27 / 54
雪女とナマハゲ
流花の秘め事
しおりを挟む
(あら?少し寝てしまったみたい……って…)
目の前に晴綛の顔が落ちそうになってる。
「くかー…くかー…」
口を開けて俯いて眠っている。
それでも、端正な顔…
明綛と双子で同じ顔だけど…違う…
明綛は黒狐として生まれ黒髪だった。
無表情で、ふとした瞬間表情が柔らかくなる彼に一目惚れした……心奪われた。
でも、きっと彼とはもう会えない……
神が許さないのではなく、そういう定めなのだ……
そんな彼を思うといつも切なくなる……
忘れることなどできないし、忘れてはいけないと思う…
それに比べて晴綛は外国人のように金髪だ。
瞳も青いため外国人だと思われてしまうが、それは神を見る瞳だからだ。
でも彼はいつも表情がコロコロ変わってわかりやすい……
時たま冷酷な時もある…心を殺す…そんな感じ……
明綛とは本当に真逆…けれど双子だから似ている。
運命も宿命も多分似ているのだろう……
そして彼は一人になることを覚悟している。
「わしは一人でいるべきなのだ……」
と、言っていた。
それはなぜだかわからないけれど……
その代わり私や姪っ子たちをとても可愛がる。
だけど、結婚や子供を残すことをしたくないようだった…
(寂しい晴綛に寄り添いたい…一人になろうとしないで…)
と、切なく思う…
そんな晴綛が何かいい夢を見ているのかヘラッとした顔をしている。
「ふふ…可愛い」
私は思わず呟いてしまう。
男の人に可愛いというのは失礼だけれど……
愛おしいとは陛下以外言えないことが救いになる…
本当は二人のことが恋しいし、愛おしい……
でも、言えない…
さらに、どちらかを裏切ることは胸がとても痛いから…
陛下が一番愛おしければ…胸の痛みも薄くなる……
だからこそ、
二人とも平等に愛おしと思うことは許してほしい……
「ぐかー…」
晴綛の顔がさらに近づく。
顔ではなく胸元に…よだれが落ちた…
『ぎゃーーーー!
なまるいよだれがっ!きたない』
と、叫びそうに成ったけれど、眠っているのを起こしたくない。
彼は寝ずに仕事をしていたのだから……ぐうたらなんて言って悪いことを言ったと後悔する。
「でも、ど、どうしましょう…」
晴綛のよだれは汚いとおもうけど…許してしまう…
だけど、そのよだれが普通の人より多い……むしろ水のように垂れてくる……
よだれが左の乳房の方に落ちて、なぞるように肌を滑り敏感なところを辿る。
「っ…」
なぜか最後に睦あった時のことを思い出してしまう……
その時の熱まで無意味に思い出してしまうのはあまりにも自分がはしたない……
私は心も体も穢れている…
晴綛は女に好かれるけれど誰とも結ばれていない清い体なのに……
あなたを穢して…あなたに穢されたい……本能を解放して結ばれたい……
そんな本心をいつかさらけ出せる日が来たのなら……
あなたを選ぶ覚悟を決められる…きっと……
だけど…
そんな私を隠してずっと晴綛に恋をする……
だから他の女を見ないで….
私と同じに恋をしていてほしい……
互いの気持ちを感じながら…この辛くて甘い恋心の関係を続けたい……
目の前に晴綛の顔が落ちそうになってる。
「くかー…くかー…」
口を開けて俯いて眠っている。
それでも、端正な顔…
明綛と双子で同じ顔だけど…違う…
明綛は黒狐として生まれ黒髪だった。
無表情で、ふとした瞬間表情が柔らかくなる彼に一目惚れした……心奪われた。
でも、きっと彼とはもう会えない……
神が許さないのではなく、そういう定めなのだ……
そんな彼を思うといつも切なくなる……
忘れることなどできないし、忘れてはいけないと思う…
それに比べて晴綛は外国人のように金髪だ。
瞳も青いため外国人だと思われてしまうが、それは神を見る瞳だからだ。
でも彼はいつも表情がコロコロ変わってわかりやすい……
時たま冷酷な時もある…心を殺す…そんな感じ……
明綛とは本当に真逆…けれど双子だから似ている。
運命も宿命も多分似ているのだろう……
そして彼は一人になることを覚悟している。
「わしは一人でいるべきなのだ……」
と、言っていた。
それはなぜだかわからないけれど……
その代わり私や姪っ子たちをとても可愛がる。
だけど、結婚や子供を残すことをしたくないようだった…
(寂しい晴綛に寄り添いたい…一人になろうとしないで…)
と、切なく思う…
そんな晴綛が何かいい夢を見ているのかヘラッとした顔をしている。
「ふふ…可愛い」
私は思わず呟いてしまう。
男の人に可愛いというのは失礼だけれど……
愛おしいとは陛下以外言えないことが救いになる…
本当は二人のことが恋しいし、愛おしい……
でも、言えない…
さらに、どちらかを裏切ることは胸がとても痛いから…
陛下が一番愛おしければ…胸の痛みも薄くなる……
だからこそ、
二人とも平等に愛おしと思うことは許してほしい……
「ぐかー…」
晴綛の顔がさらに近づく。
顔ではなく胸元に…よだれが落ちた…
『ぎゃーーーー!
なまるいよだれがっ!きたない』
と、叫びそうに成ったけれど、眠っているのを起こしたくない。
彼は寝ずに仕事をしていたのだから……ぐうたらなんて言って悪いことを言ったと後悔する。
「でも、ど、どうしましょう…」
晴綛のよだれは汚いとおもうけど…許してしまう…
だけど、そのよだれが普通の人より多い……むしろ水のように垂れてくる……
よだれが左の乳房の方に落ちて、なぞるように肌を滑り敏感なところを辿る。
「っ…」
なぜか最後に睦あった時のことを思い出してしまう……
その時の熱まで無意味に思い出してしまうのはあまりにも自分がはしたない……
私は心も体も穢れている…
晴綛は女に好かれるけれど誰とも結ばれていない清い体なのに……
あなたを穢して…あなたに穢されたい……本能を解放して結ばれたい……
そんな本心をいつかさらけ出せる日が来たのなら……
あなたを選ぶ覚悟を決められる…きっと……
だけど…
そんな私を隠してずっと晴綛に恋をする……
だから他の女を見ないで….
私と同じに恋をしていてほしい……
互いの気持ちを感じながら…この辛くて甘い恋心の関係を続けたい……
10
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる