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あやかしと神様のドキドキ同居

お年ごろ?(番外編)

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「ハルは女の裸を見たことあるぞ!」

 晴房は突然自慢するように瑠香に言ってきた。

「……葛葉子の裸か?」

 子供の晴房にムカツク。
 だが、葛葉子が「一緒に入る?」と誘ってもガンとして入ろうとはしないのを思い出した。

「女神の裸だ!」

 頬を赤くして言う。
 女神?彫刻の事か?
 どういう事がわからなかったので、記憶を読もうとすると、手をパシっ掴みグギギと力強く握る。

(この記憶だけはルカにも見せたくない。)

 子供のくせに殺意を発する。
 自分一人の秘密にしたいらしい。

「瑠香は裸見たことあるのか?」
 何度か見たし、今も見たい……
「葛葉子の裸だけか?」

 なんで、そんなことを聞く?と思いつつ。

「いや……」

 と、つぶやいて、考え込む。

「好きな女の体は一人と決めている!偉いだろ!」

 エヘンと意味なく威張った。
 偉いんじゃなくてエロいんだ。
 スケベな神にエロガキな神か…
と自虐してみた。

《さすがは対だな……》
 クククと慈悲深く神が笑うのを聞こえた。
 
 葛葉子と出会う前に、陛下おそばに仕える宮中職員の男子寮と女子寮を繋ぐ通称、『逢引廊下』で年増の侍女数人につかまってイロイロいたずらされた。
 自ら好んでしたことではないがイロイロ教わったな……
 と、ぼんやり思う。
 今や事故みたいなモノで忘れたい。

 やっぱり好きな女は葛葉子しかいないし、どんな女を見てもどうとも思わないし何も感じない……
 
 それなのに、隣の部屋で葛葉子が眠ってると思うと、イロイロされたことをしたいと思ってしまう。

 はぁ……眠れない……

 『年頃』の瑠香の幸せ悩みだった。

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