主婦と神様の恋愛事情

桜庭家の事情

4☆謹慎処分の出来事☆晴房と子供たち

　夜闇の僅かなライトで照らされていた部屋に神々しい光が放たれる。

　その場にいたものはあまりの眩しさに目を瞑る。

「……ハル様？」
　どうしてここに？と疑問が湧く。
　普段宮中、自宅以外出向かない。
神の力を陛下のため以外使ってはいけないのに……
　晴房だけが光っていると思ったら三つ子も光を纏っていた。
　晴房は雪の腰を支え、雪は晴房の首に抱きついて浮いていた。
　晴房の浮遊の力で一緒に来た。
　地面に足がつくと雪は李流に近づくため駆け寄るが黒ずくめの男たちが立ちはだかる。
　雪を襲うように一斉に刃物を振り下ろすが、楓が光の壁を作り防ぐ。

「鳴る神よ！われに力を！」
　向日葵が人差し指を、振り上げると楓が作った壁に電流が走り父の部下は気を失った…

　神の化身であり神そのものの晴房の子供だけあって、特殊能力は持っていた。
　ただ、封印されていただけ。

　更に、晴房は手のひらから光りを放ち黒ずくめは布ごと光の粒子になってこの世から消えた。

　ありえない光景に桜太郎は何が起きたか理解できない。

「実践を兼ねてストレス発散だね！」
「ねっ！」
　楓と向日葵はハイタッチをした。
　晴房は愛用の桧扇を広げて口元を隠し蔑む瞳で桜太郎を睨む。

「これが李流の実父だとバレて、皇室に影響を及ぼすだろうな。」
　マスゴミにバレてまたひと騒動が起きても困る。
　小さな芽は早めに詰むのが一番だ。
「私に何かあってみろ！組織が黙ってないぞ…」
「その組織のことも洗いざらい吐いてもらいさっきのように消すだけだ」
　皇室のために神力を使うのは私の行動範囲内だ。陛下にも瑠香にも許しを得ている。

「ちなみに結界張って自分たちが現れたことを分からないようにしたからOKだよ。」
　楓はそんなことまで出来るらしい。

　黒ずくめがいなくなって、雪は李流のもとに青ざめて駆け寄る。
　晴房は光り輝く神力で縄を消した。
「李流！だいじょうぶっ!?」
「大丈夫だよ…たいしたことない…かすり傷だよ…」
　手の甲で傷を拭うが更に、溢れだす。
「顔に傷が……かすり傷じゃないじゃないのっ！」
　刃物で斬られている。
　かなり深い……
「にーにっ！私が治すわ……」
　若葉が手をかざすと淡い光が血と、傷を消す。
「ママうぇ！怖かったよぅ……うえーん！」
　季節が雪に抱きつく。
　そのちいさな肩をギュっ！と抱き寄せて、前髪が影になり雪の表情を隠す。