祈り姫

花咲蝶ちょ

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7☆発表会数分前

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 午後の授業になると授業参観のため大人がぞろぞろと入ってきた。
 父母宮は公務の予定があり来られない。


 けれどSPは目立つ。
 ガタイはいいしサングラスに黒背広。

 しかもカメラビデオまでもっている。
 きっと父母宮に頼まれたのだろう……

 ある意味恥ずかしい。

 父様母様が来てくれるよりも李流の顔の方が浮んでしまう。

 李流が来てくれたらなぁ……

 ふと廊下のほうを見るとひときわ若い父兄が慌てて廊下の影に隠れてしまった。

 法子に見つかると思い人ごみに李流は隠れた。

 どうしても気になってしまって来てしまったのだ。学校を休んでまで。

「りゅー兄さん。来てくれたんだー」
 ドキリと李流は体をちじこまらせた。
「も、桃都。ひさしぶり」

 法子が通う学習院にいとこの桃都がいることを思い出し前日に叔母に頼み父兄参観を代わりに来た。

 桃都はメガネの学級委員だ。

「法子さま発表できるようになったよ。りゅーにいの言う通り学校の先生は法子さまに発表されるのやみたいだね」

  小学生なのに大人びた難しい表情を作る。
 桃都に法子の発表する機会を後押ししてくれと李流が頼んでおいたのだ。

 桜庭桃都は李流の事をとても慕っていて李流の愛国勉強の最初の弟子でもある。
 李流の思想は桃都の父から教わった物もあるけれど今は単身赴任で離島で自衛隊長を赴任している。

 従兄弟の桃都とはとても気の合う間柄だ。
 可愛い従兄弟のの頭をよしよしとなでてやると年頃の子供のように微笑む。

「よく法子さまをフォローしてくれたありがとうな。これからも法子さまが学校に来たらよろしく頼むな」
「うん。今日の法子さまは気合い入ってていつもと違ってたよ。なんかほんとに皇族って感じでかっこよかった」

 法子さまは今日は人生をかけた戦いだって言っていた。
 そんな法子にした自分も法子の発表を観なくてはいけないと思っていた。
 一人で戦う法子様の支えになってあげたい、そば近くで観ているよと応援したいけれど、一番気が張っている時に李流がいることがバレると逆効果だと思いバレないようにしなくてはと遠くで見守ることにした。
 そう思って教室を眺めた時にゴングのごときに学校のチャイムが鳴り響いた。
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