あやかしと神様のジジ様の物語

花咲蝶ちょ

文字の大きさ
上 下
47 / 54
バージンロード

ジジ様、孫のバージンロードのために若返る☆3

しおりを挟む
 わしは急遽用意してもらった西洋の礼服を着て容姿をアキサキミキに整えてもらう。
 狐耳と尻尾を隠す術をすれば金髪の青い目の見た目ハーフのような姿になった。
「お父さん、今の時代だったらモデルで稼げてたわね…」
「高身長で手足長くて……今のうちに記憶に留めておかなきゃ」
「明日絶望するからね…」
「今はそんなことは忘れろ、アキサキミキ!」
 一番絶望するのはわしなんだから。
「うわーほんっと、ジジ様かっこいい……!」
 真陽は瞳を輝かせてわしを見る。
 タキシードを持ってきてくれたのは真陽だ。
「真陽ねえさん…僕というものがありながら!」
 春陽は真陽に怒る。
「いや、だって、タイプなんだもん!」
 真陽は香茂家は嘘を言っても本心がバレてしまうので偽らず堂々とそう言った。
 そう言ってわしをベタベタ触る。
「明日には子泣き爺になっちゃうんだよ!好きになるのは絶望しかないだよ!」
 春陽はひどいことを言う。
 今は考えないでおこうと思っているのに…
「今日だけでもいいじゃない!」
「もう、僕のこと好きじゃないの?」
「好きよ!でも好きのタイプが違うの。叔母さん達とおんなじ好きなの!」
 プーっ!と春陽は不服で子供っぽく頬を膨らませ憤る。
「春陽よ、男は幾つになっても大人の余裕が必要じゃぞ。お前は外見は阿倍野の血の方が強いし、真陽好みの男に将来なるじゃて」
「子泣き爺に?」
「そこまで言っとらんわ。」
 春陽の子供っぽさにわしは吹き出してしまう。
「でも、僕だけを好きでいてほしいもん」
 春陽はへそ曲げて涙目だ。
 独占欲は瑠香くんとそっくりだ。
 そんな春陽を真陽もアキサキミキもニヤニヤしてみて萌えている。
「うんっもーっ!春陽くん可愛すぎ!そういうところ好きーーー!」
 真陽は耐えきれず春陽をだきししめて顔中キスをする。
 真陽はアキサキミキに性格が似ている。
「わたしは春陽くんが子泣き爺になっても大好きよ…一生添い遂げようね」
 真陽はそう言って微笑んだ。
「真陽ねぇ……うん。あのね、言うの遅くなっちゃったけど、今日のドレスの真陽ねぇ綺麗だよ…」
 春陽は照れながらそう言った。
「ありがとう…春陽くんもいつも以上にかっこいいわよ」
 そい言って互いに褒め合い惚れ合い歳の差カップルの少しのすれ違いは解消された。
「春陽くん大丈夫。晴房くん、春陽くん、ジジ様…みたいに成長してかっこよくなるの確定だから」
 アキはそう言って希望を持たせるが、
「まぁ、年取ったら子泣き爺になるのも決定なー」
 わしはそう意地悪を言ってやった。
「お父さん大人気ないわよ」
「これぐらいは言わせてくれい」
 と言って春陽の頭を撫でると、紺太の魂を感じた。
 真陽が流花に容姿は似ているが似てないと思うのは、タヌさんの御霊が真陽だからだと気づいた。
 わしは密かに今世こそ添い遂げて幸せになってほしいと願う。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

処理中です...