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願いと妄想の夢違え
4☆シラスの国ウシハクの国のアリスの世界
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「夢の中の私の知っている人達はどうなっているのかの……?」
あの男とは出会いたくない気持ちもあるが、この、夢の中の宮殿宮中に夢の中とはいえ懐かしい顔があるかもしれないという好奇心が湧いた。
両陛下、父様、母様もそうだが、父の中務の宮の宮殿の隣に存在する、奥なる組織、陰陽寮の者達……
陰陽寮長の晴房に瑠香に習い修行をしているという李流に、李流に会ってみたい!
という感情が先立って部屋から飛び出した。
だが、夢の世界……現実の宮中とは違っていた……
日和国の宮殿というよりかイメージが西洋風なのは、夢であり皇族のイメージが西洋かぶれのせいなのか……と法子は思う。
芽維治につくられた西洋の宮殿を模した豪華な作りな宮殿になっていた……
法子はさらに不服だ。
皇族は日和の歴史の文化を尊重しているのに、教えられていないからこんなにも豪華で不遜な夢の世界を想像するのだと……
日和国の祝皇は国民の幸せを祈るため、伝統衣装に身を包み潔斎をして国民のために祈られる。
国民の前に出る時は西洋風の服装をなさるが、祭祀の時は古来の衣装をおめしになる。
そして宮殿宮中の奥で働く者達は古来日和国の服装に現代風に動きやすい服をアレンジして制服として支給している。
特に、陰陽寮、伝統衛士、巫女寮、雅楽寮と、古来からある奥に務める者達は伝統を維持し続けるのが勤めである。
本格的な行事祭祀のときは、本物の正装をする。
常に陛下のお傍に侍り務め、国民のために祈る祝皇陛下のサポートを欠かさぬ努力をするスペシャリスト達だ。
陛下は常に国と国民の安寧を祈り神に祈られておられる。
そして、国民も陛下をしたい皇室の反映と幸せを祈る。
それは、日和国建国以来から変わらぬ皇と国民の素晴らしい関係だ。
皇が民を思い、民が皇を思い信頼で成り立つ国を【シラス】の国と昔は言った。
力の支配者の権力の下に成り立つ国は、皇帝に国民は生殺与奪を握られている。
それを、古代では【ウシハク】と呼ばれている。
と、李流に教わったことを思い出す。
この夢の世界はウシハク世界をイメージされている西洋風の夢の世界だと納得いく。
それが常識だからこそ、権力を乱用する反日勢力に支配され政治体制で女性宮家、女系祝皇なるものを作りシラスの国を破壊されそうな危険な世界だと……
理解したとともに本当に現実になったら恐怖だと思う。
この世界が夢で良かったと思うほどに……
だが安心もしていられない……
祈り姫の夢に入り込んで正夢にしょうとしていること自体、とても由々しきことだ。
《祈り姫の夢を正夢にしようと目論むからこのような夢を見せているのだ……》
巫女として神の依代の法子にそう囁く声がする。
《この不遜なあやかしの夢から無事に逃れるのだ……》
神であり御先祖様の助言だと法子直感する。
(今はその声にしたがって逃げるしかない!これも天の助けだ!)
助言を聞いて油断した。
後ろから何者かに羽交い締めされた。
それは殺気を含んでいた……
顔を見なくても分かる……あの男に違いないと、法子は恐怖するのだった……
法子は習ったばかりの護身術で男を投げ飛ばして、とりあえず逃げる。
宮殿は色んな扉があって逃げるには事欠かないと思った。
だけど、限界がある!
