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バージンロード
ジジ様、孫のバージンロードのために若返る☆4
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葛葉子は手に可愛いブーケに淡いピンク色のリボンとレースたっぷりの可愛くも清楚なドレスを着てわしの腕に手をかけ寄り添う。
「ジジ様ありがとう。素敵な姿になってくれてバージンロード歩いてくれて……」
「何を言うわしの唯一の娘孫じゃ。わしこそ願いを叶えてくれてありがとうなのじゃ……」
わし達はコソコソ本来狐耳の良い耳で聞き取れるくらいの声で言う。
真っ赤なバージンロードを二人で寄り添い歩き、瑠香くんに送る。
わしは涙が一筋落ちたことに気がつく。
葛葉子には幸せになってほしい。
わしが願うよりも、もっと、幸せになってほしい……
その願いと二人の誓いが二人を祝福する大勢の前で交わされる。
庭には教会はなく、代わりに鳥居と社の前で誓いをする。
神父役は恐れ多くも東殿下がなさる。
定番の誓いの言葉は無粋なのでいわず。
「前世も今世も来世、輪廻転生いつまでも二人は恋人になり夫婦になり幸せなる誓いをしてください。」
指輪の交換を互いにする。
みんなの前で口づけをする。
両席にいる親戚とクラスメイトから歓声を受けて花びらのシャワーを降らせる。
橘…威津那…房菊……流花…
見ておるか?
葛葉子のとても幸せそうな顔を……
本来ならば家族みんなで葛葉子を祝ってやりたかった……
わしの直系の可愛い孫が幸せであることがとてもわしの人生の辛かった部分を癒してくれる……
幸せにおなり…みんなの分まで…葛葉子……
そのあとは立食パーティーをする。
わしの式神と人間に化けたわしの忠実なあやかし達が食事を運ぶ。
「うわー…葛葉子のお父さん外国人とのハーフさんなの?かっこいいんだけど!」
葛葉子の親友の久美はそう言ってわしを見る。
「そうじゃ。イケメンじゃろ?」
「喋り方はおかしいけどかっこいい。」
萌はそう言った。
「やっぱりイケメンの子は可愛いのは当たり前ね…羨ましい!」
「お腹にいる子もめちゃっちゃイケメンになるわね。誰に似ても。」
「そうだね。ジジ…お父さんに似ても瑠香に似ても…ううん。二人そっくりな子供もう一人産む。ね、瑠香!」
それは確定されている言い方だった。
「そうだな。せめて三歳違いかな……」
(夫婦生活が阻害される……!)
と瑠香くんは考えているらしいのがわかる。
「瑠香くんもそこまで計画してるのかい!」
といって笑い合う。
結婚式には陰陽寮のものも時間差おきで来て、葛葉子を祝福して、わしを知る古参のものはやはり感激していた。
花嫁のブーケは祈り姫春子内親王殿下が受け取った。
数年後には確実に結婚する神呪をウカ様がかけてある代物だった。
隣に寄り添う東殿下と結婚なさるだろう。
その後ろで八尾比丘尼が複雑な表情をしてため息を吐いていた。
「久しいな」
わしは八尾比丘尼に声をかける。
「まぁまぁまぁまぁ!あの頃の晴綛様に似た親戚がいらっしゃると思ったら、ご本人だったなんて!」
「孫の葛葉子が世話になったらしいな。」
「あの子は、幼い頃に母を亡くして不憫な運命を背負わされて憐れに思いましたけど…こんなに皆様に祝福を祝われて願われて…不幸などなく幸せであってほしいと私もウカ様も願っておりますのよ」
「ありがとうな。今夜はいっぱいやるか?」
「そうですわね。いろいろ昔を語り合いましょう。子泣き爺の姿になる時刻までね。」
「そんなに嫌か?元の姿が?」
「わたくし、美意識が誰よりも強いですのよ」
