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3☆羞恥な体
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鏡と赤と黒のストライプ調の豪華な部屋だった。
大きなベッドとソファと冷蔵庫にテレビ……
こんな部屋に住んでみたいと、思うような部屋でびっくりする。
ジャグジーまであって、キラキラした豪華ホテル…いや、ラブホテル…すごすぎると空いた口が塞がらなかった。
「とりあえず、致す前に、体洗おうか?」
健十郎さんはニマニマ笑顔で明るくそう言った。
「私、お風呂入ったことないんですけど、死にませんか?」
吸血鬼は水に使ったら死ぬと言う、言い伝えもある。
だけど、私は太陽やニンニクは平気だった。
もしかしたら水も大丈夫かもしれないけれど、ラブホテルでお風呂に入って死んだなんて不名誉は嫌だ……
「ルイさんが死んだら俺も後を追うよ…だから心配すんな」
と言って、頭をポンポンされた。
「心配すんなって……」
なんて言ったらいいのか言葉に詰まる。
止まっているはずの心臓が動くのを感じる。
て、いうか、本当に止まってるのだろうか?
胸の中心を押さえると脈打つのがわかる。
まぁ、脈打たなければお腹も減らないような気がする。
太陽が平気なのだから人ならざるものは中途半端なのかもしれない。
この概念は人間だった時の知識……
じゃぁ…わたしは、なにものなのだろうか…思考の渦に巻き込まれていく……
と言いながらさっき入ってきたドアノブに手をかけて一気に逃げ出そうとしたら首根っこ掴まれた感じで服を引っ張られた。
「ぶつぶついってないで、服脱いで、というか脱がす!」
現実逃避は一瞬で洋服と一緒に捨てられた。
「きゃっ!」
すっぱだかにされて、思わず胸と下を隠す。
「生ミロのビーナス」
と言って感動していた。
「恥ずかしがることない!美しいんだから!でも、なにか匂う……」
鼻をひくひく犬のようにひくつかせて肌の匂いを嗅がれた。
そして、無表情で自らの鼻を摘んだ。
「だいじょうぶ、洗えばいいだけだから…」
無理した笑顔で誤魔化された。
「うっ……裸にされるよりも恥ずかしいです…っ!もう、いやぁっ!」
今すぐ死にたいほど恥ずかしさが襲って絶望して、シャワー浴びた。
煙が出て人魚姫のように消えていくイメージを思ったが、消えない。
暖かいシャワーが肌に当たる。
水は大丈夫らしい…むしろ気持ちがいい。
今のうちにざっと大事なところを一生懸命洗う。
多分股足をひらけて霰もない格好だとしても仕方ない!
閉めたドアを遠慮なく健十郎さんは入ってきた。
「隅々まで洗ってあげるよ」
うわ、裸で入ってきやがった…
青ざめる私に一応下半身をタオルで巻いて出直す。
「恥ずかしいから嫌です…!」
裸を見られないように体を見せない。
どれほど私に恥をかかせればいいのか、分かってないデリカシーの無さにイラっとする。
「ほんと……鏡に映らないんだな……」
シャワー室は鏡ばりだった。
だが、映るのはタオルを腰に巻いた健十郎さんのみ。
男の人の裸だって見たくないので足元に視線を移す。
自分の二つの乳房しか見えないけれど、それを隠す。
「はい…なので、自分に無頓着になりますよね…人間だった時の自分の記憶も朧げで……」
むしろ、貧血すぎると今までやってきた会ってきた人のことまですっかり忘れてしまう。
血をくれたら、願いを叶える事と『ルイ』という名前しか覚えていないのだ。
そのことを健十郎さんに伝える。
「ルイさんの姿は俺の瞳だけに映っていればそれだけで十分だ。」
また臭いセリフだけど、真剣に言われてまた、ドキっ!と胸が鳴る。
「とりあえず、俺のことを忘れられないように血を与え続ければ問題ないってことだな。」
不安を感じさせない言葉と力強さに安心感も芽生えてしまう。
「血をずっと頂けるのですか?」
血に困ることはないのは嬉しい。
「夫婦になるなら妻を守り養うのが夫の役目だ」
当たり前のように断言する。
「ありがとうございます…そう言ってもらえることがとても嬉しいです…」
そんなわたしの頭をぽんぽんと撫でて、後ろから抱きしめる。
「もう、辛い思いはさせないから……」
そう、耳元で囁かれて、やはり胸が高鳴る。
健十郎さんなら、全てを捧げてもいいと覚悟を決めた。
「ぅ……とりあえず髪から洗おうか?」
「…はぃ……」
薔薇の香りのシャンプーがとてもいい香りだった。
髪の毛に大量の泡ができるまでゴシゴシされた。
流した水は黒く濁っていた……
二人してドン引きして、笑いあう。
「はは、洗い甲斐のある体だな…」
「よ、よろしくお願いします」
こんなに汚い体だということに諦めて全てを健十郎さんに身を任せることにした。
大きなベッドとソファと冷蔵庫にテレビ……
こんな部屋に住んでみたいと、思うような部屋でびっくりする。
ジャグジーまであって、キラキラした豪華ホテル…いや、ラブホテル…すごすぎると空いた口が塞がらなかった。
「とりあえず、致す前に、体洗おうか?」
健十郎さんはニマニマ笑顔で明るくそう言った。
「私、お風呂入ったことないんですけど、死にませんか?」
吸血鬼は水に使ったら死ぬと言う、言い伝えもある。
だけど、私は太陽やニンニクは平気だった。
もしかしたら水も大丈夫かもしれないけれど、ラブホテルでお風呂に入って死んだなんて不名誉は嫌だ……
「ルイさんが死んだら俺も後を追うよ…だから心配すんな」
と言って、頭をポンポンされた。
「心配すんなって……」
なんて言ったらいいのか言葉に詰まる。
止まっているはずの心臓が動くのを感じる。
て、いうか、本当に止まってるのだろうか?
