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夫婦のつながりの証
1☆前夫との結婚指輪
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「そういえば、前夫は指輪を雪に送らなかったのか?」
晴房は陰陽寮の局で李流にそう聞いた。
仕事は終わり晴房はこれから桜庭の家に泊まりに行く。
朝の九時頃には帰ってきて朝は学校に行く李流とすれ違いである。
妻である雪の指に晴房がプレゼントした婚約指輪が輝いている。
雪は指輪を見つめるととても嬉しそうに微笑むのだ。
そんな雪をいつまでも見つめていたいと思うほどに。
だけど、指輪とは婚約指輪と結婚指輪があると言うことを瑠香から聞いた。
前夫と離婚したゆえとはいえ、桜庭家に残り、結婚をしないと決めていたらな、仮にも前夫の指輪をつけて近寄る男を諦めさせる守りくらいにはなるだろう。
晴房も雪が指輪をしてくれていることに離れていても他の男が近づかない守りになってくれていると思うと安心していた。
それまでは指に何もしてなかった事を晴房は思い出して、李流に疑問を聞いた。
「……それ、かーさんのまえで言わないでくださいね?」
李流はジトッ…とした瞳と、念を押す声音でそう言った。
「さすがにいわぬ。だから李流に聞いたのだ。」
李流はあまり父親に関する事を思い出したくないためにため息を吐いて、母の指輪をしない理由を話すことにした。
「父と離婚決定した翌日にテーブルの上にひしゃげた結婚指輪があって…」
円形だっただろう金の指輪は八の字にひしゃげていた。
ほんとに指輪なのかも疑問に思うほどで、首を傾げる李流に気づいた母は、
「指のサイズにあわなくなったからもういらないのよ」
母はにっこり微笑んでそう言った。
だが、そうしたのは母本人。
「そんなに、とーさんのこと嫌いだったの?」
と李流は聞いた。
心のどこかで両親は好き同士であって欲しいと思ってもいた。
そのことに気づくと李流は自分に悲しくなるし、なおさら嫌悪感が魂を縛った。
悲しげな表情の李流の頭を頬を撫でて少し困ったように微笑み、
「お父さんの事、好きだったけど、あなたに手を上げた時点で愛が冷めたの…」
父に叩かれた李流の頬を痛みはひいてもまだそこに痛みがあるのだろうと思うように優しくさすってくれた。
「オレもかーさんを蔑ろにしていた時点で父親とは認めてませんでしたけど……母の心は指輪をひしゃげさせるくらいに怒り狂ってたのだと思います…」
そう言ってあのときの気持ちを思い出して李流は無意識に複雑な表情をしていた。
「私はそんなこと絶対しないからな。」
晴房はそう言うと李流の肩を引き寄せて胸に抱く。
大人の晴房は背が高く体格が良い。
まだ華奢な李流を胸に簡単に包み込んでしまった。
そして耳元で、
「お前は私の息子だ。ハルの神もお前に祝福を与えたのならば神の祝福で繋がった親子なのだ!」
言い聞かせるようにそう宣言した。不安ならば何度だって言い聞かせるつもりだ。
「わかりました!わかりましたから放してください」
ドキドキと胸が高鳴ってやばい。聞かれたくない…と思って焦る。
すでに、父として愛してくれてると思うと嬉しいが恥ずかしい。
李流は落ち着くためにため息を一つ吐き、真摯の瞳を晴房に向けて、
「ハル様は母を幸せにしてくださいね。立場宮中から離れるのは、なかなか難しいのは理解してますから…」
「ああ。」
いつもそばにいられない事を蔑ろにしているわけではないと母子は晴房の存在を理解している。
そのことに晴房は感謝をもしている。
と言った、翌日、雪と晴房は大喧嘩した。
晴房は陰陽寮の局で李流にそう聞いた。
仕事は終わり晴房はこれから桜庭の家に泊まりに行く。
朝の九時頃には帰ってきて朝は学校に行く李流とすれ違いである。
妻である雪の指に晴房がプレゼントした婚約指輪が輝いている。
雪は指輪を見つめるととても嬉しそうに微笑むのだ。
そんな雪をいつまでも見つめていたいと思うほどに。
だけど、指輪とは婚約指輪と結婚指輪があると言うことを瑠香から聞いた。
前夫と離婚したゆえとはいえ、桜庭家に残り、結婚をしないと決めていたらな、仮にも前夫の指輪をつけて近寄る男を諦めさせる守りくらいにはなるだろう。
晴房も雪が指輪をしてくれていることに離れていても他の男が近づかない守りになってくれていると思うと安心していた。
それまでは指に何もしてなかった事を晴房は思い出して、李流に疑問を聞いた。
「……それ、かーさんのまえで言わないでくださいね?」
李流はジトッ…とした瞳と、念を押す声音でそう言った。
「さすがにいわぬ。だから李流に聞いたのだ。」
李流はあまり父親に関する事を思い出したくないためにため息を吐いて、母の指輪をしない理由を話すことにした。
「父と離婚決定した翌日にテーブルの上にひしゃげた結婚指輪があって…」
円形だっただろう金の指輪は八の字にひしゃげていた。
ほんとに指輪なのかも疑問に思うほどで、首を傾げる李流に気づいた母は、
「指のサイズにあわなくなったからもういらないのよ」
母はにっこり微笑んでそう言った。
だが、そうしたのは母本人。
「そんなに、とーさんのこと嫌いだったの?」
と李流は聞いた。
心のどこかで両親は好き同士であって欲しいと思ってもいた。
そのことに気づくと李流は自分に悲しくなるし、なおさら嫌悪感が魂を縛った。
悲しげな表情の李流の頭を頬を撫でて少し困ったように微笑み、
「お父さんの事、好きだったけど、あなたに手を上げた時点で愛が冷めたの…」
父に叩かれた李流の頬を痛みはひいてもまだそこに痛みがあるのだろうと思うように優しくさすってくれた。
「オレもかーさんを蔑ろにしていた時点で父親とは認めてませんでしたけど……母の心は指輪をひしゃげさせるくらいに怒り狂ってたのだと思います…」
そう言ってあのときの気持ちを思い出して李流は無意識に複雑な表情をしていた。
「私はそんなこと絶対しないからな。」
晴房はそう言うと李流の肩を引き寄せて胸に抱く。
大人の晴房は背が高く体格が良い。
まだ華奢な李流を胸に簡単に包み込んでしまった。
そして耳元で、
「お前は私の息子だ。ハルの神もお前に祝福を与えたのならば神の祝福で繋がった親子なのだ!」
言い聞かせるようにそう宣言した。不安ならば何度だって言い聞かせるつもりだ。
「わかりました!わかりましたから放してください」
ドキドキと胸が高鳴ってやばい。聞かれたくない…と思って焦る。
すでに、父として愛してくれてると思うと嬉しいが恥ずかしい。
李流は落ち着くためにため息を一つ吐き、真摯の瞳を晴房に向けて、
「ハル様は母を幸せにしてくださいね。立場宮中から離れるのは、なかなか難しいのは理解してますから…」
「ああ。」
いつもそばにいられない事を蔑ろにしているわけではないと母子は晴房の存在を理解している。
そのことに晴房は感謝をもしている。
と言った、翌日、雪と晴房は大喧嘩した。
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