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バージンロード
ジジ様、孫娘のバージンーロードのために若返る☆1
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明日は孫の葛葉子と婿の瑠香くんの結婚式だ。
西洋式の結婚式を元香茂屋敷の大きな庭で祝う事になった。
庭には威津那と橘を祀るための鳥居と小さな社が立てられた。
国を支える神の御霊となった二人も神の異界から二人を祝福できるだろう。
じゃが、保護者として唯一の近い肉親であるわしは二頭身の禿げちゃびんの狐耳と尻尾を持つ半妖で葛葉子の友達に姿を現すのは、葛葉子が笑いものにされてしまうと思うと苦悶する。
親族ならわかってくれるがそうはいかないだろ……
そして、わしは肩をがっかりおろし大きなため息を吐く。
「新婦の葛葉子とバージンロード歩きたいのじゃ……」
そう本心を吐露した。
父の威津那なら仕方ないと思うが、姪の息子で新郎瑠香くんの父である高良が務めることになった。
高良にとっても葛葉子は娘になるのだから良いのだが……唯一の血縁で保護者で祖父であるわしが隣に歩きたい。
「こんな呪われた姿じゃ…無理じゃけどなハハハ…」
もう自分の姿にもなれてしまったがこの歳になって後悔が湧くとは思わなかった。
「神様……どうかわしに一日でいいから、あの時の姿に戻して欲しいのじゃ……」
神を見ることができるし、神に祈りはいたが願い事を言ったことのないわしは無駄だと思いながらも心底そう願ったら
《その願い叶えてあげるよ。》
ルカの神がわしの目の前に現れて微笑みそう言った。
審神者の任を降りたと言ってもこれは生まれつきの神を見る能力なので耄碌しても神を見ることができた。
《晴綛は今まで辛いことを我慢してきて役目もちゃんと果たしたからね。私からのご褒美だよ。ハルの神も労ってやれと言っているからね》
流花の指輪から光からピンクの光がわしを包み込む。
体から若さがみなぎる。
手足が伸びていく感覚……
そのためか着ていた着物がビリビリに破れてしまった。
わしは期待を胸に膨らませて姿見鏡を見ると、三〇代後半の色気ムンムンの美丈夫の頃の姿になっていた。
「ふぉぁぁぁぁぁぁあああああ‼︎」
わしは自分の姿を見て瞳を煌めかせ興奮した。
この姿を愛しの孫の葛葉子に見てもらいたく、葛葉子と瑠香くんの部屋をノックもせずにバン!っと開ける。
二人は突然のことにびっくりする。
キスをする寸前だったらしい。
「葛葉子!瑠香君!わしを見てくれ!」
「だ、だれ?てか、葛葉君?でも、この人おじさんだよね?」
葛葉子は男になった時の自分の姿を見てびっくりする。
「なんで変態が家にいるんだ!警察だ!……いや、今ここで消滅させるか?あやかしのようだしな……」
瑠香くんは警戒マックスで、能力を使ってわしを容赦なく抹殺しようと思っている。
「わしじゃ!ジジ様じゃ!ルカの神に若返らせてもらったんじゃ!」
葛葉子と瑠香君は目が点になる。
「ええええええええええええっ!」
現在の審神者の瑠香くんはルカの神に確認すると
《そういうことだからよろしくね。》
と伝えてくれて、瑠香くんはさらに驚いた。
「と、とりあえず、服着てください!立派すぎるそれをしまってください!」
「そ、そうじゃの。信じてくれてありがとうなのじゃ!」
そう言って若返った体の軽さにスキップして自室に戻って昔の服を漁る。
「ほんと、男になった私そっくりでびっくりした。やっぱりジジ様と血が繋がってたんだね」
「葛葉子、それひどい……」
瑠香くんは葛葉子の天然に苦笑した。
西洋式の結婚式を元香茂屋敷の大きな庭で祝う事になった。
庭には威津那と橘を祀るための鳥居と小さな社が立てられた。
国を支える神の御霊となった二人も神の異界から二人を祝福できるだろう。
じゃが、保護者として唯一の近い肉親であるわしは二頭身の禿げちゃびんの狐耳と尻尾を持つ半妖で葛葉子の友達に姿を現すのは、葛葉子が笑いものにされてしまうと思うと苦悶する。
親族ならわかってくれるがそうはいかないだろ……
そして、わしは肩をがっかりおろし大きなため息を吐く。
「新婦の葛葉子とバージンロード歩きたいのじゃ……」
そう本心を吐露した。
父の威津那なら仕方ないと思うが、姪の息子で新郎瑠香くんの父である高良が務めることになった。
高良にとっても葛葉子は娘になるのだから良いのだが……唯一の血縁で保護者で祖父であるわしが隣に歩きたい。
「こんな呪われた姿じゃ…無理じゃけどなハハハ…」
もう自分の姿にもなれてしまったがこの歳になって後悔が湧くとは思わなかった。
「神様……どうかわしに一日でいいから、あの時の姿に戻して欲しいのじゃ……」
神を見ることができるし、神に祈りはいたが願い事を言ったことのないわしは無駄だと思いながらも心底そう願ったら
《その願い叶えてあげるよ。》
ルカの神がわしの目の前に現れて微笑みそう言った。
審神者の任を降りたと言ってもこれは生まれつきの神を見る能力なので耄碌しても神を見ることができた。
《晴綛は今まで辛いことを我慢してきて役目もちゃんと果たしたからね。私からのご褒美だよ。ハルの神も労ってやれと言っているからね》
流花の指輪から光からピンクの光がわしを包み込む。
体から若さがみなぎる。
手足が伸びていく感覚……
そのためか着ていた着物がビリビリに破れてしまった。
わしは期待を胸に膨らませて姿見鏡を見ると、三〇代後半の色気ムンムンの美丈夫の頃の姿になっていた。
「ふぉぁぁぁぁぁぁあああああ‼︎」
わしは自分の姿を見て瞳を煌めかせ興奮した。
この姿を愛しの孫の葛葉子に見てもらいたく、葛葉子と瑠香くんの部屋をノックもせずにバン!っと開ける。
二人は突然のことにびっくりする。
キスをする寸前だったらしい。
「葛葉子!瑠香君!わしを見てくれ!」
「だ、だれ?てか、葛葉君?でも、この人おじさんだよね?」
葛葉子は男になった時の自分の姿を見てびっくりする。
「なんで変態が家にいるんだ!警察だ!……いや、今ここで消滅させるか?あやかしのようだしな……」
瑠香くんは警戒マックスで、能力を使ってわしを容赦なく抹殺しようと思っている。
「わしじゃ!ジジ様じゃ!ルカの神に若返らせてもらったんじゃ!」
葛葉子と瑠香君は目が点になる。
「ええええええええええええっ!」
現在の審神者の瑠香くんはルカの神に確認すると
《そういうことだからよろしくね。》
と伝えてくれて、瑠香くんはさらに驚いた。
「と、とりあえず、服着てください!立派すぎるそれをしまってください!」
「そ、そうじゃの。信じてくれてありがとうなのじゃ!」
そう言って若返った体の軽さにスキップして自室に戻って昔の服を漁る。
「ほんと、男になった私そっくりでびっくりした。やっぱりジジ様と血が繋がってたんだね」
「葛葉子、それひどい……」
瑠香くんは葛葉子の天然に苦笑した。
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