胸の中心を押さえると脈打つのがわかる。
まぁ、脈打たなければお腹も減らないような気がする。
太陽が平気なのだから人ならざるものは中途半端なのかもしれない。
この概念は人間だった時の知識……
じゃぁ…わたしは、なにものなのだろうか…思考の渦に巻き込まれていく……
と言いながらさっき入ってきたドアノブに手をかけて一気に逃げ出そうとしたら首根っこ掴まれた感じで服を引っ張られた。
「ぶつぶついってないで、服脱いで、というか脱がす!」
現実逃避は一瞬で洋服と一緒に捨てられた。
「きゃっ!」
すっぱだかにされて、思わず胸と下を隠す。
「生ミロのビーナス」
と言って感動していた。
「恥ずかしがることない!美しいんだから!でも、なにか匂う……」
鼻をひくひく犬のようにひくつかせて肌の匂いを嗅がれた。
そして、無表情で自らの鼻を摘んだ。
「だいじょうぶ、洗えばいいだけだから…」
無理した笑顔で誤魔化された。
「うっ……裸にされるよりも恥ずかしいです…っ!もう、いやぁっ!」
今すぐ死にたいほど恥ずかしさが襲って絶望して、シャワー浴びた。
煙が出て人魚姫のように消えていくイメージを思ったが、消えない。
暖かいシャワーが肌に当たる。
水は大丈夫らしい…むしろ気持ちがいい。
今のうちにざっと大事なところを一生懸命洗う。
多分股足をひらけて霰もない格好だとしても仕方ない!
閉めたドアを遠慮なく健十郎さんは入ってきた。
「隅々まで洗ってあげるよ」
うわ、裸で入ってきやがった…
青ざめる私に一応下半身をタオルで巻いて出直す。
「恥ずかしいから嫌です…!」
裸を見られないように体を見せない。
どれほど私に恥をかかせればいいのか、分かってないデリカシーの無さにイラっとする。
「ほんと……鏡に映らないんだな……」
シャワー室は鏡ばりだった。
だが、映るのはタオルを腰に巻いた健十郎さんのみ。
男の人の裸だって見たくないので足元に視線を移す。
自分の二つの乳房しか見えないけれど、それを隠す。
「はい…なので、自分に無頓着になりますよね…人間だった時の自分の記憶も朧げで……」
むしろ、貧血すぎると今までやってきた会ってきた人のことまですっかり忘れてしまう。
血をくれたら、願いを叶える事と『ルイ』という名前しか覚えていないのだ。
そのことを健十郎さんに伝える。
「ルイさんの姿は俺の瞳だけに映っていればそれだけで十分だ。」
また臭いセリフだけど、真剣に言われてまた、ドキっ!と胸が鳴る。
「とりあえず、俺のことを忘れられないように血を与え続ければ問題ないってことだな。」
不安を感じさせない言葉と力強さに安心感も芽生えてしまう。
「血をずっと頂けるのですか?」
血に困ることはないのは嬉しい。
「夫婦になるなら妻を守り養うのが夫の役目だ」
当たり前のように断言する。
「ありがとうございます…そう言ってもらえることがとても嬉しいです…」
そんなわたしの頭をぽんぽんと撫でて、後ろから抱きしめる。
「もう、辛い思いはさせないから……」
そう、耳元で囁かれて、やはり胸が高鳴る。
健十郎さんなら、全てを捧げてもいいと覚悟を決めた。
「ぅ……とりあえず髪から洗おうか?」
「…はぃ……」
薔薇の香りのシャンプーがとてもいい香りだった。
髪の毛に大量の泡ができるまでゴシゴシされた。
流した水は黒く濁っていた……
二人してドン引きして、笑いあう。
「はは、洗い甲斐のある体だな…」
「よ、よろしくお願いします」
こんなに汚い体だということに諦めて全てを健十郎さんに身を任せることにした。
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