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九尾の狐の菊の陰謀
21☆幸せなもの守りたいもの☆エンド☆
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一件落着して、橘と威津那は陰陽寮ではなく阿倍野屋敷にカラスに乗って直帰した。
「陰陽寮じゃなくて、威津那のお部屋で色々お話ししたいし…口付け…してほしい……」
威津那は顔を真っ赤にする。
「うん。キスしよう」
「キス?向こうの言葉嫌いでしょ?
まぁ、私も何回も普通にキスっていってたけど…」
「それは良いことにしようかな…それに、キスの反対は好きでしょ?」
威津那は欧米語は嫌いだが、直接『口付け』という言葉は生々しくて恥ずかしい。
なので、キスという事はいい物だなと思うようになった。
「いっぱいキスして……私も、いっぱいキスするから」
威津那は殿下とお話したドキドキと違うドキドキで胸が高鳴る。
もしかして、今夜は順序は違うが、一夜過ごすかもしれない。
白狐にしないための運命を変えるなら結ばれることが簡単なのかもしれない。
橘を愛することが皇室を裏切らないし全てを守る覚悟にもなる……きっと……
玄関に入る前に、威津那は橘に向き直り、肩に手を置いて真剣な顔で、
「陰陽寮長に殺される覚悟できたよ」
「……………もう、もっと色っぽい言葉欲しいって言ったじゃない……」
と言って、仕方ないわね…というように苦笑して、威津那の首に手をかけて、
「私はずっと待ってたんだから……」
そう耳元で囁いて頬にキスをする。
「口じゃないの?」
威津那は残念そうな顔をする。
「それは威津那さんからしてよ…私だって恥ずかしいしドキドキしてるんだから…」
橘はもじもじする。
その様子も可愛らしい。
意を決して、屋敷の扉を開くと晴綛がボコボコになっていた。
その後ろには黒い炎が揺らめいていた。
「どうしたの⁉︎かーさま!黒いオーラ出しちゃって⁉︎」
玄関で虫の息のような父と黒いオーラを背に揺らめかす恐ろしい光景が目に入って、甘い雰囲気は、一瞬のうちに消え去った。
「まさか、お義母さんも闇を身に秘めていたとは……」
「あまりにもこの人が橘が妃になるとか、寝ぼけたことを言っているので、折檻してやったところなのです!何やら…怪しげな強い妖気にやられているようなので、久々に…ね。」
か細い拳の指をパキパキと鳴らしてにっこり三日月形に口元を歪める流花に、威津那は恐怖を感じた。
自分と似ているけれど、何か違うむしろ鬼の女将の本性のような恐ろしさだ。
ガタイが良く長身の晴綛をよくここまでボコボコにしたなと、思う。
か弱い女の腕力で殴ったとも思えないほどの顔のボコボコ感だった。
「橘が殿下の妃になるとか寝ぼけたことをほざいていたので頭の中の記憶を物理的に消し去ってあげたのです。」
むしろ命すらも消し去られそうだと威津那は思う。
「あ、宮中にいた人たちの記憶は解けだけど一時帰宅していた人たちの催眠は解けてないかも……」
これはまた菊におきてもらわなくてはと思う。
「いや、もう、途中で気がついたのだが……流花のあやかしに対する『狂気反応』が半端なくてな……ルカの神の本体の宿る身なのだから仕方ないがな……」
晴綛は気がついたようだ。
「まぁ、やっと正常にもどりましたのね、よかった」
何事もなかったかのように明るい声を出して流花は微笑む。
(こわいっ!)
