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雪の過去
雪の幼い頃の話☆4☆エンド
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「そのあと必死になって雪を探し見つけ出し、刀を無事抜いて『雪』本人だとわかった。」
最終的に旧知の陰陽寮長に占ってもらってみつけた。
「誰も私の存在すら信じてもらえず入れ替えられるのは、ひねくれる元よね。」
その施設は今は無い。
雪がそこにいたことも今やわからなくなってしまっている。
「それでスケバンになったんだな?」
晴房は納得して素直に口に出す。
母のもっともな黒歴史はそのことかもしれないのにと、李流はハラハラする。
雪は少し考えて、苦笑する。
「私自身が」スケバンってわけじゃなくてみんなに囃し立てられただけよ?」
うふふ…と、わざと可愛らしく笑いなおした事に闇を李流は感じる。
「強いて言えば刀の気配もあって逆らえない雰囲気だったんじゃ…ないかしら?」
雪はあの時の自分をそう思う事にしている。
「幼い雪が無事に見つかって良かったな。
そうじゃなければ李流も生まれなかったし、私とも家族になれなかったからな」
晴房は腕を組んで当事者だったかのように大袈裟な仕草に見えるほど、うんうんと尚更納得する。
「桜太郎さんのことはいいの…?」
桜太郎に対して、嫉妬とか、最初に好きにならなければ良かったのに!とか思わないものなのかしら?と雪はふと思う。
「正直、一番初めに雪と夫婦になりたかったと思うが、季節や李流や桜庭の家族に巡り会えたのだから感謝の気持ちもあるぞ」
晴房はニカっ!と子供のように笑顔でキッパリはっきりと思ったことを口にした。
「ふふっ」
「ふっ…」
「あはっ、ハルさまのそういうところ尊敬します」
雪と季節と李流は心がほっこりとした気分になった。
「それに、また新たな家族が出来るのも今までの人生があったからなのだ」
そう言って雪のお腹を愛おしげに触って言った。
雪と晴房は瞳が合うと微笑み合う。
幸せの気持ちが季節にも李流にも伝わる。
「晴房…我が家の婿に来てくれてありがとうな」
季節は心からそういった。
それはもう家族の親愛を感じる。
「……ハルの明るさはお前のお婆さんの橘に似ているな。いや、曾祖父か?まぁ親子だからな。祖父の威津那には似ていないが…」
そして、改めて季節はまじまじと晴房を見る。
「え?ハルさまのお婆さんのこと知ってるの?」
祖父の突然の告白に李流は驚く。
「晴房の祖母橘とお前の祖母、咲羅子は親友だぞ」
「そうなのですか?その話は私も初耳です!」
雪も興奮気味に季節に詰め寄る。
「私は前の陰陽寮長に話を聞いていたがな!」
えへん!と晴房は胸を張って子供のように自慢した。
「ふふ、今度はその事について話を聞かせてもらえる?」
雪の瞳は興味津々の光が輝いていた。
今は亡くなってこの世にはいなくなった祖母たちの若かりしき日々の話にさらに花が咲き、夜更かししすぎて晴房は初の宮中出仕の遅刻をするのだった。
最終的に旧知の陰陽寮長に占ってもらってみつけた。
「誰も私の存在すら信じてもらえず入れ替えられるのは、ひねくれる元よね。」
その施設は今は無い。
雪がそこにいたことも今やわからなくなってしまっている。
「それでスケバンになったんだな?」
晴房は納得して素直に口に出す。
母のもっともな黒歴史はそのことかもしれないのにと、李流はハラハラする。
雪は少し考えて、苦笑する。
「私自身が」スケバンってわけじゃなくてみんなに囃し立てられただけよ?」
うふふ…と、わざと可愛らしく笑いなおした事に闇を李流は感じる。
「強いて言えば刀の気配もあって逆らえない雰囲気だったんじゃ…ないかしら?」
雪はあの時の自分をそう思う事にしている。
「幼い雪が無事に見つかって良かったな。
そうじゃなければ李流も生まれなかったし、私とも家族になれなかったからな」
晴房は腕を組んで当事者だったかのように大袈裟な仕草に見えるほど、うんうんと尚更納得する。
「桜太郎さんのことはいいの…?」
桜太郎に対して、嫉妬とか、最初に好きにならなければ良かったのに!とか思わないものなのかしら?と雪はふと思う。
「正直、一番初めに雪と夫婦になりたかったと思うが、季節や李流や桜庭の家族に巡り会えたのだから感謝の気持ちもあるぞ」
晴房はニカっ!と子供のように笑顔でキッパリはっきりと思ったことを口にした。
「ふふっ」
「ふっ…」
「あはっ、ハルさまのそういうところ尊敬します」
雪と季節と李流は心がほっこりとした気分になった。
「それに、また新たな家族が出来るのも今までの人生があったからなのだ」
そう言って雪のお腹を愛おしげに触って言った。
雪と晴房は瞳が合うと微笑み合う。
幸せの気持ちが季節にも李流にも伝わる。
「晴房…我が家の婿に来てくれてありがとうな」
季節は心からそういった。
それはもう家族の親愛を感じる。
「……ハルの明るさはお前のお婆さんの橘に似ているな。いや、曾祖父か?まぁ親子だからな。祖父の威津那には似ていないが…」
そして、改めて季節はまじまじと晴房を見る。
「え?ハルさまのお婆さんのこと知ってるの?」
祖父の突然の告白に李流は驚く。
「晴房の祖母橘とお前の祖母、咲羅子は親友だぞ」
「そうなのですか?その話は私も初耳です!」
雪も興奮気味に季節に詰め寄る。
「私は前の陰陽寮長に話を聞いていたがな!」
えへん!と晴房は胸を張って子供のように自慢した。
「ふふ、今度はその事について話を聞かせてもらえる?」
雪の瞳は興味津々の光が輝いていた。
今は亡くなってこの世にはいなくなった祖母たちの若かりしき日々の話にさらに花が咲き、夜更かししすぎて晴房は初の宮中出仕の遅刻をするのだった。
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