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九尾の復活
5☆威津那の本当の力(注:暴力的表現あります)
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「遅かったな…威津那…」
焔は待ちに待ったというように両手を広げて歓迎する。
周りには数十人の黒づくめの男たちが刃を向けてこちらを警戒する。
その背後には真っ裸の橘が壁の鎖にしばられている。
その様子に眉間を皺寄せ皆息を呑む。
煌々と照らされた松明に明らかになる全裸の橘の体はボロ雑巾のように無惨な姿にされぐったりとしている。
前髪で顔がよく見えないが、酷いことになっているだろうと嫌な想像をしてしまう。
白い肌に隈なく青黒く赤黒い痣だらけだ。
足の骨も折れているようだ。
血すら滲んでボロボロで、全部の指先すら、爪を剥がされ折られ哀れすぎる……
「ああっ!橘っ!橘っ!たちばなぁぁぁあ!」
咲羅子は怒りを通り過ぎて哀れすぎてその場に泣き崩れる。
この世の残忍さを見てしまった咲羅子は気丈ぶりの糸が切れて泣き叫ぶ。
そんな彼女を季節は支え、焔を確実に葬っても良い存在だと確信する。
泣き叫ぶ咲羅子を見て焔は悦に入った笑みをして、
「ああ、安心して、まだ息はある…あと、九尾にする為に処女のままだ…」
鎖を外してぐったりした橘の前髪を乱暴に掴み顔を見せる。
喉元を見ると呪詛で縛られているとわかるように首輪のように細い狐が巻き付いている。
声が出せないが、橘は口をぱくぱくと動かしている。
それはもう気力というものでだ……
「だけど、この中の感度はいいんだよな……」
橘の乳房を鷲掴み、切られて血を流す乳首を舐めて、ぐいっと遠慮なく股を開かされて指を入れて動かされて、びくりと反応する。
橘は疲れきって朦朧としていた意識が戻る……
霞む目に威津那が映る。
(目の前に、威津那がいる……)
だけど声が出ない…抵抗もできないほど体のあちこち痛い……
(こんな恥ずかしい姿見せたくなかった……みせるなら威津那だけに見せたかった……)
媚薬のせいで自制が効かずに体をくねらす姿なんて見せたくなかった……
「お前の目の前で入れてやりたいくらいに……お前を絶望させるなら今すぐ奪ってもいいかもなぁ!」
焔は声を大きくして高笑いして挑発する。
その瞬間、空間に闇が広がる。
松明で伸びる威津那の陰から闇が蠢き手が現れる。
この場で残虐に呪詛にされた人々の念も混じる。
その手は黒づくめの男たちどころじゃなく高良、槐寿、咲羅子にも及ぶほど、だが季節には闇は近づけずにいる。
そのことに気づいた季節は仲間たちに自分を触れさせると闇はズズズと音をたてて、黒づくめの方に向かって地面に飲み込んだ。
《私の力と重なり荒御魂が生まれたか……それが本来のお前の力だ…存分に使って見ろ……》
と、ハル神が苦笑するのが聞こえたが関係ない……全ての力をかけて……焔を葬る。
「……殺す…殺す…殺す…」
威津那は静かに呟き全身の血が冷えて冷めるほど自らの怒りを感じる。
人は本気で許せない時には頭も一時期冷静になって怒りが心の中で沸騰する。
「いやっ、季節こわい!怖いわ!」
橘が酷いことされているのを見て恐るのとは違う恐ろしさ…魂から喰われるという恐怖がこの場にいるものたちは感じる身動きできない。
「威津那殿はやはり危険な方だな……」
槐寿は姑獲鳥の時を思い出す。
だがあれは自らの体に力として入れていたが、その力を逆に放出しているのだから手に負えない…むしろ神の力も混ざり身動きできない
あの時の比じゃないほど魂まで喰らうほどの底知れぬ闇の力だ。
「すごいな……すごいよ!威津那!父上……それ以上の力だ!九尾なんかいらないほどだぁ!」
焔も闇に慄いたがその威津那の力に興奮する。
そんな焔の声に威津那は鋭い殺気を込めた赤い瞳で睨み、手に闇の刀を作り出し焔の喉元を狙うが一瞬避けて、橘の後ろ首を掴み盾にする。
威津那の動きはピタリと止まる。
「お前に…この愛おしい女を殺せるのか……いや、むしろ留めを刺して楽にしてやったらどうだ?」
