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襲撃
決別の過去
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真っ暗な未来が見えていた父は絶望し陛下を裏切った。
そして,レッドスパイの異能軍団の長にまでなった。
日和は世界の闇の組織にはめられて敗戦に至ることまで見えていた。
史上最凶の核兵器を落とされた世界中が恐々とすることも……
人が作った兵器よりも、星を作りし神やあやかしの力を解放して日和を守る事を阿部野も陛下も良しとしなかったのが日和の滅亡につながっているのだ……
外国の奴らは皇のいない混沌の日和にしようと企みじっくりと日和を穢し続ける計画なのだ……
陛下の人柄に一時期でも皇がいなくなる事を防げても、日和そのものが変わってしまう……皇すらも……
私は美しい日和国を守りたい…今でも強く思う……
日和がボロボロにされたのは陛下が我ら闇の者の力を抑えたからだ……
本当の混沌に世界を陥れさせれば日和は守れた。
闇の者の力を使わなかったから、人間の非力な力で解決しようとするからだ。
この世には……いや、今後、魔の者の世界は現世の世界には存在出来なくなるだろう。
その分深い深い闇が出来上がり抜け出せなくなる世界ができる。
均衡をそれで保とうとするのなら尚更だ。
我ら、黒御足が世界を牛耳れば、星は、世界は、日和は守られる。
世界の夜明けの光は祝皇陛下だと世界中の人間を跪く様が赤い瞳で見えたのに……
陛下が星の長を辞するというのならば、影である我ら一族が表に立つしかないではないか……
と、黒御足八那果は胸に抱く怒りと志で決意を強く揺るがない。
「なぁ…?私の愛しの息子…焔…」
父の八那果は、玉座に腰掛け、父に跪き距離を取る焔を愛おしげに微笑み、そば近くに呼び寄せる。
そして、もう立派な大人である焔を抱き寄せ愛しむ。
焔は父に抱擁されてとても幸せだ。
父の命令、父の言葉、父の全ては絶対正しく、それ以外のものどもはゴミだ。
『力ある妖狐の尻尾で九尾を作り、宮中を穢し、あやかしの姫と、あやかしの棟梁である阿部野を手中に収めろ。』
そして、九尾を復活させるのだ。
さすれば、我らの世が来る事だろう。
日和を守るために必要な事なのだよ……
「と、命令したのにあっさり裏切りおって…威津那め……」
ふふっと父は困った息子が可愛い悪戯した時のように笑う。
「……威津那に怒ってないよね?ずるいよ……」
焔は子供のように素直にむすっとする。
「俺には本気で怒るくせに……」
「焔はやりすぎな時が多いからな……」
ぽんと頭を軽く叩く温かさに焔は嬉しさで頬が綻ぶ。
今は父と二人きり、子供返りしても構わない。
この様子を見たのならば口封じを確実にするつもりだが…
「我らに従わない民衆を力で従わせればいいことなのに…従わせる前に命を奪うからだろ。」
父は甘い。
独特な慈愛という人をたらし込む雰囲気を持った人だ。
人を魅了する。
そんな父を焔は手を血で穢させたくないと思ってしまう。
「レッドスパイはそんな組織だろ?従わないものは自己批判しなきゃ。」
組織の教えというより焔の魂に刻まれている狂気に従っているだけだと父はきずいているし諦めている。
「お前はレッドスパイの申し子のようなものだな。」
威津那もそうだったのだがな…
「全ては皇の温情の賜物か…」
「父さんって……本当は皇が好きなくせに…」
焔は父の本心を突く。
「……壊れゆく日和になるくらいなら、私がこの手で下したい…それだけだ……」
それも本心でここまでの組織にしてきた。
レッドスパイの上層部も父を一目置いて、レッドスパイ傘下の祝皇にしようとしている。
父の八那果はレッドスパイになんかに従う器じゃない…
「父さんこそ皇に相応しいんだ。」
いつもふざけた焔は真剣な顔で言う。
「そのためなら…父さんは手を下さなくて良い…俺が全て穢れを受けるよ……」
焔は父の手を愛おしく頬擦りをする。
「お前は良い子だな……本当に……」
父もそれに応えてくれたことが独り占めできた幸せが焔の信じる全てだ。
(そう、父のために、邪魔するものは排除する。)
裏切り者の威津那が心を癒す全てのものもだ……