橘と威津那は青ざめる。
一番怒らせたらいけない人だと認識する。
流花は晴綛に手をかざすと、淡い光が現れてボコボコな晴綛から負傷の跡が消える。
「お義母さんすごい力を持っているんだね……」
威津那は感嘆する。
「これ、神の化身の力なのよね」
「お前も、神の化身の器になればこのくらい簡単にできる。」
晴綛はニヤニヤして、
「器になるために、橘と結ばれること禁止な。
神を宿すまで…いや、宿した後も身をしばらくは清く保つのだ!」
と、晴綛の狐耳には玄関の会話が聞こえていて、これ見よがしに意地悪をいう。
「………僕がボコボコにしてもいいですか?娘さんを好きにするために…」
威津那の赤い瞳は本気だった。
「今ならあなたに勝てる気がするんですよね……」
「まだまだ、腹黒い所があるのぉ……もう少し先送りにしてやっても良いのだぞ?」
と言って小指を見せる。
威津那はハーっとため息を吐く。
「わかりました。ごめんね、橘…」
「うん、私が父様をどうにかしておくわ…」
「ふははは!殿下と結ばれるのならば娘の貞操を守るのを諦めつくが、ワシが目の黒いうちは娘を簡単にはやらん!という父親心をわかってくれ!」
といって本心を言った。
「もう、今日のところは諦めるわよ……ね?」
「うん…」
と威津那は頷きながら橘の背を抱き寄せ、
「んんっ…」
威津那は両親の前で橘と口付けを見せつけてやった。
「ふ、ふん!それくらいなら許してやる!もうワシ寝る!お前らも別々の部屋で寝ろ!いいな!」
ドスドス怒りの足音を立てて自室でいじけるようだ。
「ふふ。わかってあげてね。なるべく早く許しがでるようにお願いしておくから」
流花に言われると逆らう事は危険だと威津那は察して。
「はい。分かってます」
素直に従うことにした。
「今日は何かと大変で私、つかれちゃったわ……」
そう言って欠伸をする。
「そうだね…ふふ」
威津那は口元を緩めて笑った。
「何か楽しい事あった?」
威津那が思い出し笑いをしたのが橘は気になる。
「陰陽寮もそうだけど、阿部野屋敷も賑やかで楽しいね…」
威津那は橘と結ばれる事は今日は諦めるけれど、
(大切な皇室や家族恋人のことを考える一日になったなぁ……)
と、しみじみ思うのと守りたい…大切な物と,改で認識をしたのだった。
☆☆☆
黒御足の屋敷の暗闇の中、焔は威津那と同じように微笑み、
「そんな、威津那の幸せをぶっ壊すのが楽しみだなぁ……」
焔は瞳を閉じながら威津那の行動ら見てきた物を全て覗いていた。
焔の瞳は先見はできないが、威津那の見てきた物行動全て同じ物を見ることができる力を持っていた。
それは威津那は知らない事だった。
威津那には黙っていろと父に言われた事は正解。
父のいう事は正しいのだとさらに実感を湧く。
「その幸せを俺が握りつぶすのを待っていて……俺だけの愛しの威津那…フハハ!」
焔は不吉の笑いをさらに、けたたましく響かせるのだった。
「陰陽寮じゃなくて、威津那のお部屋で色々お話ししたいし…口付け…してほしい……」
威津那は顔を真っ赤にする。
「うん。キスしよう」
「キス?向こうの言葉嫌いでしょ?
まぁ、私も何回も普通にキスっていってたけど…」
「それは良いことにしようかな…それに、キスの反対は好きでしょ?」
威津那は欧米語は嫌いだが、直接『口付け』という言葉は生々しくて恥ずかしい。
なので、キスという事はいい物だなと思うようになった。
「いっぱいキスして……私も、いっぱいキスするから」
威津那は殿下とお話したドキドキと違うドキドキで胸が高鳴る。
もしかして、今夜は順序は違うが、一夜過ごすかもしれない。
白狐にしないための運命を変えるなら結ばれることが簡単なのかもしれない。
橘を愛することが皇室を裏切らないし全てを守る覚悟にもなる……きっと……
玄関に入る前に、威津那は橘に向き直り、肩に手を置いて真剣な顔で、
「陰陽寮長に殺される覚悟できたよ」
「……………もう、もっと色っぽい言葉欲しいって言ったじゃない……」
と言って、仕方ないわね…というように苦笑して、威津那の首に手をかけて、
「私はずっと待ってたんだから……」
そう耳元で囁いて頬にキスをする。
「口じゃないの?」
威津那は残念そうな顔をする。
「それは威津那さんからしてよ…私だって恥ずかしいしドキドキしてるんだから…」
橘はもじもじする。
その様子も可愛らしい。
意を決して、屋敷の扉を開くと晴綛がボコボコになっていた。
その後ろには黒い炎が揺らめいていた。
「どうしたの⁉︎かーさま!黒いオーラ出しちゃって⁉︎」
玄関で虫の息のような父と黒いオーラを背に揺らめかす恐ろしい光景が目に入って、甘い雰囲気は、一瞬のうちに消え去った。
「まさか、お義母さんも闇を身に秘めていたとは……」
「あまりにもこの人が橘が妃になるとか、寝ぼけたことを言っているので、折檻してやったところなのです!何やら…怪しげな強い妖気にやられているようなので、久々に…ね。」
か細い拳の指をパキパキと鳴らしてにっこり三日月形に口元を歪める流花に、威津那は恐怖を感じた。
自分と似ているけれど、何か違うむしろ鬼の女将の本性のような恐ろしさだ。
ガタイが良く長身の晴綛をよくここまでボコボコにしたなと、思う。
か弱い女の腕力で殴ったとも思えないほどの顔のボコボコ感だった。
「橘が殿下の妃になるとか寝ぼけたことをほざいていたので頭の中の記憶を物理的に消し去ってあげたのです。」
むしろ命すらも消し去られそうだと威津那は思う。
「あ、宮中にいた人たちの記憶は解けだけど一時帰宅していた人たちの催眠は解けてないかも……」
これはまた菊におきてもらわなくてはと思う。
「いや、もう、途中で気がついたのだが……流花のあやかしに対する『狂気反応』が半端なくてな……ルカの神の本体の宿る身なのだから仕方ないがな……」
晴綛は気がついたようだ。
「まぁ、やっと正常にもどりましたのね、よかった」
何事もなかったかのように明るい声を出して流花は微笑む。
(こわいっ!)
