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伝統の縁(でんとうのえにし)
14☆父の手作り衣装
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学校でも、雅楽の舞の練習を欠かせない。
昼食時に開放される屋上の隅っこで携帯から雅楽の音楽を流して練習をする。
雅楽の音色に合わせて、見事にぴったりな動きに二人の不思議な様子を見ていたものは拍手をした。
青海波は後の衣の長裾の翻りと袖を掴み舞う優雅さも重要だということで、本物とは言わないが、練習用の裾を引きずるほど長い狩衣を着て練習をする。
裾の翻りは舞楽では美しく見せるために練習がいる。
下手をすれば足に絡んで転ぶし、見苦しい。
学校でも練習用の衣装で絡まずに翻すことができるようになった。
その衣装は陰陽寮副長の瑠香が二人のために作ったものだった。
薫の父の瑠香は以外にも縫い物も洋服も手作りして作ることも簡単に出来てしまうので練習用の床を擦る裾の着物を作ってくれた。
「とーさんというよりか、昔からかーさんみたいだったな……」
瑠香は子供のためならなんでも率先してやってしまって、妻の葛葉子に何度も怒られた。
母的には親がいなくても独り立ちできるように躾たかったらしいが、子供が困っていると、すべて父がこっそり手伝ったりしていた。
母も口では怒っていたけれど子供たちに優しい父に惚れ直していたりした。
そしてさらにラブラブになっていった。
「かーさんが亡くなるまでの世話は、ほんっと離れないし、かいがいしかった…」
あの時のことを思うと切なくて胸が苦しい。
薫も兄の桂も父と一緒になって母の病を看病した。
治らないとわかっていればなおさらだった…
「……それほど情熱的な…思いを持ってるんだよ…あー見えて」
それを聞かされて李流は瑠香に憧れる。
「オレも瑠香様のようになりたい。」
李流は好きな人を一途に愛する姿勢に憧れる。
それだけではなく凛とした見た目の美しさにも…
「なりたいならドスケベにならなきゃ無理だからあきらめろ。」
李流の父を憧れる心を読んで苦笑いして言った。
「え?瑠香さまほど清らかなひといないじゃないか。」
本気でそう思っている…
まぁ、変な親父だと思われるよりはマシなので、
「正体バレないようにしろよ!」
と、父に後で忠告したことは言うまでもない。
昼食時に開放される屋上の隅っこで携帯から雅楽の音楽を流して練習をする。
雅楽の音色に合わせて、見事にぴったりな動きに二人の不思議な様子を見ていたものは拍手をした。
青海波は後の衣の長裾の翻りと袖を掴み舞う優雅さも重要だということで、本物とは言わないが、練習用の裾を引きずるほど長い狩衣を着て練習をする。
裾の翻りは舞楽では美しく見せるために練習がいる。
下手をすれば足に絡んで転ぶし、見苦しい。
学校でも練習用の衣装で絡まずに翻すことができるようになった。
その衣装は陰陽寮副長の瑠香が二人のために作ったものだった。
薫の父の瑠香は以外にも縫い物も洋服も手作りして作ることも簡単に出来てしまうので練習用の床を擦る裾の着物を作ってくれた。
「とーさんというよりか、昔からかーさんみたいだったな……」
瑠香は子供のためならなんでも率先してやってしまって、妻の葛葉子に何度も怒られた。
母的には親がいなくても独り立ちできるように躾たかったらしいが、子供が困っていると、すべて父がこっそり手伝ったりしていた。
母も口では怒っていたけれど子供たちに優しい父に惚れ直していたりした。
そしてさらにラブラブになっていった。
「かーさんが亡くなるまでの世話は、ほんっと離れないし、かいがいしかった…」
あの時のことを思うと切なくて胸が苦しい。
薫も兄の桂も父と一緒になって母の病を看病した。
治らないとわかっていればなおさらだった…
「……それほど情熱的な…思いを持ってるんだよ…あー見えて」
それを聞かされて李流は瑠香に憧れる。
「オレも瑠香様のようになりたい。」
李流は好きな人を一途に愛する姿勢に憧れる。
それだけではなく凛とした見た目の美しさにも…
「なりたいならドスケベにならなきゃ無理だからあきらめろ。」
李流の父を憧れる心を読んで苦笑いして言った。
「え?瑠香さまほど清らかなひといないじゃないか。」
本気でそう思っている…
まぁ、変な親父だと思われるよりはマシなので、
「正体バレないようにしろよ!」
と、父に後で忠告したことは言うまでもない。
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