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ドキドキデートと不穏の影
7☆管狐の橘
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橘は自分の手が狐の足になり、もふもふになっていてびっくりする。
橘は体を確認するために恐る恐るクルクル回ったり、飛び跳ねたり、してみる。
視界も目に入る全てが変わってしまった感じがする。
本当に狐になってしまったことに、
「に、人間に戻れなかったら威津那と結ばれないじゃなぁぁい!」
うわーーーんと、狐姿だけれど、人間の言葉をちゃんと発する。
開口一番その言葉も緊張感が緩んでしまうと威津那は苦笑するが、しゃべれる事は救いだと橘も威津那も思う。
狐の橘はまだ成人したばかりの狐みたいで若々しく可愛い。
「ごめん、まさか本物の狐になるとは思ってなかったんだ。今は管狐の君を人間に戻すことを考えよう!それしかないよね、大丈夫だから泣かないで!」
狐の橘の頭を撫でながらなんとか慰める。
前足を顔の方に持ってきて泣く仕草をすることに萌えてしまう。
そんな狐の橘のお尻のあたりから管狐の残りがニョロニョロと出てきてバカにするようにこちらを見ていた。
股に仕掛けた管狐だろう。
管狐は使役主の目にもなる。
致した時に何か仕掛けるつもりだったのだとも思い当たる……思い当たるというのも正直、焔と似ているという事で嫌になる。
(それに僕がなかなかそういうことが出来ないの知ってて、下の方に呪詛を強くしたのか?呪詛を完璧に取り払うことができないと馬鹿にして……)
と焔の考えを察して怒りが増す。
双子の兄とはいえ事あるごとに威津那を…人をバカにしておもちゃにする事を最高の喜びと感じる人間のクズだ……
双子で同じ顔であることが最大の人生の汚点だと常々思い、最近は存在自体すら思い出すことすらなかった…いやそうしていた。
それほど、感情を怒りに揺さぶり世界で一番憎い奴なのだ。
威津那は橘を突然抱き押さえて、お尻から出ている焔の管狐を手で引き抜いた。
そして握り潰し消滅させる。
「ぎゃっ!なに?何かしたの⁉︎」
内臓を引き抜かれたと勘違いした橘は威津那を見ると見たこともない憤怒…鬼の表情に橘は怯える。
威津那は確認のため橘の洋服…下着を見ると焔の印が刻まれていた。
焔が橘の恥ずかしいところを触れたこと自体万死に値する……
「あの野郎…………コロス!」
カーちゃんに乗って直接手を下す勢いだ。
「まっ!まって!私を元に戻すことを先に考えて!父様に相談しましょう!」
威津那は、怒りで、はぁーっ!はぁーっ!と、興奮する息をなんとか整えて、乱れた前髪をかきあげて、
「………そうだね。もし君が狐のままでも僕は君を愛し続けるよ」
と、橘を哀れみの瞳で見る。
「不吉なこと言わないで!絶対大丈夫!人間に戻るから!」
橘は立ち直りが早くて前向きなのが威津那の救いになった。
急いでカーちゃんに乗って阿倍野屋敷に帰ると晴綛が丁度屋敷にいた。
橘は体を確認するために恐る恐るクルクル回ったり、飛び跳ねたり、してみる。
視界も目に入る全てが変わってしまった感じがする。
本当に狐になってしまったことに、
「に、人間に戻れなかったら威津那と結ばれないじゃなぁぁい!」
うわーーーんと、狐姿だけれど、人間の言葉をちゃんと発する。
開口一番その言葉も緊張感が緩んでしまうと威津那は苦笑するが、しゃべれる事は救いだと橘も威津那も思う。
狐の橘はまだ成人したばかりの狐みたいで若々しく可愛い。
「ごめん、まさか本物の狐になるとは思ってなかったんだ。今は管狐の君を人間に戻すことを考えよう!それしかないよね、大丈夫だから泣かないで!」
狐の橘の頭を撫でながらなんとか慰める。
前足を顔の方に持ってきて泣く仕草をすることに萌えてしまう。
そんな狐の橘のお尻のあたりから管狐の残りがニョロニョロと出てきてバカにするようにこちらを見ていた。
股に仕掛けた管狐だろう。
管狐は使役主の目にもなる。
致した時に何か仕掛けるつもりだったのだとも思い当たる……思い当たるというのも正直、焔と似ているという事で嫌になる。
(それに僕がなかなかそういうことが出来ないの知ってて、下の方に呪詛を強くしたのか?呪詛を完璧に取り払うことができないと馬鹿にして……)
と焔の考えを察して怒りが増す。
双子の兄とはいえ事あるごとに威津那を…人をバカにしておもちゃにする事を最高の喜びと感じる人間のクズだ……
双子で同じ顔であることが最大の人生の汚点だと常々思い、最近は存在自体すら思い出すことすらなかった…いやそうしていた。
それほど、感情を怒りに揺さぶり世界で一番憎い奴なのだ。
威津那は橘を突然抱き押さえて、お尻から出ている焔の管狐を手で引き抜いた。
そして握り潰し消滅させる。
「ぎゃっ!なに?何かしたの⁉︎」
内臓を引き抜かれたと勘違いした橘は威津那を見ると見たこともない憤怒…鬼の表情に橘は怯える。
威津那は確認のため橘の洋服…下着を見ると焔の印が刻まれていた。
焔が橘の恥ずかしいところを触れたこと自体万死に値する……
「あの野郎…………コロス!」
カーちゃんに乗って直接手を下す勢いだ。
「まっ!まって!私を元に戻すことを先に考えて!父様に相談しましょう!」
威津那は、怒りで、はぁーっ!はぁーっ!と、興奮する息をなんとか整えて、乱れた前髪をかきあげて、
「………そうだね。もし君が狐のままでも僕は君を愛し続けるよ」
と、橘を哀れみの瞳で見る。
「不吉なこと言わないで!絶対大丈夫!人間に戻るから!」
橘は立ち直りが早くて前向きなのが威津那の救いになった。
急いでカーちゃんに乗って阿倍野屋敷に帰ると晴綛が丁度屋敷にいた。
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