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あやかしと神様の恋縁(こいえにし)
4☆九尾の狐の真実
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葛葉子は再び夢をみる。
ここは、八尾比丘尼の異界だからその影響で目を覚めても忘れられない夢を見ることができる。
白狐は八尾比丘尼に正体をバラされ、諦めたのか、記憶を一部過去に起こった事を夢として葛葉子に、見せることにした。
葛葉子に宿る神狐は元は大妖怪九尾の狐だった。
何千年も生きてきた感覚はない。
だけど、栄えた王朝の帝の傍に仕え、侍り、心を試し、恋に落とさせて篭絡させ、国を滅ぼすことは楽しかった。
なのに、小さな島国の日和国祝皇に恋に落ちてしまうとは思わなかった。
恋に落としていった、どの帝より、己よりも民を優先し己を持たない帝は初めてだった。
常に神に、祈り捧げ民の幸せを祈る帝。
この日和国に流れ着き土着した神々の気持ちがわかる。
この国は受け入れ変えていく。
それは、本来あるべきものより良きものへ、悪しきものも本来、良きものだったものへ、帝に寿がれ広がる。
九尾の狐は帝に『菊』と描いて『ココ』と呼ばれていた。
『ココ』は『九』と通じるから。
帝にそう名付けられた。
ココは帝に恋をした。
けれど、所詮人の世。
権力闘争は帝の意思でなくても起きてしまう宿命のごとくに…
帝の后まで上り詰め帝を守ろうとしたけれど、よく思わない家臣たちに追い立てられる。
しかも、九尾の狐だとバレてしまい、妖力の源であった尻尾も皇室を守る烏のイズナの一族に八本も取られて封印された……
さらに朝廷に穢をもたらしたとして容赦なく追い立てられる。
追い立てられて逃げるために人として化けた時に助けたのが、香茂の陰陽師だった。
傷ついたココは陰陽師に愛された。
香茂の陰陽師も九尾の狐は帝を愛していると信じてくれた…
帝暗殺事件を解決し帝の元へ戻れたはずなのに、信用して愛してくれた陰陽師を想う心もあった……
「帝に愛されたお前を私のものにするのは畏れ多いけれど、私はお前を愛しい…
きっと、魂が生まれ変わっても
お前に恋をするだろう…」
私を帝のもとに送り出してくれるはずなのに愛の告白される。
「何百年、何千年先になろうとも、先に不幸があろうとも、再び出会い愛し合いたい。
それほどココを愛している…」
民を宝とみなす帝からはもらえない愛の言霊。
それは、強い想い。
変わらぬ心……
「では、残りの尻尾一本の狐のあやかしの白狐の私を皇室の守のあやかしとして全ての妖力を込めて、皇室の四神として置いていく…」
あやかしは陰。
陰から帝をお守りしよう。
その四神に関わるように他のあやかしの獣も四神に見立てる
それがあやかしの四神の役割。
そして、帝へ思いのこもった魂の片割れは白狐の神になる。
帝に恋し愛した心とともに。
帝への忠誠をたてる神となる。
時の帝もお許しになられた。
それは祝皇のみ知らされる。
妖力も何もかもなくした、人になったココは香茂の陰陽師に問いかける。
「妖力を無くした、ただのあやかしの抜け殻の女でもお前は愛せるのか?」
「そんなお前が欲しい。愛おしい…どうしても」
その、陰陽師の強い思いに心打たれ結ばれた。
大妖怪で世界の帝をたぶらかして封印されたという話は有名だけど、人を愛する魂を、人と狐に二つに分けてそれで封印ということだった。
伝承と真実は違うものだった…
それは、関わった者達が知れば良い真実。
遠い魂から結びつく物語…
ここは、八尾比丘尼の異界だからその影響で目を覚めても忘れられない夢を見ることができる。
白狐は八尾比丘尼に正体をバラされ、諦めたのか、記憶を一部過去に起こった事を夢として葛葉子に、見せることにした。
葛葉子に宿る神狐は元は大妖怪九尾の狐だった。
何千年も生きてきた感覚はない。
だけど、栄えた王朝の帝の傍に仕え、侍り、心を試し、恋に落とさせて篭絡させ、国を滅ぼすことは楽しかった。
なのに、小さな島国の日和国祝皇に恋に落ちてしまうとは思わなかった。
恋に落としていった、どの帝より、己よりも民を優先し己を持たない帝は初めてだった。
常に神に、祈り捧げ民の幸せを祈る帝。
この日和国に流れ着き土着した神々の気持ちがわかる。
この国は受け入れ変えていく。
それは、本来あるべきものより良きものへ、悪しきものも本来、良きものだったものへ、帝に寿がれ広がる。
九尾の狐は帝に『菊』と描いて『ココ』と呼ばれていた。
『ココ』は『九』と通じるから。
帝にそう名付けられた。
ココは帝に恋をした。
けれど、所詮人の世。
権力闘争は帝の意思でなくても起きてしまう宿命のごとくに…
帝の后まで上り詰め帝を守ろうとしたけれど、よく思わない家臣たちに追い立てられる。
しかも、九尾の狐だとバレてしまい、妖力の源であった尻尾も皇室を守る烏のイズナの一族に八本も取られて封印された……
さらに朝廷に穢をもたらしたとして容赦なく追い立てられる。
追い立てられて逃げるために人として化けた時に助けたのが、香茂の陰陽師だった。
傷ついたココは陰陽師に愛された。
香茂の陰陽師も九尾の狐は帝を愛していると信じてくれた…
帝暗殺事件を解決し帝の元へ戻れたはずなのに、信用して愛してくれた陰陽師を想う心もあった……
「帝に愛されたお前を私のものにするのは畏れ多いけれど、私はお前を愛しい…
きっと、魂が生まれ変わっても
お前に恋をするだろう…」
私を帝のもとに送り出してくれるはずなのに愛の告白される。
「何百年、何千年先になろうとも、先に不幸があろうとも、再び出会い愛し合いたい。
それほどココを愛している…」
民を宝とみなす帝からはもらえない愛の言霊。
それは、強い想い。
変わらぬ心……
「では、残りの尻尾一本の狐のあやかしの白狐の私を皇室の守のあやかしとして全ての妖力を込めて、皇室の四神として置いていく…」
あやかしは陰。
陰から帝をお守りしよう。
その四神に関わるように他のあやかしの獣も四神に見立てる
それがあやかしの四神の役割。
そして、帝へ思いのこもった魂の片割れは白狐の神になる。
帝に恋し愛した心とともに。
帝への忠誠をたてる神となる。
時の帝もお許しになられた。
それは祝皇のみ知らされる。
妖力も何もかもなくした、人になったココは香茂の陰陽師に問いかける。
「妖力を無くした、ただのあやかしの抜け殻の女でもお前は愛せるのか?」
「そんなお前が欲しい。愛おしい…どうしても」
その、陰陽師の強い思いに心打たれ結ばれた。
大妖怪で世界の帝をたぶらかして封印されたという話は有名だけど、人を愛する魂を、人と狐に二つに分けてそれで封印ということだった。
伝承と真実は違うものだった…
それは、関わった者達が知れば良い真実。
遠い魂から結びつく物語…
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