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あやかしと神様になる前の話など

瑠香と葛葉子の誘拐事件☆2

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「そういえば、私たちも薫くらい小さい時に攫われたんだっけ……」
 葛葉子はお義母さんが言っていたことを思い出した。
 薫は今年で六歳だ。
 幼稚園に元気よく通う素直で元気で半妖の人間だからこそ桂よりも気を配る。
 桂は手間をあまりかけないいい子に育っているけれど霊力は瑠香以上に潜在している。
 ジジ様曰く阿倍野と香茂と黒御足の血筋が上手く混ざった結果だという。
 桂は時たま祖父に呪術を教わったり、野薔薇ちゃんと異界に迷い込んだりと密かなトラブルを巻き起こすことがある。
 その度に瑠香と葛葉子は助けに行くのだ。
「流石は、葛葉子の血を引いた我が子だな。」
 と、ニヤリと笑い意地悪を言う。
「瑠香に似てドスケベにならなくてよかったよ。」
 と、葛葉子もわざとニヤリと真似して言う。
「いや、成長したらどうなるか分からないぞ?」
「うん……そうだね。瑠香の子供だもんね……」
 二人はうーん……と真剣に考えた。
 そして葛葉子の心の中では、
(そこまで成長をみてみたいな……)
 と思う。
 そんな、葛葉子の肩を抱き寄せソファに誘い座る。
 そしてさらにぎゅっと抱き寄せる。
「ごめん。悪いこと言った……」
 瑠香は本気で反省をする。
「ううん。私もだし……」
 瑠香は葛葉子のおでこと頬に優しくキスをする。
 そうされると、いつもとても、幸せを感じる。
 これは純粋な行為のキスだ……そして昔の幼い頃の記憶が鮮明に蘇る。
「あ……昔攫われたことを思い出した。」
 いつも、ぼんやりは記憶にあったが、瑠香の記憶を消した作用で何かのきっかけで昔の記憶を思い出す事ができるのだ。
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