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九尾の狐の菊の陰謀
2☆皇太子殿下のお出まし
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「皇太子殿下、ようこそ陰陽寮へ、いらっしゃいました!」
陰陽寮職員は皇太子殿下に腰を90度に一斉に折り一糸見られず御辞儀する。
朝早くから職員指導を陰陽寮長と副長で厳しく指導された。
副長の卜部は温和だがイザとなると細かいことに厳しく指導する晴綛にとって頼れる相棒だった。
陰陽職員は陰陽寮の中庭で整列して、近衛の槐寿と咲羅子をお供にご訪問なされた。
咲羅子は殿下のそばに控えながらも陰陽寮職員の橘の姿を探す。
高良がそのことに気がついてテレパシーで橘の状況を教えて、咲羅子は納得がいってキョロキョロするのをやめる。
挨拶が終わったら橘と殿下を会わせてキスをもらうことを理解した。
香茂一族は人の心を、覗く事も伝えることもできるのはだいだいの血筋だった。
(あの方が…皇太子殿下…お近くでお会いするとやはりすごい明るい気が放たれている……闇を待とう僕には眩しすぎる…)
太陽を直視しているとは言わないがそんな感覚に威津那は襲われる。
皇太子殿下は橘と同い年の青年でいらっしゃる。
朗らかで優しいお顔をなさっている。
陽の力が強いというので激しい性格なのかと思いきや、さやかな水のような優しさな御気性だ。
水は陰と思いきや陽の気でもあると教わったことを思い出し理解する。
年老いた中務卿と楽しく会話おなさり優しい気遣いが様子を伺う職員たちにも伝わってくる。
その雰囲気もお体からにじみ出るほどの不思議な慈愛の雰囲気は胸をどこか締め付けられ、癒やされる、ホッとさせられる普通の人ではありえない魅力がある……
(これが、皇族と言われるお方の神々しい慈悲…シラスのお力……)
威津那は皇族の尊さはわかっていたが、
(これほどのものとは……)
しかも、今夜は陰陽寮にお泊りなさる。
それは宮中の職員の一日の仕事ぶりを見て父君の陛下に報告し、一番身近な国民と親しくなさるため、奥の宮中努めの末端でもある陰陽寮に、わざわざいらしてくださったことに職員皆感無量である。
陰陽寮を預かる年老いた中務卿とお話なさる。
晴綛を見ると、人の姿に戻っている。
あやかしの尻尾も耳もない。
髪の毛も日和人のように黒髪だ。
威津那はこっそり影を揺らめかせようとしても呪詛の気が一切出てこない。
消えたわけではなく、身のうちに留まって出てこれない。
(殿下は呪術封じの能力でも持っているのか…?)
だが、包石の力を思い出せば納得がいく。
封印どころか浄化してしまうほどのお力を秘めている。
殿下のキスをいただければ橘は人に戻れると思う。
本当は自らの力で人に戻したいところだが殿下ならば一瞬で人に戻せると晴綛が言っていたことを理解した。
陰陽寮職員は皇太子殿下に腰を90度に一斉に折り一糸見られず御辞儀する。
朝早くから職員指導を陰陽寮長と副長で厳しく指導された。
副長の卜部は温和だがイザとなると細かいことに厳しく指導する晴綛にとって頼れる相棒だった。
陰陽職員は陰陽寮の中庭で整列して、近衛の槐寿と咲羅子をお供にご訪問なされた。
咲羅子は殿下のそばに控えながらも陰陽寮職員の橘の姿を探す。
高良がそのことに気がついてテレパシーで橘の状況を教えて、咲羅子は納得がいってキョロキョロするのをやめる。
挨拶が終わったら橘と殿下を会わせてキスをもらうことを理解した。
香茂一族は人の心を、覗く事も伝えることもできるのはだいだいの血筋だった。
(あの方が…皇太子殿下…お近くでお会いするとやはりすごい明るい気が放たれている……闇を待とう僕には眩しすぎる…)
太陽を直視しているとは言わないがそんな感覚に威津那は襲われる。
皇太子殿下は橘と同い年の青年でいらっしゃる。
朗らかで優しいお顔をなさっている。
陽の力が強いというので激しい性格なのかと思いきや、さやかな水のような優しさな御気性だ。
水は陰と思いきや陽の気でもあると教わったことを思い出し理解する。
年老いた中務卿と楽しく会話おなさり優しい気遣いが様子を伺う職員たちにも伝わってくる。
その雰囲気もお体からにじみ出るほどの不思議な慈愛の雰囲気は胸をどこか締め付けられ、癒やされる、ホッとさせられる普通の人ではありえない魅力がある……
(これが、皇族と言われるお方の神々しい慈悲…シラスのお力……)
威津那は皇族の尊さはわかっていたが、
(これほどのものとは……)
しかも、今夜は陰陽寮にお泊りなさる。
それは宮中の職員の一日の仕事ぶりを見て父君の陛下に報告し、一番身近な国民と親しくなさるため、奥の宮中努めの末端でもある陰陽寮に、わざわざいらしてくださったことに職員皆感無量である。
陰陽寮を預かる年老いた中務卿とお話なさる。
晴綛を見ると、人の姿に戻っている。
あやかしの尻尾も耳もない。
髪の毛も日和人のように黒髪だ。
威津那はこっそり影を揺らめかせようとしても呪詛の気が一切出てこない。
消えたわけではなく、身のうちに留まって出てこれない。
(殿下は呪術封じの能力でも持っているのか…?)
だが、包石の力を思い出せば納得がいく。
封印どころか浄化してしまうほどのお力を秘めている。
殿下のキスをいただければ橘は人に戻れると思う。
本当は自らの力で人に戻したいところだが殿下ならば一瞬で人に戻せると晴綛が言っていたことを理解した。
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