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神様子育てする!?
3☆育メンだった瑠香
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「子供は育ててこそ、自分の子供だと心がこもる。」
瑠香は腕を組みしみじみと呟いた。
「父親だから育てたい、可愛がりたいのは分かるが……
ハル、お前に子育てできるとは思えないな。子供はかわいいだけじゃないぞ?」
と瑠香は経験者として晴房にそう忠告した。
「そんなのやってみなくてはわからぬ!」
晴房は瑠香の言葉にムキになって言った。
瑠香はわざと、はぁっと溜息を吐いて、
「途中で育児放棄する、ならやめたほうがいいぞ…」
父がそんなセリフを吐いたのを薫は白い目で見て、
「親父だって…暴言吐いて育児放棄した癖に…」
「うっ…」
と痛いところをついた。
薫はもう許してるけど、子供心に傷ついた。
薫が十一歳の時から五年間放置された。
「……もうお前は赤子じゃなかっただろ…」
「だからだよ。あんなにいい父親してたくせに…」
「うう…」
キリリとした眉を下げて申し訳ないという表情になる。
妻の葛葉子が亡くなるまで親子仲は良かった。
だが、愛しい妻が死んだばかりで、瑠香の心に全く余裕がなかった…
そして、辛さのあまり子供にあたってしまった…
何もわからない赤子じゃなかったから心に傷を負わせてしまった…
許されたとしてもこの罪悪感は、きっと一生消えない。
薫はわざと罪悪感を思い出させようとした訳ではないので、苛まれる父親の気分を変えてやろうと、
「でも、かーさんいつも言ってた!
『とーさんは私より子育て上手くてヤキモチ焼いた!』って」
「ふふ。そういってたな」
その事を思い出して暗い表情はやめて少し切なげな表情になる。
『瑠香にオッパイあったら子育て全部取られてた…』
むっ!と葛葉子は瑠香を睨んだ。
あの時の妻を思い出して笑う。
「まぁ、五歳までがいちばん可愛かったな、桂も薫もお前も…」
瑠香は晴房の兄のようでもあり父のようでもある。
晴房も瑠香に育てられたようなものだ。
晴房を育てるためにルカの神と神誓をし、審神者にもなった。
それは結局は宿命だったが…
幼い頃から瑠香に育てられた晴房は瑠香を心の底で尊敬していて、瑠香のようになりたい!とも思っていた。
だからこそ、子供を自分の手で育ててみたいという好奇心でもあった。
「瑠香様は、イクメンだったのか…」
と李流は感心する。
李流も瑠香を尊敬している。
晴房は李流の考えをテレパシーで覗くとそう思っているのを知った…
そんな、義理の息子を自分に振り向かせたいとも思い、
「やはり、子供たちを面倒みたい!」
と更に言い出した。
「私のワガママだと分かっているけれど、どうしてもなのだ!」
檜扇で抑えきれない思いをバシバシ床を叩く。
そんな晴房に、瑠香はまた溜息を吐いてから、ニヤッと晴房に微笑む。
「私も昔と同じようにルカの神の力を貸してもらえるようになったし、構わないよ。
私が陰陽寮副長として仕事を指揮して、審神者として皇室を更にお守りするよ」
と、宣言をする。
「うわー。瑠香様の本気みられるのですね!」
「親父、かっけーな!」
なおさら、瑠香の株が上がってしまったが、子育て出来るなら仕方がないと思った。
(瑠香を越える育メンになってやる!)
と、心に決めるのだった。
そんな様子を晴房の背後で眺めていたハルの神は少し苦々しく思う表情するのを瑠香はみた。
それを、自分の背後にいるルカの神が宥めて晴房が、しばらく宮中を空けるのを許したと、審神者の瑠香は晴房に伝えると大喜びして父親としての役目を果たすことを決意した。
瑠香は腕を組みしみじみと呟いた。
「父親だから育てたい、可愛がりたいのは分かるが……
ハル、お前に子育てできるとは思えないな。子供はかわいいだけじゃないぞ?」
と瑠香は経験者として晴房にそう忠告した。
「そんなのやってみなくてはわからぬ!」
晴房は瑠香の言葉にムキになって言った。
瑠香はわざと、はぁっと溜息を吐いて、
「途中で育児放棄する、ならやめたほうがいいぞ…」
父がそんなセリフを吐いたのを薫は白い目で見て、
「親父だって…暴言吐いて育児放棄した癖に…」
「うっ…」
と痛いところをついた。
薫はもう許してるけど、子供心に傷ついた。
薫が十一歳の時から五年間放置された。
「……もうお前は赤子じゃなかっただろ…」
「だからだよ。あんなにいい父親してたくせに…」
「うう…」
キリリとした眉を下げて申し訳ないという表情になる。
妻の葛葉子が亡くなるまで親子仲は良かった。
だが、愛しい妻が死んだばかりで、瑠香の心に全く余裕がなかった…
そして、辛さのあまり子供にあたってしまった…
何もわからない赤子じゃなかったから心に傷を負わせてしまった…
許されたとしてもこの罪悪感は、きっと一生消えない。
薫はわざと罪悪感を思い出させようとした訳ではないので、苛まれる父親の気分を変えてやろうと、
「でも、かーさんいつも言ってた!
『とーさんは私より子育て上手くてヤキモチ焼いた!』って」
「ふふ。そういってたな」
その事を思い出して暗い表情はやめて少し切なげな表情になる。
『瑠香にオッパイあったら子育て全部取られてた…』
むっ!と葛葉子は瑠香を睨んだ。
あの時の妻を思い出して笑う。
「まぁ、五歳までがいちばん可愛かったな、桂も薫もお前も…」
瑠香は晴房の兄のようでもあり父のようでもある。
晴房も瑠香に育てられたようなものだ。
晴房を育てるためにルカの神と神誓をし、審神者にもなった。
それは結局は宿命だったが…
幼い頃から瑠香に育てられた晴房は瑠香を心の底で尊敬していて、瑠香のようになりたい!とも思っていた。
だからこそ、子供を自分の手で育ててみたいという好奇心でもあった。
「瑠香様は、イクメンだったのか…」
と李流は感心する。
李流も瑠香を尊敬している。
晴房は李流の考えをテレパシーで覗くとそう思っているのを知った…
そんな、義理の息子を自分に振り向かせたいとも思い、
「やはり、子供たちを面倒みたい!」
と更に言い出した。
「私のワガママだと分かっているけれど、どうしてもなのだ!」
檜扇で抑えきれない思いをバシバシ床を叩く。
そんな晴房に、瑠香はまた溜息を吐いてから、ニヤッと晴房に微笑む。
「私も昔と同じようにルカの神の力を貸してもらえるようになったし、構わないよ。
私が陰陽寮副長として仕事を指揮して、審神者として皇室を更にお守りするよ」
と、宣言をする。
「うわー。瑠香様の本気みられるのですね!」
「親父、かっけーな!」
なおさら、瑠香の株が上がってしまったが、子育て出来るなら仕方がないと思った。
(瑠香を越える育メンになってやる!)
と、心に決めるのだった。
そんな様子を晴房の背後で眺めていたハルの神は少し苦々しく思う表情するのを瑠香はみた。
それを、自分の背後にいるルカの神が宥めて晴房が、しばらく宮中を空けるのを許したと、審神者の瑠香は晴房に伝えると大喜びして父親としての役目を果たすことを決意した。
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