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雪と東殿下と学校七不思議
6☆トイレの怪談
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東殿下は予備の懐中電灯を雪に渡して赤黒い不気味な校舎内を歩く。
足元が冷たい霧のようなものに絡めとられる感覚もある。
そして、運が悪いことに雪はトイレを我慢して東殿下を探していたことを思い出す。
足元が冷えて尚更深刻だ。
「……あの。申し訳ありません。
トイレに行きたいです……。」
恥ずかしそうに顔を赤らめて雪は言う。
それが許可されなければ二宮くんを退魔の太刀でぶった斬る気で睨みつける。
「なら、ちょうどそこのトイレに行っておいで」
と二宮くんは真っ暗な壁を指さすとポウ…っとチカチカした薄暗く女子トイレの電灯がついた。
天井は弱い光が照らすが、暗黒の底から薄暗い雰囲気が不気味さを感じさせる。
「トイレの怪談かぁ、手が便器からあらわれて、連れ去られたり、トイレが血で真っ赤になってたり、トイレの花子さんっているのもいるよね?」
東殿下は楽しげに余計な情報を語り出して雪は青くなる。
まさにトイレに入る時になんて事を言い出すんだ!っとイラッとすると怖さは薄らいだが……勇気がいる。
こんな所で用を足すことができるのかしら……と考える。
「でも、ここ異界だから危険だよ僕も一緒にはいろうか?」
不安そうにしている雪に東殿下はそう、提案するが、
「私一人で大丈夫ですから。」
といい、袋に入った退魔の太刀の柄を恐れ多くも東殿下のほっぺたに押し付けてやった。
男子禁制の女子トイレに男と一緒に入る方が幽霊より嫌だった。
雪は意を決めてトイレに入るとトイレの激しく流れる水の音と同時に、
ばしんばしん!
ごふっ!
ドコドコドコ!
ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!
という何かを容赦なく殴っている音が生々しく聞こえた。
さらに雪のものでは無い不気味な叫び声まで響く。
《ゴメンなさぁいぃ!
もう、おどしませんぇぇん~!》
と二つの火の玉は猛スピードで廊下の闇に消えて行った。
女子トイレから雪がスッキリ来た笑顔で出てきた。
「東殿下のお話になった七不思議を体験してきましたが、何か、聞きたいこと、ございますか?」
と、雪はスッキリとした笑顔で先に東殿下に伺う。
「ふ、深くは聞かないよ」
と東殿下は少し怯みながらそう言った。
足元が冷たい霧のようなものに絡めとられる感覚もある。
そして、運が悪いことに雪はトイレを我慢して東殿下を探していたことを思い出す。
足元が冷えて尚更深刻だ。
「……あの。申し訳ありません。
トイレに行きたいです……。」
恥ずかしそうに顔を赤らめて雪は言う。
それが許可されなければ二宮くんを退魔の太刀でぶった斬る気で睨みつける。
「なら、ちょうどそこのトイレに行っておいで」
と二宮くんは真っ暗な壁を指さすとポウ…っとチカチカした薄暗く女子トイレの電灯がついた。
天井は弱い光が照らすが、暗黒の底から薄暗い雰囲気が不気味さを感じさせる。
「トイレの怪談かぁ、手が便器からあらわれて、連れ去られたり、トイレが血で真っ赤になってたり、トイレの花子さんっているのもいるよね?」
東殿下は楽しげに余計な情報を語り出して雪は青くなる。
まさにトイレに入る時になんて事を言い出すんだ!っとイラッとすると怖さは薄らいだが……勇気がいる。
こんな所で用を足すことができるのかしら……と考える。
「でも、ここ異界だから危険だよ僕も一緒にはいろうか?」
不安そうにしている雪に東殿下はそう、提案するが、
「私一人で大丈夫ですから。」
といい、袋に入った退魔の太刀の柄を恐れ多くも東殿下のほっぺたに押し付けてやった。
男子禁制の女子トイレに男と一緒に入る方が幽霊より嫌だった。
雪は意を決めてトイレに入るとトイレの激しく流れる水の音と同時に、
ばしんばしん!
ごふっ!
ドコドコドコ!
ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!
という何かを容赦なく殴っている音が生々しく聞こえた。
さらに雪のものでは無い不気味な叫び声まで響く。
《ゴメンなさぁいぃ!
もう、おどしませんぇぇん~!》
と二つの火の玉は猛スピードで廊下の闇に消えて行った。
女子トイレから雪がスッキリ来た笑顔で出てきた。
「東殿下のお話になった七不思議を体験してきましたが、何か、聞きたいこと、ございますか?」
と、雪はスッキリとした笑顔で先に東殿下に伺う。
「ふ、深くは聞かないよ」
と東殿下は少し怯みながらそう言った。
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