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あやかしと神様の修学旅行
4☆ゲレンデがと溶ける程の仲直り
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白に輝き煌めく、なだらかなゲレンデにスキーを楽しみにしていた者たちは瞳を輝かせた。
葛葉子はスキーは初めてだったが、スキーを楽しみというよりか白狐の性分なのか雪遊びをしたかった。
スキーを滑るよりも実は、
《雪の中で獲物を探したくなるなっ!》
ウキウキ気分の半分の影響は菊の心だった。
葛葉子もスキーをやってみたい好奇心があったから構わないけれど…
今だに瑠香と仲違いしていることが気になる。
「葛葉子。ちょっといい?」
東親王殿下に手招きで呼ばれた。
「僕達はスキーやらないで、あやかし伝承探しに行ってくるからね」
「えっ、瑠香はスキーやらないの?」
東親王殿下が、スポーツ系嫌いなのでわかっていたけれど瑠香もやらないなんて思わなかった。
「スキーはもとからあまりやりたくなかったし、東親王殿下をお守りすることが優先だしな…」
「そうか…楽しみにしてたのはやっぱり私だけだったんだな…」
葛葉子はしゅん…としてしまう。
夫婦の営み以前に楽しみじゃないのは知っていたけれど、スキーをやりたくなかったとは…
(仲直りしたら一緒にスキー滑ってみたかったし、リフトにものりたかったなぁ…まぁお仕事だししかたないけど…)
葛葉子の悲しげな表情に瑠香は胸が痛くなる。
「葛葉子と修学旅行来れただけでも嬉しいよ。スキーは友達と楽しんで欲しい…」
「うん…そうする…」
瑠香は葛葉子の僅かな期待を裏切って心苦しい。
優しくしたいのに…喜ばせたいのに…つい自分本位な態度を取ったことが後悔になる。
悲しい顔させてしまった事にも罪に思える。
「スキーはできないけど、お土産や観光は二人っきりで回ろうな。約束だ」
と瑠香は小指を差し出して葛葉子の顔を覗き込むように優しく言った。
「うん…約束ね」
瑠香の小指に小指を引っ掛ける。
葛葉子は視線を下に向けていたが瑠香を上目目線でみつめる。
少し瞳が潤んでる。やっと会話できた嬉しさもある。
だけど中途半端は嫌だ。
「瑠香…キチンと仲直りしたい…」
「我儘言って困らせてごめん…」
「うん……瑠香、好き…大好きだよ…」
葛葉子は瑠香のコートを引っ張って、顔を引き寄せて唇に優しく軽いキスをして、唇を離すと、ヘヘッと微笑んで心が許せた。許された。
互いに微笑んで、今度は瑠香からもう一度抱きしめて少し長いキスをする。
「何かあったら呼んで…助けに行くから…」
「危険なんて、ないよ多分…」
「ならいいけど…」
そう言って互いに強く抱きしめ合ってまたキスをする。
「おーい。いい加減にしてよ!そんなに熱いとゲレンデ溶けちゃうよ」
あまりにも二人だけの甘い世界になっていたが東親王殿下はヤッホーをする仕草をして二人を現実に戻すために声をかけた。
「二人のための宿を取っておいてよかったよ。イチャイチャならそっちで思う存分やってよ。
今は学生として清く正しく美しく過ごすのが義務だよ?」
という、東親王殿下は学校行事と別行動をする気まんまんだ。
「葛葉子ー!スキーレッスン始まるよー早くー」
友達も声をかけてくれた。
「うん!瑠香っ、またねっ!」
「ああ」
手を振って元気よく別行動になった。
葛葉子も瑠香も仲直りできて気分が良くなりその気分はスキー場に広がったのだった。
葛葉子はスキーは初めてだったが、スキーを楽しみというよりか白狐の性分なのか雪遊びをしたかった。
スキーを滑るよりも実は、
《雪の中で獲物を探したくなるなっ!》
ウキウキ気分の半分の影響は菊の心だった。
葛葉子もスキーをやってみたい好奇心があったから構わないけれど…
今だに瑠香と仲違いしていることが気になる。
「葛葉子。ちょっといい?」
東親王殿下に手招きで呼ばれた。
「僕達はスキーやらないで、あやかし伝承探しに行ってくるからね」
「えっ、瑠香はスキーやらないの?」
東親王殿下が、スポーツ系嫌いなのでわかっていたけれど瑠香もやらないなんて思わなかった。
「スキーはもとからあまりやりたくなかったし、東親王殿下をお守りすることが優先だしな…」
「そうか…楽しみにしてたのはやっぱり私だけだったんだな…」
葛葉子はしゅん…としてしまう。
夫婦の営み以前に楽しみじゃないのは知っていたけれど、スキーをやりたくなかったとは…
(仲直りしたら一緒にスキー滑ってみたかったし、リフトにものりたかったなぁ…まぁお仕事だししかたないけど…)
葛葉子の悲しげな表情に瑠香は胸が痛くなる。
「葛葉子と修学旅行来れただけでも嬉しいよ。スキーは友達と楽しんで欲しい…」
「うん…そうする…」
瑠香は葛葉子の僅かな期待を裏切って心苦しい。
優しくしたいのに…喜ばせたいのに…つい自分本位な態度を取ったことが後悔になる。
悲しい顔させてしまった事にも罪に思える。
「スキーはできないけど、お土産や観光は二人っきりで回ろうな。約束だ」
と瑠香は小指を差し出して葛葉子の顔を覗き込むように優しく言った。
「うん…約束ね」
瑠香の小指に小指を引っ掛ける。
葛葉子は視線を下に向けていたが瑠香を上目目線でみつめる。
少し瞳が潤んでる。やっと会話できた嬉しさもある。
だけど中途半端は嫌だ。
「瑠香…キチンと仲直りしたい…」
「我儘言って困らせてごめん…」
「うん……瑠香、好き…大好きだよ…」
葛葉子は瑠香のコートを引っ張って、顔を引き寄せて唇に優しく軽いキスをして、唇を離すと、ヘヘッと微笑んで心が許せた。許された。
互いに微笑んで、今度は瑠香からもう一度抱きしめて少し長いキスをする。
「何かあったら呼んで…助けに行くから…」
「危険なんて、ないよ多分…」
「ならいいけど…」
そう言って互いに強く抱きしめ合ってまたキスをする。
「おーい。いい加減にしてよ!そんなに熱いとゲレンデ溶けちゃうよ」
あまりにも二人だけの甘い世界になっていたが東親王殿下はヤッホーをする仕草をして二人を現実に戻すために声をかけた。
「二人のための宿を取っておいてよかったよ。イチャイチャならそっちで思う存分やってよ。
今は学生として清く正しく美しく過ごすのが義務だよ?」
という、東親王殿下は学校行事と別行動をする気まんまんだ。
「葛葉子ー!スキーレッスン始まるよー早くー」
友達も声をかけてくれた。
「うん!瑠香っ、またねっ!」
「ああ」
手を振って元気よく別行動になった。
葛葉子も瑠香も仲直りできて気分が良くなりその気分はスキー場に広がったのだった。
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