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未来の縁
4☆願望
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闇の力と神の力の煌めきを腕に纏いカラスを父に向ける。
「ふっ…」
そのカラスを片手でひと掴みにし手の中に渦を巻いて吸収する。
「お前の力はその程度か?」
心の奥でまだ父を尊敬しているからだろうかと威津那は冷静に自問する。
「焔に見せたくらいの本気の闇の力を引き出せるはずだ……」
「きゃっ!」
瞬間移動した八那果は橘の細い首を掴んで不敵な笑みをする。
「この九尾……安倍野の娘を私のものにすれば本気を出すのか?」
「やめろ!ッ!?」
威津那の体は金縛りで動けなくなっていた。
原因の呪力を探れば一族が縛りの術を唱えていた。
力ある一族に縛りの呪いを一斉に威津那にかけて神の力を得たとしても身動きを封じられ焦る。
それは菊…橘も同じのようだった。
「やだっ…威津那、以外は、もう、いやっ……」
菊は八那果がどうしても怖くて橘と意識を無理やり後退したようだが、橘の意識はまだうつろな状態だった。
「橘っ!」
「まずは、計画通り九尾を私の管狐としてやろう……」
父は橘の頬から肩を撫で下ろし腰を引き寄せる。
そして、舌をワザとらしく出す。
舌には梵字が書かれ、どんな者でも意に従わせることができる。
その舌を橘の必死の抵抗で引き絞った唇に這わせようとした瞬間、威津那の影からブワッと闇がボコボコとマグマのように地面から噴き上がる。
闇のマグマの影は動き勢い八那果を覆いかぶさり捉えた。
八那果は威津那の神誓いした本気の力に飲まれ、溶けてなくなるはずだった。
「なっ……!」
黒いマグマは八那果の形を保ったままだった。
そして、そのまま威津那の闇の力を体の中に吸い取る。
威津那はハッと我に返り力を止めようとするが、止めされないように父は威津那の能力と神誓した能力を身に吸い取り続け離さない。
「お前がその力を得るのを待っていた……いや私は見えていたのだ!」
八那果は高笑いをして、
「この娘を九尾にするにはお前のこの力を我のものにするためだったのだよ……!」
橘を、引き寄せてよくやったと言うように頭を撫でる。
橘に触れる父に威津那は腹が立ち力を込めて消滅させることを思うがなおさら吸収された。
「この娘に本気に恋をして威津那の心が壊れた時……その力が発揮されるのを見た。」
八那果は橘を用済みだと言うように威津那の方に突き飛ばす。
威津那は橘を受け止めて離れないように腰を引き寄せ片手で抱き締める。
「威津那……」
橘も呪縛が解けたのか威津那に身を震えながら寄せ抱きつく。
さらにぎゅっと抱きしめると、黒い力は消えた。
八那果は赤黒い瞳で二人を見て瞳でじっと見つめ、憐れむ表情になる。
「その娘は、お前の心を揺るがす諸刃の剣だな……その娘の命が尽きた時…お前は私の気持ちが理解できるのだろうな……」
威津那もそのことは自覚している。
だが、ともに陛下の平和の祈りのもと日和国で幸せに生きたい過ごしたいという願いが強い信念で曲げることはない。
それが威津那の芯なのだから。
そしてそれこそ叶う力になると確信する。
「本当にお前たち二人が平和に暮らせるのか私の見る未来を見せてやろう……」
それは威津那に更なる絶望を与えて従わせるためだ。
威津那は唯一の後継者簡単に手放すことはしたくないのだ。
どうしても威津那を従わせたい。
狂って威津那の力を見ればその思いは願望がどうしても強くなる。
八那果は威津那の未来を見る瞳の能力をさらに引き出すために、瞬間移動して赤黒い瞳を合わせた。
「ふっ…」
そのカラスを片手でひと掴みにし手の中に渦を巻いて吸収する。
「お前の力はその程度か?」
心の奥でまだ父を尊敬しているからだろうかと威津那は冷静に自問する。
「焔に見せたくらいの本気の闇の力を引き出せるはずだ……」
「きゃっ!」
瞬間移動した八那果は橘の細い首を掴んで不敵な笑みをする。
「この九尾……安倍野の娘を私のものにすれば本気を出すのか?」
「やめろ!ッ!?」
威津那の体は金縛りで動けなくなっていた。
原因の呪力を探れば一族が縛りの術を唱えていた。
力ある一族に縛りの呪いを一斉に威津那にかけて神の力を得たとしても身動きを封じられ焦る。
それは菊…橘も同じのようだった。
「やだっ…威津那、以外は、もう、いやっ……」
菊は八那果がどうしても怖くて橘と意識を無理やり後退したようだが、橘の意識はまだうつろな状態だった。
「橘っ!」
「まずは、計画通り九尾を私の管狐としてやろう……」
父は橘の頬から肩を撫で下ろし腰を引き寄せる。
そして、舌をワザとらしく出す。
舌には梵字が書かれ、どんな者でも意に従わせることができる。
その舌を橘の必死の抵抗で引き絞った唇に這わせようとした瞬間、威津那の影からブワッと闇がボコボコとマグマのように地面から噴き上がる。
闇のマグマの影は動き勢い八那果を覆いかぶさり捉えた。
八那果は威津那の神誓いした本気の力に飲まれ、溶けてなくなるはずだった。
「なっ……!」
黒いマグマは八那果の形を保ったままだった。
そして、そのまま威津那の闇の力を体の中に吸い取る。
威津那はハッと我に返り力を止めようとするが、止めされないように父は威津那の能力と神誓した能力を身に吸い取り続け離さない。
「お前がその力を得るのを待っていた……いや私は見えていたのだ!」
八那果は高笑いをして、
「この娘を九尾にするにはお前のこの力を我のものにするためだったのだよ……!」
橘を、引き寄せてよくやったと言うように頭を撫でる。
橘に触れる父に威津那は腹が立ち力を込めて消滅させることを思うがなおさら吸収された。
「この娘に本気に恋をして威津那の心が壊れた時……その力が発揮されるのを見た。」
八那果は橘を用済みだと言うように威津那の方に突き飛ばす。
威津那は橘を受け止めて離れないように腰を引き寄せ片手で抱き締める。
「威津那……」
橘も呪縛が解けたのか威津那に身を震えながら寄せ抱きつく。
さらにぎゅっと抱きしめると、黒い力は消えた。
八那果は赤黒い瞳で二人を見て瞳でじっと見つめ、憐れむ表情になる。
「その娘は、お前の心を揺るがす諸刃の剣だな……その娘の命が尽きた時…お前は私の気持ちが理解できるのだろうな……」
威津那もそのことは自覚している。
だが、ともに陛下の平和の祈りのもと日和国で幸せに生きたい過ごしたいという願いが強い信念で曲げることはない。
それが威津那の芯なのだから。
そしてそれこそ叶う力になると確信する。
「本当にお前たち二人が平和に暮らせるのか私の見る未来を見せてやろう……」
それは威津那に更なる絶望を与えて従わせるためだ。
威津那は唯一の後継者簡単に手放すことはしたくないのだ。
どうしても威津那を従わせたい。
狂って威津那の力を見ればその思いは願望がどうしても強くなる。
八那果は威津那の未来を見る瞳の能力をさらに引き出すために、瞬間移動して赤黒い瞳を合わせた。
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