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あやかしと神様の恋の枷

3☆察せられる。

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 瑠香は東の護衛として一緒に登校する。
 何かある時以外、いつも四人一緒だ。

「あれ?葛葉子は?」
 ビクリと瑠香は、肩を震わした。
 いつも以上に無表情…いや、むしろ青ざめて泣きそうだ。
 何かあったのか?と察する。
 だけど報告を聞くのが先だ。

「ところで、河童どうした?」
「大変申し訳ありませんが、死滅させてしまいました………」
「そうか、仕方ないね。」

 残念というふうに肩を落とすふりをする。
 まぁ、悪さする河童が消えれば大掃除の任務は成功ということにしておこう。
 瑠香がいつもと違う雰囲気のほうが面白くて気になる。
 瑠香は気づいてないみたいだが、いつもの装いが取れてるし元気がない。
 部下で学友の悩みごとかもと思うと、前世の阿闍梨としての仏の気持ちで悩みを聞きたくなる。

「葛葉子とかあったの?」

 と発音をわざと変えて言うから、たちが悪い。
「イエマセン。プライベートなので。」
 言葉が硬い。

「ふーん…」
 ……仲違えしたんだと思う。

「男女の仲は難しよね。僕も似たようなことに苛まれてるから分かるよ」

 その言葉は慰めか、本気か瑠香は分からなかった。

「そ、そういえば、葛葉子さん裸で宮中入っていったような………」
 と伝統衛士で宮中見回りをしていて、陰陽寮あたりの塀を飛び越えた所を、チラっと見たことを見間違えかもと思ったことをつい口に出してしまった。
 それは、狐になって宮中に帰る途中であやかしの姿に戻ってしまったために、裸になってしまったのを臣は見てしまった…という事だっだ。
 そう察した途端、荒御魂オーラが噴きでた。
 瑠香は無表情で、

「臣………記憶消していいか?」

「え?」
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