橘と威津那は青ざめる。
一番怒らせたらいけない人だと認識する。
流花は晴綛に手をかざすと、淡い光が現れてボコボコな晴綛から負傷の跡が消える。
「お義母さんすごい力を持っているんだね……」
威津那は感嘆する。
「これ、神の化身の力なのよね」
「お前も、神の化身の器になればこのくらい簡単にできる。」
晴綛はニヤニヤして、
「器になるために、橘と結ばれること禁止な。
神を宿すまで…いや、宿した後も身をしばらくは清く保つのだ!」
と、晴綛の狐耳には玄関の会話が聞こえていて、これ見よがしに意地悪をいう。
「………僕がボコボコにしてもいいですか?娘さんを好きにするために…」
威津那の赤い瞳は本気だった。
「今ならあなたに勝てる気がするんですよね……」
「まだまだ、腹黒い所があるのぉ……もう少し先送りにしてやっても良いのだぞ?」
と言って小指を見せる。
威津那はハーっとため息を吐く。
「わかりました。ごめんね、橘…」
「うん、私が父様をどうにかしておくわ…」
「ふははは!殿下と結ばれるのならば娘の貞操を守るのを諦めつくが、ワシが目の黒いうちは娘を簡単にはやらん!という父親心をわかってくれ!」
といって本心を言った。
「もう、今日のところは諦めるわよ……ね?」
「うん…」
と威津那は頷きながら橘の背を抱き寄せ、
「んんっ…」
威津那は両親の前で橘と口付けを見せつけてやった。
「ふ、ふん!それくらいなら許してやる!もうワシ寝る!お前らも別々の部屋で寝ろ!いいな!」
ドスドス怒りの足音を立てて自室でいじけるようだ。
「ふふ。わかってあげてね。なるべく早く許しがでるようにお願いしておくから」
流花に言われると逆らう事は危険だと威津那は察して。
「はい。分かってます」
素直に従うことにした。
「今日は何かと大変で私、つかれちゃったわ……」
そう言って欠伸をする。
「そうだね…ふふ」
威津那は口元を緩めて笑った。
「何か楽しい事あった?」
威津那が思い出し笑いをしたのが橘は気になる。
「陰陽寮もそうだけど、阿部野屋敷も賑やかで楽しいね…」
威津那は橘と結ばれる事は今日は諦めるけれど、
(大切な皇室や家族恋人のことを考える一日になったなぁ……)
と、しみじみ思うのと守りたい…大切な物と,改で認識をしたのだった。
☆☆☆
黒御足の屋敷の暗闇の中、焔は威津那と同じように微笑み、
「そんな、威津那の幸せをぶっ壊すのが楽しみだなぁ……」
焔は瞳を閉じながら威津那の行動ら見てきた物を全て覗いていた。
焔の瞳は先見はできないが、威津那の見てきた物行動全て同じ物を見ることができる力を持っていた。
それは威津那は知らない事だった。
威津那には黙っていろと父に言われた事は正解。
父のいう事は正しいのだとさらに実感を湧く。
「その幸せを俺が握りつぶすのを待っていて……俺だけの愛しの威津那…フハハ!」
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