焔はニヤリと笑う。
「そのためにこの女を虫の息ほどには生かしてやっていた……お前の見た未来を実現させるためにな……父の先見を実現させるために……」
焔は待ちに待ったというように両手を広げて歓迎する。
周りには数十人の黒づくめの男たちが刃を向けてこちらを警戒する。
その背後には真っ裸の橘が壁の鎖にしばられている。
その様子に眉間を皺寄せ皆息を呑む。
煌々と照らされた松明に明らかになる全裸の橘の体はボロ雑巾のように無惨な姿にされぐったりとしている。
前髪で顔がよく見えないが、酷いことになっているだろうと嫌な想像をしてしまう。
白い肌に隈なく青黒く赤黒い痣だらけだ。
足の骨も折れているようだ。
血すら滲んでボロボロで、全部の指先すら、爪を剥がされ折られ哀れすぎる……
「ああっ!橘っ!橘っ!たちばなぁぁぁあ!」
咲羅子は怒りを通り過ぎて哀れすぎてその場に泣き崩れる。
この世の残忍さを見てしまった咲羅子は気丈ぶりの糸が切れて泣き叫ぶ。
そんな彼女を季節は支え、焔を確実に葬っても良い存在だと確信する。
泣き叫ぶ咲羅子を見て焔は悦に入った笑みをして、
「ああ、安心して、まだ息はある…あと、九尾にする為に処女のままだ…」
鎖を外してぐったりした橘の前髪を乱暴に掴み顔を見せる。
喉元を見ると呪詛で縛られているとわかるように首輪のように細い狐が巻き付いている。
声が出せないが、橘は口をぱくぱくと動かしている。
それはもう気力というものでだ……
「だけど、この中の感度はいいんだよな……」
橘の乳房を鷲掴み、切られて血を流す乳首を舐めて、ぐいっと遠慮なく股を開かされて指を入れて動かされて、びくりと反応する。
橘は疲れきって朦朧としていた意識が戻る……
霞む目に威津那が映る。
(目の前に、威津那がいる……)
だけど声が出ない…抵抗もできないほど体のあちこち痛い……
(こんな恥ずかしい姿見せたくなかった……みせるなら威津那だけに見せたかった……)
媚薬のせいで自制が効かずに体をくねらす姿なんて見せたくなかった……
「お前の目の前で入れてやりたいくらいに……お前を絶望させるなら今すぐ奪ってもいいかもなぁ!」
焔は声を大きくして高笑いして挑発する。
その瞬間、空間に闇が広がる。
松明で伸びる威津那の陰から闇が蠢き手が現れる。
この場で残虐に呪詛にされた人々の念も混じる。
その手は黒づくめの男たちどころじゃなく高良、槐寿、咲羅子にも及ぶほど、だが季節には闇は近づけずにいる。
そのことに気づいた季節は仲間たちに自分を触れさせると闇はズズズと音をたてて、黒づくめの方に向かって地面に飲み込んだ。
《私の力と重なり荒御魂が生まれたか……それが本来のお前の力だ…存分に使って見ろ……》
と、ハル神が苦笑するのが聞こえたが関係ない……全ての力をかけて……焔を葬る。
「……殺す…殺す…殺す…」
威津那は静かに呟き全身の血が冷えて冷めるほど自らの怒りを感じる。
人は本気で許せない時には頭も一時期冷静になって怒りが心の中で沸騰する。
「いやっ、季節こわい!怖いわ!」
橘が酷いことされているのを見て恐るのとは違う恐ろしさ…魂から喰われるという恐怖がこの場にいるものたちは感じる身動きできない。
「威津那殿はやはり危険な方だな……」
槐寿は姑獲鳥の時を思い出す。
だがあれは自らの体に力として入れていたが、その力を逆に放出しているのだから手に負えない…むしろ神の力も混ざり身動きできない
あの時の比じゃないほど魂まで喰らうほどの底知れぬ闇の力だ。
「すごいな……すごいよ!威津那!父上……それ以上の力だ!九尾なんかいらないほどだぁ!」
焔も闇に慄いたがその威津那の力に興奮する。
そんな焔の声に威津那は鋭い殺気を込めた赤い瞳で睨み、手に闇の刀を作り出し焔の喉元を狙うが一瞬避けて、橘の後ろ首を掴み盾にする。
威津那の動きはピタリと止まる。
「お前に…この愛おしい女を殺せるのか……いや、むしろ留めを刺して楽にしてやったらどうだ?」
焔はニヤリと笑う。
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