現実の自分が目を覚ましたらこれはいつか現実になってしまうかもしれない……
《無事にこの夢を幸せに終わらせて逃げ仰せねばならぬと神が伝える……》
神、自ら救い出さない事は神も法子の夢の中の行く末を見守り試されている。
ハルの神やルカの神のように依り代に宿られ、皇室を守る神ではないと、直接手を下さないようだ。
「誰か!李流!たすけて!」
この夢に来て助けてくれる神はハルとルカの神と分かっているが、愛しの李流の助けを強く願うのだった。
あの男とは出会いたくない気持ちもあるが、この、夢の中の宮殿宮中に夢の中とはいえ懐かしい顔があるかもしれないという好奇心が湧いた。
両陛下、父様、母様もそうだが、父の中務の宮の宮殿の隣に存在する、奥なる組織、陰陽寮の者達……
陰陽寮長の晴房に瑠香に習い修行をしているという李流に、李流に会ってみたい!
という感情が先立って部屋から飛び出した。
だが、夢の世界……現実の宮中とは違っていた……
日和国の宮殿というよりかイメージが西洋風なのは、夢であり皇族のイメージが西洋かぶれのせいなのか……と法子は思う。
芽維治につくられた西洋の宮殿を模した豪華な作りな宮殿になっていた……
法子はさらに不服だ。
皇族は日和の歴史の文化を尊重しているのに、教えられていないからこんなにも豪華で不遜な夢の世界を想像するのだと……
日和国の祝皇は国民の幸せを祈るため、伝統衣装に身を包み潔斎をして国民のために祈られる。
国民の前に出る時は西洋風の服装をなさるが、祭祀の時は古来の衣装をおめしになる。
そして宮殿宮中の奥で働く者達は古来日和国の服装に現代風に動きやすい服をアレンジして制服として支給している。
特に、陰陽寮、伝統衛士、巫女寮、雅楽寮と、古来からある奥に務める者達は伝統を維持し続けるのが勤めである。
本格的な行事祭祀のときは、本物の正装をする。
常に陛下のお傍に侍り務め、国民のために祈る祝皇陛下のサポートを欠かさぬ努力をするスペシャリスト達だ。
陛下は常に国と国民の安寧を祈り神に祈られておられる。
そして、国民も陛下をしたい皇室の反映と幸せを祈る。
それは、日和国建国以来から変わらぬ皇と国民の素晴らしい関係だ。
皇が民を思い、民が皇を思い信頼で成り立つ国を【シラス】の国と昔は言った。
力の支配者の権力の下に成り立つ国は、皇帝に国民は生殺与奪を握られている。
それを、古代では【ウシハク】と呼ばれている。
と、李流に教わったことを思い出す。
この夢の世界はウシハク世界をイメージされている西洋風の夢の世界だと納得いく。
それが常識だからこそ、権力を乱用する反日勢力に支配され政治体制で女性宮家、女系祝皇なるものを作りシラスの国を破壊されそうな危険な世界だと……
理解したとともに本当に現実になったら恐怖だと思う。
この世界が夢で良かったと思うほどに……
だが安心もしていられない……
祈り姫の夢に入り込んで正夢にしょうとしていること自体、とても由々しきことだ。
《祈り姫の夢を正夢にしようと目論むからこのような夢を見せているのだ……》
巫女として神の依代の法子にそう囁く声がする。
《この不遜なあやかしの夢から無事に逃れるのだ……》
神であり御先祖様の助言だと法子直感する。
(今はその声にしたがって逃げるしかない!これも天の助けだ!)
助言を聞いて油断した。
後ろから何者かに羽交い締めされた。
それは殺気を含んでいた……
顔を見なくても分かる……あの男に違いないと、法子は恐怖するのだった……
法子は習ったばかりの護身術で男を投げ飛ばして、とりあえず逃げる。
宮殿は色んな扉があって逃げるには事欠かないと思った。
だけど、限界がある!
現実の自分が目を覚ましたらこれはいつか現実になってしまうかもしれない……
《無事にこの夢を幸せに終わらせて逃げ仰せねばならぬと神が伝える……》
神、自ら救い出さない事は神も法子の夢の中の行く末を見守り試されている。
ハルの神やルカの神のように依り代に宿られ、皇室を守る神ではないと、直接手を下さないようだ。
「誰か!李流!たすけて!」
この夢に来て助けてくれる神はハルとルカの神と分かっているが、愛しの李流の助けを強く願うのだった。
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