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11☆妖怪とは
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「あの、果世さんが化物になった経緯を教えていただけますか?」
きっと五年前の事件と関わりがあるだろうけれど、詳しいことは本人にしかわからないので、先入観をなしで真実を聞き出せるように思いながら瞳を合わせる。
「五年前……この公園で果世に告白して、両思いになった直後、後ろから十人のガラの悪い男たちに絡まれたんだ…
そして、果世は僕の目の前で強姦された……本当に突然の出来事だった…幸せの絶頂から地獄に叩きつけられた……」
その時を思い出したのか、涙と震えがじゅんさんからとまらない。
「どうして、なにも関係ないのに、こんなことが起こったのかすらもわからない……あいつらは人の不幸を楽しみたいだけのクズだ……!復讐して、命を奪って何が悪い⁉」
確かに、人の幸せを奪うのは最低な汚いことだけれど……罪を償わせる方法もあるだろうにと私は思うけれど…
「……警察にもちゃんと被害届けをだしたけれど、政治家の父に彼女の被害は消された。僕の将来の傷になるからと事件そのものをなかったことにしてしまった……」
「政治家の息子はあんたの方だったのねー。悪い子ちゃんでも良い子ちゃんでも潰すわよね。政治家の家族の不名誉として…」
ミミさんはフーっとため息をついて呆れた。
「そして、彼女はさらに精神が病んでしまった…」
「ルイちゃん目をそらしたゃだめよ。」
これ以上尋問はこっちが辛い…と思っていたらミミさんに注意されて気を引き締め術を行う。
「……果世さんをあんな姿にする薬をどうやってもらったの?」
本題はここだ。
人を妖怪…化物にする薬の事を聞き出さねばまた被害者が広がる事はいけないこと。
手がかりを少しでも掴んで阻止しなくては……私は強い正義感がどこからとなく目覚めて術を強くする。
「ある時、誠実そうな外国人の男が声をかけてきて、『復讐を果たせれば、彼女は楽になる…君も…』と大金で薬を買ったんだ。
彼女を救えるのならばと…その薬を買い、彼女に飲ませると、彼女は小さな蜘蛛の姿になって、復讐相手を探し当て自ら手を下していっていた。
その様子を、彼女は楽しそうに嬉しそうに話してくれた。」
じゅんさんは、果世さんの方を愛おしそうに見る。
「復讐を果たすたびに彼女の心は戻っていった…けれど今日で復讐の最後……助けてあげられなかった僕に復讐をはたせば…もとの果世に戻れると思ったのに……」
蜘蛛の化物になった果世さんを見て、泣き崩れる。
「うぁぁあ!ごめんよ!ごめん!もっとひどい姿にしてしまった…僕のせいだ!」
更にひどいことをしてしまったことをじゅんさんは悔いていた。
果世さんは一本の細い糸をこちらに鋭く吹き付けてじゅんさんの額にあたると、突然ビクッ!と体を震わせる。
「果世に、僕は食べられたい…彼女とともに有りたいんだ……」
死闘を繰り広げている健十郎さんと果世さんのもとに、フラフラ歩きだそうとするのをミミさんは手刀で気絶させ、蜘蛛の糸を引きちぎる。
「あんた、蜘蛛女に操られてんじゃないわよ!人間の糧になって健十郎を殺るつもりでしょ?私達妖怪は人を食べれば食べるほど力を増すのよ…これ以上被害者大きくなったら私だって手のつけようがないわ!」
腰に手を当てて倒れたじゅんさんを見下ろし更に頭を容赦なく踏んづける。
大きい蜘蛛の習性そのもので人を操るから、人を食らう化物…妖怪の所以なのだ。
そのことは吸血鬼の妖怪である私も思い当たる。
「……ミミさんはたくさん食べたのですか?」
「まぁね、昔はね……」
恐ろしい事実だ…
だけど、当時の苦悩を表情と悲しさを雰囲気を感じる。
「実は人を食べれば食べるほど人の姿を保つのも難しいのよ。動物のあやかしを食べるほうが、見た目人間のスタイルを保てる事を知ってから食べないわね。」
