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九尾の狐の菊の陰謀
14☆君の名は
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「な、なんなの?あやかし?鬼?」
咲羅子は、異様な空気に刀に手をかけ身構える。
陰陽寮の庭を妖気がこの場にいる人間たちの周りを走り回り竜巻の中にいるように目まぐるしい妖気の囲いの渦にに不気味さを感じる。
「これが『眠る狐』……?」
殿下は遠子を守り、遠子との縁を邪魔していたあやかしの名前を呟く。
《ふふふ、それは私の本当の名前ではない……それとも伝えられていないのですか?》
人を試すようにけれど少し寂しそうな声音だった。
さらに、空間は複雑の感情を表すようにぐるぐると回る。
どうやら、眠る狐の異界に閉じ込められたようだ。
神々に守られた宮中でこんなことをできるなんて並外れた力を持つあやかしだ。
そんな狐を『眠る狐』と称して宮中の守りをしているのだ。
けれど、それはこの妖狐の本来の名前ではないと言う。
『眠る狐』になる前の本来の名を呼ばないとこの空間から出られないようだ。
「本当の名前を言わないと姿を現せないって言うことなのね…」
「名前は呪術…命そのものをこの世に縛り付けるための大切なものだからこそ、本当の名前を、たぶん昔の祝皇につけてもらった名前を呼んで欲しいのかな……?」
橘と威津那は名前の呪術について思いつき言う。
《そうだな……もし間違えて我の名を唱えたならば…この場にいる人間を喰らってやるぞ……》
威津那は眠る狐は九尾の狐だと思う…確信する。
『九尾の狐』という悪名高さも、この世に縛る名前の呪術…その名前だけは違うということか……
名前を言って欲しいと懇願しているように感じる。
姿を現さず声と気配しか感じない。
「もう、いい加減悪さすんのやめなよ!」
紺太は尻尾と耳を逆立てて姿を見せない眠る狐に怒る。
「他のあやかしの四神もざわついて落ち着かなくなってるんだからね!迷惑なんだよ!宮中で悪さすんのやめろ!」
紺太は『ヴーーっ‼︎』と狐耳と尻尾を最大限に逆立てて本気で怒る。
紺太は西を守るあやかしの仕事を誇りに思っているのに、本来ならその役目をする『眠る狐』が悪さをするのを本気で許せないようだ。
《ふん!我は特別じゃ、四神などに収まる器ではないわ!》
本来は西の四神としておさまりたくもなかったようだ。
だがら『眠る狐』といつからか呼ばれるようになってしまっていたのだ。
《私一人でも宮中を、陛下を守ってやるわ!》
「もとは、宮中を脅かす存在だったくせによくいうよ!だって、お前は……」
威津那は紺太の口を塞ぐ。
「これ以上言ったら食べられちゃうからだめだ。」
「うっ…威津那はもう気づいてるんだね…」
「僕の求めていた存在だとね…だけど……口に出したら食べるというから黙ってるんだ、いざとなったらみんなを守るけれどね」
煌めく赤い瞳は既に臨戦体制は整っていた。
「カラスの一族は強か…だよね…」
とボソボソと呟き合う。
殿下はハッ!とおもついて手鼓を叩く。
「九尾は、九はここのつ…ここは、菊。
皇室の花とつながる名前をいただいた時から守ってくれているんだよね
ありがとう、菊」
殿下は、ニコニコ顔で正解を待った。
『そ、その名をご存知とは…さすが将来の皇になられるかたでごさいまする!』
声は感無量という感じで悶えている様子だ。
目まぐるしい渦は止まって、ドロンと煙が出ると星空輝く空に大きな白狐が現れる。
けれどその体は夜空に透けて実態がない。
御霊だけの存在だと橘も威津那も思う。
実態がないことはあやかしとはやはり違うと思う。
御霊は、幽霊とも言えるけれど実態を持たない神にも近い存在とも言えるのだった。
咲羅子は、異様な空気に刀に手をかけ身構える。
陰陽寮の庭を妖気がこの場にいる人間たちの周りを走り回り竜巻の中にいるように目まぐるしい妖気の囲いの渦にに不気味さを感じる。
「これが『眠る狐』……?」
殿下は遠子を守り、遠子との縁を邪魔していたあやかしの名前を呟く。
《ふふふ、それは私の本当の名前ではない……それとも伝えられていないのですか?》
人を試すようにけれど少し寂しそうな声音だった。
さらに、空間は複雑の感情を表すようにぐるぐると回る。
どうやら、眠る狐の異界に閉じ込められたようだ。
神々に守られた宮中でこんなことをできるなんて並外れた力を持つあやかしだ。
そんな狐を『眠る狐』と称して宮中の守りをしているのだ。
けれど、それはこの妖狐の本来の名前ではないと言う。
『眠る狐』になる前の本来の名を呼ばないとこの空間から出られないようだ。
「本当の名前を言わないと姿を現せないって言うことなのね…」
「名前は呪術…命そのものをこの世に縛り付けるための大切なものだからこそ、本当の名前を、たぶん昔の祝皇につけてもらった名前を呼んで欲しいのかな……?」
橘と威津那は名前の呪術について思いつき言う。
《そうだな……もし間違えて我の名を唱えたならば…この場にいる人間を喰らってやるぞ……》
威津那は眠る狐は九尾の狐だと思う…確信する。
『九尾の狐』という悪名高さも、この世に縛る名前の呪術…その名前だけは違うということか……
名前を言って欲しいと懇願しているように感じる。
姿を現さず声と気配しか感じない。
「もう、いい加減悪さすんのやめなよ!」
紺太は尻尾と耳を逆立てて姿を見せない眠る狐に怒る。
「他のあやかしの四神もざわついて落ち着かなくなってるんだからね!迷惑なんだよ!宮中で悪さすんのやめろ!」
紺太は『ヴーーっ‼︎』と狐耳と尻尾を最大限に逆立てて本気で怒る。
紺太は西を守るあやかしの仕事を誇りに思っているのに、本来ならその役目をする『眠る狐』が悪さをするのを本気で許せないようだ。
《ふん!我は特別じゃ、四神などに収まる器ではないわ!》
本来は西の四神としておさまりたくもなかったようだ。
だがら『眠る狐』といつからか呼ばれるようになってしまっていたのだ。
《私一人でも宮中を、陛下を守ってやるわ!》
「もとは、宮中を脅かす存在だったくせによくいうよ!だって、お前は……」
威津那は紺太の口を塞ぐ。
「これ以上言ったら食べられちゃうからだめだ。」
「うっ…威津那はもう気づいてるんだね…」
「僕の求めていた存在だとね…だけど……口に出したら食べるというから黙ってるんだ、いざとなったらみんなを守るけれどね」
煌めく赤い瞳は既に臨戦体制は整っていた。
「カラスの一族は強か…だよね…」
とボソボソと呟き合う。
殿下はハッ!とおもついて手鼓を叩く。
「九尾は、九はここのつ…ここは、菊。
皇室の花とつながる名前をいただいた時から守ってくれているんだよね
ありがとう、菊」
殿下は、ニコニコ顔で正解を待った。
『そ、その名をご存知とは…さすが将来の皇になられるかたでごさいまする!』
声は感無量という感じで悶えている様子だ。
目まぐるしい渦は止まって、ドロンと煙が出ると星空輝く空に大きな白狐が現れる。
けれどその体は夜空に透けて実態がない。
御霊だけの存在だと橘も威津那も思う。
実態がないことはあやかしとはやはり違うと思う。
御霊は、幽霊とも言えるけれど実態を持たない神にも近い存在とも言えるのだった。
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