それこそが我ら異能者の黒御足の力になり得るのだから…
だから父のため容赦なく実行をするのだ。
そして,レッドスパイの異能軍団の長にまでなった。
日和は世界の闇の組織にはめられて敗戦に至ることまで見えていた。
史上最凶の核兵器を落とされた世界中が恐々とすることも……
人が作った兵器よりも、星を作りし神やあやかしの力を解放して日和を守る事を阿部野も陛下も良しとしなかったのが日和の滅亡につながっているのだ……
外国の奴らは皇のいない混沌の日和にしようと企みじっくりと日和を穢し続ける計画なのだ……
陛下の人柄に一時期でも皇がいなくなる事を防げても、日和そのものが変わってしまう……皇すらも……
私は美しい日和国を守りたい…今でも強く思う……
日和がボロボロにされたのは陛下が我ら闇の者の力を抑えたからだ……
本当の混沌に世界を陥れさせれば日和は守れた。
闇の者の力を使わなかったから、人間の非力な力で解決しようとするからだ。
この世には……いや、今後、魔の者の世界は現世の世界には存在出来なくなるだろう。
その分深い深い闇が出来上がり抜け出せなくなる世界ができる。
均衡をそれで保とうとするのなら尚更だ。
我ら、黒御足が世界を牛耳れば、星は、世界は、日和は守られる。
世界の夜明けの光は祝皇陛下だと世界中の人間を跪く様が赤い瞳で見えたのに……
陛下が星の長を辞するというのならば、影である我ら一族が表に立つしかないではないか……
と、黒御足八那果は胸に抱く怒りと志で決意を強く揺るがない。
「なぁ…?私の愛しの息子…焔…」
父の八那果は、玉座に腰掛け、父に跪き距離を取る焔を愛おしげに微笑み、そば近くに呼び寄せる。
そして、もう立派な大人である焔を抱き寄せ愛しむ。
焔は父に抱擁されてとても幸せだ。
父の命令、父の言葉、父の全ては絶対正しく、それ以外のものどもはゴミだ。
『力ある妖狐の尻尾で九尾を作り、宮中を穢し、あやかしの姫と、あやかしの棟梁である阿部野を手中に収めろ。』
そして、九尾を復活させるのだ。
さすれば、我らの世が来る事だろう。
日和を守るために必要な事なのだよ……
「と、命令したのにあっさり裏切りおって…威津那め……」
ふふっと父は困った息子が可愛い悪戯した時のように笑う。
「……威津那に怒ってないよね?ずるいよ……」
焔は子供のように素直にむすっとする。
「俺には本気で怒るくせに……」
「焔はやりすぎな時が多いからな……」
ぽんと頭を軽く叩く温かさに焔は嬉しさで頬が綻ぶ。
今は父と二人きり、子供返りしても構わない。
この様子を見たのならば口封じを確実にするつもりだが…
「我らに従わない民衆を力で従わせればいいことなのに…従わせる前に命を奪うからだろ。」
父は甘い。
独特な慈愛という人をたらし込む雰囲気を持った人だ。
人を魅了する。
そんな父を焔は手を血で穢させたくないと思ってしまう。
「レッドスパイはそんな組織だろ?従わないものは自己批判しなきゃ。」
組織の教えというより焔の魂に刻まれている狂気に従っているだけだと父はきずいているし諦めている。
「お前はレッドスパイの申し子のようなものだな。」
威津那もそうだったのだがな…
「全ては皇の温情の賜物か…」
「父さんって……本当は皇が好きなくせに…」
焔は父の本心を突く。
「……壊れゆく日和になるくらいなら、私がこの手で下したい…それだけだ……」
それも本心でここまでの組織にしてきた。
レッドスパイの上層部も父を一目置いて、レッドスパイ傘下の祝皇にしようとしている。
父の八那果はレッドスパイになんかに従う器じゃない…
「父さんこそ皇に相応しいんだ。」
いつもふざけた焔は真剣な顔で言う。
「そのためなら…父さんは手を下さなくて良い…俺が全て穢れを受けるよ……」
焔は父の手を愛おしく頬擦りをする。
「お前は良い子だな……本当に……」
父もそれに応えてくれたことが独り占めできた幸せが焔の信じる全てだ。
(そう、父のために、邪魔するものは排除する。)
裏切り者の威津那が心を癒す全てのものもだ……
それこそが我ら異能者の黒御足の力になり得るのだから…
だから父のため容赦なく実行をするのだ。
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