ミミさんのお尻には二つの猫の尻尾が揺らめいていた。
きっと五年前の事件と関わりがあるだろうけれど、詳しいことは本人にしかわからないので、先入観をなしで真実を聞き出せるように思いながら瞳を合わせる。
「五年前……この公園で果世に告白して、両思いになった直後、後ろから十人のガラの悪い男たちに絡まれたんだ…
そして、果世は僕の目の前で強姦された……本当に突然の出来事だった…幸せの絶頂から地獄に叩きつけられた……」
その時を思い出したのか、涙と震えがじゅんさんからとまらない。
「どうして、なにも関係ないのに、こんなことが起こったのかすらもわからない……あいつらは人の不幸を楽しみたいだけのクズだ……!復讐して、命を奪って何が悪い⁉」
確かに、人の幸せを奪うのは最低な汚いことだけれど……罪を償わせる方法もあるだろうにと私は思うけれど…
「……警察にもちゃんと被害届けをだしたけれど、政治家の父に彼女の被害は消された。僕の将来の傷になるからと事件そのものをなかったことにしてしまった……」
「政治家の息子はあんたの方だったのねー。悪い子ちゃんでも良い子ちゃんでも潰すわよね。政治家の家族の不名誉として…」
ミミさんはフーっとため息をついて呆れた。
「そして、彼女はさらに精神が病んでしまった…」
「ルイちゃん目をそらしたゃだめよ。」
これ以上尋問はこっちが辛い…と思っていたらミミさんに注意されて気を引き締め術を行う。
「……果世さんをあんな姿にする薬をどうやってもらったの?」
本題はここだ。
人を妖怪…化物にする薬の事を聞き出さねばまた被害者が広がる事はいけないこと。
手がかりを少しでも掴んで阻止しなくては……私は強い正義感がどこからとなく目覚めて術を強くする。
「ある時、誠実そうな外国人の男が声をかけてきて、『復讐を果たせれば、彼女は楽になる…君も…』と大金で薬を買ったんだ。
彼女を救えるのならばと…その薬を買い、彼女に飲ませると、彼女は小さな蜘蛛の姿になって、復讐相手を探し当て自ら手を下していっていた。
その様子を、彼女は楽しそうに嬉しそうに話してくれた。」
じゅんさんは、果世さんの方を愛おしそうに見る。
「復讐を果たすたびに彼女の心は戻っていった…けれど今日で復讐の最後……助けてあげられなかった僕に復讐をはたせば…もとの果世に戻れると思ったのに……」
蜘蛛の化物になった果世さんを見て、泣き崩れる。
「うぁぁあ!ごめんよ!ごめん!もっとひどい姿にしてしまった…僕のせいだ!」
更にひどいことをしてしまったことをじゅんさんは悔いていた。
果世さんは一本の細い糸をこちらに鋭く吹き付けてじゅんさんの額にあたると、突然ビクッ!と体を震わせる。
「果世に、僕は食べられたい…彼女とともに有りたいんだ……」
死闘を繰り広げている健十郎さんと果世さんのもとに、フラフラ歩きだそうとするのをミミさんは手刀で気絶させ、蜘蛛の糸を引きちぎる。
「あんた、蜘蛛女に操られてんじゃないわよ!人間の糧になって健十郎を殺るつもりでしょ?私達妖怪は人を食べれば食べるほど力を増すのよ…これ以上被害者大きくなったら私だって手のつけようがないわ!」
腰に手を当てて倒れたじゅんさんを見下ろし更に頭を容赦なく踏んづける。
大きい蜘蛛の習性そのもので人を操るから、人を食らう化物…妖怪の所以なのだ。
そのことは吸血鬼の妖怪である私も思い当たる。
「……ミミさんはたくさん食べたのですか?」
「まぁね、昔はね……」
恐ろしい事実だ…
だけど、当時の苦悩を表情と悲しさを雰囲気を感じる。
「実は人を食べれば食べるほど人の姿を保つのも難しいのよ。動物のあやかしを食べるほうが、見た目人間のスタイルを保てる事を知ってから食べないわね。」
ミミさんのお尻には二つの猫の尻尾が揺らめいていた。
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