「まあ、よいわ。式が終わったらそちらに出向くよ」
「わしも入れてくれ!」
ウカ様もそう言って飛び入り参加で酒を飲みつつ孫娘の祝福祝いをするのだった。
「ジジ様ありがとう。素敵な姿になってくれてバージンロード歩いてくれて……」
「何を言うわしの唯一の娘孫じゃ。わしこそ願いを叶えてくれてありがとうなのじゃ……」
わし達はコソコソ本来狐耳の良い耳で聞き取れるくらいの声で言う。
真っ赤なバージンロードを二人で寄り添い歩き、瑠香くんに送る。
わしは涙が一筋落ちたことに気がつく。
葛葉子には幸せになってほしい。
わしが願うよりも、もっと、幸せになってほしい……
その願いと二人の誓いが二人を祝福する大勢の前で交わされる。
庭には教会はなく、代わりに鳥居と社の前で誓いをする。
神父役は恐れ多くも東殿下がなさる。
定番の誓いの言葉は無粋なのでいわず。
「前世も今世も来世、輪廻転生いつまでも二人は恋人になり夫婦になり幸せなる誓いをしてください。」
指輪の交換を互いにする。
みんなの前で口づけをする。
両席にいる親戚とクラスメイトから歓声を受けて花びらのシャワーを降らせる。
橘…威津那…房菊……流花…
見ておるか?
葛葉子のとても幸せそうな顔を……
本来ならば家族みんなで葛葉子を祝ってやりたかった……
わしの直系の可愛い孫が幸せであることがとてもわしの人生の辛かった部分を癒してくれる……
幸せにおなり…みんなの分まで…葛葉子……
そのあとは立食パーティーをする。
わしの式神と人間に化けたわしの忠実なあやかし達が食事を運ぶ。
「うわー…葛葉子のお父さん外国人とのハーフさんなの?かっこいいんだけど!」
葛葉子の親友の久美はそう言ってわしを見る。
「そうじゃ。イケメンじゃろ?」
「喋り方はおかしいけどかっこいい。」
萌はそう言った。
「やっぱりイケメンの子は可愛いのは当たり前ね…羨ましい!」
「お腹にいる子もめちゃっちゃイケメンになるわね。誰に似ても。」
「そうだね。ジジ…お父さんに似ても瑠香に似ても…ううん。二人そっくりな子供もう一人産む。ね、瑠香!」
それは確定されている言い方だった。
「そうだな。せめて三歳違いかな……」
(夫婦生活が阻害される……!)
と瑠香くんは考えているらしいのがわかる。
「瑠香くんもそこまで計画してるのかい!」
といって笑い合う。
結婚式には陰陽寮のものも時間差おきで来て、葛葉子を祝福して、わしを知る古参のものはやはり感激していた。
花嫁のブーケは祈り姫春子内親王殿下が受け取った。
数年後には確実に結婚する神呪をウカ様がかけてある代物だった。
隣に寄り添う東殿下と結婚なさるだろう。
その後ろで八尾比丘尼が複雑な表情をしてため息を吐いていた。
「久しいな」
わしは八尾比丘尼に声をかける。
「まぁまぁまぁまぁ!あの頃の晴綛様に似た親戚がいらっしゃると思ったら、ご本人だったなんて!」
「孫の葛葉子が世話になったらしいな。」
「あの子は、幼い頃に母を亡くして不憫な運命を背負わされて憐れに思いましたけど…こんなに皆様に祝福を祝われて願われて…不幸などなく幸せであってほしいと私もウカ様も願っておりますのよ」
「ありがとうな。今夜はいっぱいやるか?」
「そうですわね。いろいろ昔を語り合いましょう。子泣き爺の姿になる時刻までね。」
「そんなに嫌か?元の姿が?」
「わたくし、美意識が誰よりも強いですのよ」
「まあ、よいわ。式が終わったらそちらに出向くよ」
「わしも入れてくれ!」
ウカ様もそう言って飛び入り参加で酒を飲みつつ孫娘の祝福祝いをするのだった。
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