
桂は母親の見ている前でキスをするのをやめようと思うが反抗心も湧く。
母は亡くなっているとはいえ生きている時と変わらずだ。
(いや、むしろ、父の抑えが効かない分、わがままで傲慢さが際立ってきたと思う……)
桂は母に憤りながら冷静に分析する。
『父様が桂を呼ぶのがいけないのよっ!』
《しかたないじゃないの、異界から目覚めさせられちゃうほどの力が落ちてきたんだから…》
《まさに、地球外生物ならではの技でね…》
いつのまにか、陛下の御代を見守る影の御霊としてこの地に眠る祖父母の威津那と橘が姿を表す。
二人とも眠りを半分妨げられて微睡む感じだ。
普通の人や父には見えないだろうが、桂には生きていると変わらず三人の姿を見ることができる能力を持っていた。
その能力は陰陽寮長である晴房をも越すかもしれないともう一人の祖父の高良に推測させるほどだった。
『母様!父様!だって、だってぇぇぇぇ!』
葛葉子は二人に泣きつく。
同じ存在になっている二人は愛おしい娘をよしよしとして慰める。
《葛葉子、どんなに気に食わなくても嫁いびりはだめだよ?》
未来を見る祖父はにこやかに二人の未来を暴露した。
『しないわ!できないわ!恋をするなら人間にしてよ!桂に縁がある子が一人もいないことに不安を思っていたけど、まさか人でなしだったなんてーーーー!』
《葛葉子、人でなしなのは家系よ!》
妖怪の血筋が濃かった祖母の橘は人でなしが嫌味だと分かってない。
「人でなしって、最大限の侮辱だよ!そんなこと言う母さんを嫌いになっちゃうよ?」
桂の引き攣った笑顔は本気だ。
『むーーっ!』
そのことに葛葉子は口をつぐむ。
葛葉子はあまりにショックで膝を抱えて落ち込む。
世話のかからないとてもいい子だった自慢の大好きな愛しの息子の運命の人が地球外生命という事にショックが大きかったが、真面目で優しいけれど、どこか特殊だった息子の過去を反芻する。
『そういえば、桂って普段大人しいのに、怪獣者や、宇宙人に異様な関心ごとをしていて、天才な者なのか…ご飯は人間が食べるものじゃなかったし……』
《それは、橘に似たんだよ…》
威津那はすかさずツッコミを入れる。
《威津那さん?》
橘は料理のことを貶されるとキレるので、慌てて《味はとてもおいしいけどね!》と誤魔化した。
『まさか、宇宙人フェチだったなんてええええ!イケメンなのに彼女無しの理由がコレだったのにピンポイントきちゃったよぉぉぉ!』
ついに感情が決壊しておいおい泣き出す。
マジ泣きする娘をよしよしと、橘と威津那は慰める。
《でも、子供の幸せを祈るなら祝福してあげなきゃいけないよ?》
威津那は諭す。
橘よりも長くそばにいた葛葉子の扱いは慣れている自信はあったが、
『………父様もそう思う?瑠香にあんなに意地悪したくせに…』
幼い頃、瑠香に意地悪をしていたことを葛葉子は思い出し知っている。更に本気で殺そうとした。
《………ま、まぁね。》
威津那は苦笑するしかなかった。
《まぁ、娘と息子じゃ、とられた感が違うというわよね?私には娘しかいないし永遠にわからないけど…》
橘は娘の成長と同じ母親として複雑を察しようとする。
悔し泣きする葛葉子をツンツンとカグヤはつつく。
『……もしかして、私を見えてる?』
コクコクと頷き、小さな手で葛葉子の手を握って、見つめる。
『にゃっ⁉︎』
見つめられた瞬間電撃が走った。
『なかなか可愛い子だね…かーさんゆるす』
棒読みで、葛葉子はそう言った。
「幽霊をも洗脳するとはさすがだよカグヤ。」
宇宙人恐るべし。
夫婦神は声を合わせて呟いた。
「でも、僕は洗脳されてないからね!
むぎゅっ!と抱っこすると、抱きしめからはみ出すように、かぐやの形が変形する。
宇宙人恐るべし……!
葛葉子が言うように本気になって孫が本物の地球外人外に恋をした事を心配するのだった。
《まぁ、未来では二人の可愛い子供、僕たちの曾孫ができてる未来が見えるから、大丈夫だよ!》
威津那はそう言って橘の不安を払拭するのだった。
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