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雪女とナマハゲ
2☆阿部野の家の日常
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もう季節は春の彼岸だといえ、雪が積もって寒い。
いや、今年は異常な程に雪が積もった。
彼岸も過ぎれば暖かくなるだろうに未だに雪はやまない季節が遅れているようだ。
異界は快適で寒さなど感じはしないが、現世の寒さに関する情報を妖怪たちに探りを入れてもいたのだ……
妖怪の情報はバカにできない。
日和人以上に噂好きで感がよく確定的だ。
わしが手に入れた情報だと雪女が関係することはわかった。
雪女一人に日和国全体が雪に覆わせる力などありえないのだが…
雪女も各地にいろんな質の者がいる。
月からの使者と言われる人に危害を加えない女神のようなものまでいるようだ。
女神は、目の前にいる、美しい流花以外想像もつかんが……
そのことを中務の宮に奏上せねばならんと思い、身なりを整え寒いが潔斎をしようと気を引き締める。
「お風呂は沸かしてありますよ。鬼火ちゃんが、がんばってくれました」
流花は微笑んで言った。
「そうか。すまぬな。」
「鬼火ちゃんにもお礼を言って上げてくださいな」
流花はそう言って微笑む。
阿倍野屋敷に嫁いでから流花にいたずらして返り討ちに会い、鬼火は流花の式神になった。
阿倍野屋敷は近未来的だ。
わしの怠けられる空間を作るために、いろんなあやかしを式神にし、その力の糧で家を快適に過ごせるようにしている。
その力を借りる代わりに屋敷に住まわしている。
鬼火は見た目かわいい男の子の格好をしている大人しい一本角の赤鬼だ。
三姉妹たちの兄的存在で世話もしてくれる役に立つやつだ。
見た目豪華な洋館で女子供が留守をしている泥棒も入って着やすい屋敷だがわしや流花の、式神たちが鉄壁の護衛をするので入ってこれない。
それは隣の和風の屋敷の香茂家も同様だった。
わしは身を清め潔斎を身なりを整える。
流花はその手伝いも当然のようにしてくれて、長年連れ添った夫婦のように甲斐甲斐しい。
「整えてくれてありがとうな」
いつも感謝と申し訳なさに頭が下がる。
「いいえ、宮中の大事なお勤めですもの。頑張っていらしてね」
流花は満足げに微笑む。
「そういえば三姉妹は何をしておる?」
「雪遊びを今日も楽しんでますわ。」
軒先を見ると大きな雪だるまに耳と尻尾をつけていた。
まるでわしを模っているようだ。
隣に一回り小さい雪だるまとさらに小さい雪だるまを三つ完成させてた。
「みて!家族の雪だるま!」
「これが、ハルおじさんでこっちがかー様」
「三つのだるまがこれが私たち。」
三姉妹はかわいく完成作品をおお喜びして、わしと流花に見せて褒めてもらえることに瞳を輝かせていると思うと微笑ましいが、
「でもね……」
と、三人同時にいって、鬼火に作らせた熱々の熱湯ヤカンを突然わしを模した雪だるまと流花の雪だるまに咲がぶっかけて、
「熱々な二人は溶けちゃうのーーー!」
と言って、思いっきり溶かした。
わしと流花はあまりの事に唖然とする。
「勿体無いけどそういうことなのー!」
「何バカなことやってんの!お前たち!」
突然の突拍子もないのことをする娘達に流花は理解すると顔を真っ赤にして怒鳴った。
流花と兄の娘三人は破茶滅茶に暴走しすぎるしマセすぎて大人たちより直接的で困る。
なんの能力もない普通の人間としてせっかく生まれてきたのに、三人集めると文殊の知恵なのか、悪知恵なのか、あやかし以上な強固な力を発揮する。
さらにルカの神は子供好きなのでこの子達にも加護を与えているとは言っていた。
あやかしに神様に守られたこの家庭はどんなことがあろうとも崩れる事は無いなと実感する。
いや、今年は異常な程に雪が積もった。
彼岸も過ぎれば暖かくなるだろうに未だに雪はやまない季節が遅れているようだ。
異界は快適で寒さなど感じはしないが、現世の寒さに関する情報を妖怪たちに探りを入れてもいたのだ……
妖怪の情報はバカにできない。
日和人以上に噂好きで感がよく確定的だ。
わしが手に入れた情報だと雪女が関係することはわかった。
雪女一人に日和国全体が雪に覆わせる力などありえないのだが…
雪女も各地にいろんな質の者がいる。
月からの使者と言われる人に危害を加えない女神のようなものまでいるようだ。
女神は、目の前にいる、美しい流花以外想像もつかんが……
そのことを中務の宮に奏上せねばならんと思い、身なりを整え寒いが潔斎をしようと気を引き締める。
「お風呂は沸かしてありますよ。鬼火ちゃんが、がんばってくれました」
流花は微笑んで言った。
「そうか。すまぬな。」
「鬼火ちゃんにもお礼を言って上げてくださいな」
流花はそう言って微笑む。
阿倍野屋敷に嫁いでから流花にいたずらして返り討ちに会い、鬼火は流花の式神になった。
阿倍野屋敷は近未来的だ。
わしの怠けられる空間を作るために、いろんなあやかしを式神にし、その力の糧で家を快適に過ごせるようにしている。
その力を借りる代わりに屋敷に住まわしている。
鬼火は見た目かわいい男の子の格好をしている大人しい一本角の赤鬼だ。
三姉妹たちの兄的存在で世話もしてくれる役に立つやつだ。
見た目豪華な洋館で女子供が留守をしている泥棒も入って着やすい屋敷だがわしや流花の、式神たちが鉄壁の護衛をするので入ってこれない。
それは隣の和風の屋敷の香茂家も同様だった。
わしは身を清め潔斎を身なりを整える。
流花はその手伝いも当然のようにしてくれて、長年連れ添った夫婦のように甲斐甲斐しい。
「整えてくれてありがとうな」
いつも感謝と申し訳なさに頭が下がる。
「いいえ、宮中の大事なお勤めですもの。頑張っていらしてね」
流花は満足げに微笑む。
「そういえば三姉妹は何をしておる?」
「雪遊びを今日も楽しんでますわ。」
軒先を見ると大きな雪だるまに耳と尻尾をつけていた。
まるでわしを模っているようだ。
隣に一回り小さい雪だるまとさらに小さい雪だるまを三つ完成させてた。
「みて!家族の雪だるま!」
「これが、ハルおじさんでこっちがかー様」
「三つのだるまがこれが私たち。」
三姉妹はかわいく完成作品をおお喜びして、わしと流花に見せて褒めてもらえることに瞳を輝かせていると思うと微笑ましいが、
「でもね……」
と、三人同時にいって、鬼火に作らせた熱々の熱湯ヤカンを突然わしを模した雪だるまと流花の雪だるまに咲がぶっかけて、
「熱々な二人は溶けちゃうのーーー!」
と言って、思いっきり溶かした。
わしと流花はあまりの事に唖然とする。
「勿体無いけどそういうことなのー!」
「何バカなことやってんの!お前たち!」
突然の突拍子もないのことをする娘達に流花は理解すると顔を真っ赤にして怒鳴った。
流花と兄の娘三人は破茶滅茶に暴走しすぎるしマセすぎて大人たちより直接的で困る。
なんの能力もない普通の人間としてせっかく生まれてきたのに、三人集めると文殊の知恵なのか、悪知恵なのか、あやかし以上な強固な力を発揮する。
さらにルカの神は子供好きなのでこの子達にも加護を与えているとは言っていた。
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