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ドキドキデートと不穏の影
2☆安息のデート
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日曜日の朝から威津那と共に百貨店でデートする。
宮中からではなく、阿倍野屋敷から百貨店に行くことになった。
デートのための洋服も着たいし、陰陽師の格好をしてデートは流石にはばかられるし、高級百貨店は格式が高い。
高良が父のお下がりを貸してくれることになった。
お下がりといっても一度しか着ていない高級品に喜ぶ。
「ほんと、お金持ちだよね」
「レッドスパイ差し向けるなよ?」
「そんなことしないよ、逆に恩返しするよ」
「そういってもらえると思ってたよ」
ふっと、高良は大人のように笑った。
「信頼してもらって、うれしいよ」
二人の仲良さに橘は複雑な気分だ。
「もう、ほんと対のようになかよくなっちゃぅてるわね!」
橘は白いワンピースに桃色のカーデガンに襟元に赤いリボンで髪の毛が癖っ毛で短くても女の子らしさが際立って可愛かった。
「かわいい……」
いつもの橘とは違って見えるのは化粧もしてさらに美しさが増している。
「やっぱり、狩衣より、可愛い。」
いや、何を着てても着てなくても可愛さは変わらないけれど…
自分とのデートのためにおめかししてくれる心が嬉しい。
「でも…狩衣の方が変な虫つかなくて僕も余計な手間が、省けて良いかも…」
と、ちょっと余計なことを言ってしまうが、
「もし橘をナンパしようとする輩がいたなら即呪詛をする……」
瞳を本気できらめかしと恐ろしい本心は橘はとても嬉しかった。
「い、威津那も、いつもと違って大人っぽい」
「いや、君より八歳上だし…立派な大人だよ?」
威津那は苦笑する。
「背広もだけど、髪型が前髪上げてるから、一瞬誰かと思った……」
頬を染めて照れるようにチラチラ見ている。
前髪下ろしてるから尚更若く見えていたようだ。
「なんか、ドキドキするわ…どうしょう……」
ほんとに顔が赤い。照れてる。
照れられると威津那も照れて、もじもじカップルを見た高良はあきれる。
「今更……まぁ、いつでも新鮮な気持ちで恋をするのはすごいよな…」
と感想を述べる。
途中までカーちゃんに乗せてもらって、都内で百貨店で買い物をする。
まず最初に、威津那希望の最新の日和製のカメラを買って威津那は、ほくほく笑顔だ。
お給料のほとんどを迷いもなくカメラに注ぐとは…と、橘は呆れた。
結婚したとしても全て自分の好きなものに使う人なんじゃ……と、疑いの目を向ける。
その事にハッ!と気づいた威津那は勘違いされてると思って焦る。
「だ、大丈夫だよ…僕の汚いことしたお金を全て精算するために買っただけだから、お給料はまだあるよ。橘とのデートには綺麗なお金でしたいしね。」
「ありがとう!私のために使って今までの迷惑浄化させてね?」
と、橘はわざと上目遣いでぶりっ子して言った。
その様子が威津那にはとても可愛くて顔を赤くして言葉に詰まる。
どんだけ呪術で稼いでいたのか聞くのが怖いからそれは目を瞑る。
「でも、どこに、そんなお金を貯めてたの?どうやって引き出したの?」
銀行にも行ってないのにそんな大金を出せる事に首を傾げる。
「カーちゃん貯金だよ」
威津那はことなげにいって、黒い煙が出たかと思うとカラスを具現化させた。
そしてよしよしとする。
具現化といっても霊感あるものしか今は見えないようにしている。
「貯金箱にもされちゃうなんて…カーチャン可哀想…」
橘は哀れな目でカーチャンをみた。
「がぁぁ!」とカーちゃんは余計なお世話!というようにないて橘を嘴で突く。
「こら、橘を虐めちゃだめだよ」
そう言って体の中に収めてしまった。
「今度は私の洋服見に行きましょう!」
やはり女性の洋服選びは長かった。
威津那はやな顔せずに付き合ってくれた。
むしろ、写真を撮りまくってフィルムを取り寄せるほどだった。
そのあと、世界的有名な王子様と女スパイ記者の恋愛映画『ローマの安息』を観て橘は満足のデートで心を満たした。
付き合う威津那も橘と二人っきりのデートにとても幸せを感じてついつい気が緩んでいた。
宮中からではなく、阿倍野屋敷から百貨店に行くことになった。
デートのための洋服も着たいし、陰陽師の格好をしてデートは流石にはばかられるし、高級百貨店は格式が高い。
高良が父のお下がりを貸してくれることになった。
お下がりといっても一度しか着ていない高級品に喜ぶ。
「ほんと、お金持ちだよね」
「レッドスパイ差し向けるなよ?」
「そんなことしないよ、逆に恩返しするよ」
「そういってもらえると思ってたよ」
ふっと、高良は大人のように笑った。
「信頼してもらって、うれしいよ」
二人の仲良さに橘は複雑な気分だ。
「もう、ほんと対のようになかよくなっちゃぅてるわね!」
橘は白いワンピースに桃色のカーデガンに襟元に赤いリボンで髪の毛が癖っ毛で短くても女の子らしさが際立って可愛かった。
「かわいい……」
いつもの橘とは違って見えるのは化粧もしてさらに美しさが増している。
「やっぱり、狩衣より、可愛い。」
いや、何を着てても着てなくても可愛さは変わらないけれど…
自分とのデートのためにおめかししてくれる心が嬉しい。
「でも…狩衣の方が変な虫つかなくて僕も余計な手間が、省けて良いかも…」
と、ちょっと余計なことを言ってしまうが、
「もし橘をナンパしようとする輩がいたなら即呪詛をする……」
瞳を本気できらめかしと恐ろしい本心は橘はとても嬉しかった。
「い、威津那も、いつもと違って大人っぽい」
「いや、君より八歳上だし…立派な大人だよ?」
威津那は苦笑する。
「背広もだけど、髪型が前髪上げてるから、一瞬誰かと思った……」
頬を染めて照れるようにチラチラ見ている。
前髪下ろしてるから尚更若く見えていたようだ。
「なんか、ドキドキするわ…どうしょう……」
ほんとに顔が赤い。照れてる。
照れられると威津那も照れて、もじもじカップルを見た高良はあきれる。
「今更……まぁ、いつでも新鮮な気持ちで恋をするのはすごいよな…」
と感想を述べる。
途中までカーちゃんに乗せてもらって、都内で百貨店で買い物をする。
まず最初に、威津那希望の最新の日和製のカメラを買って威津那は、ほくほく笑顔だ。
お給料のほとんどを迷いもなくカメラに注ぐとは…と、橘は呆れた。
結婚したとしても全て自分の好きなものに使う人なんじゃ……と、疑いの目を向ける。
その事にハッ!と気づいた威津那は勘違いされてると思って焦る。
「だ、大丈夫だよ…僕の汚いことしたお金を全て精算するために買っただけだから、お給料はまだあるよ。橘とのデートには綺麗なお金でしたいしね。」
「ありがとう!私のために使って今までの迷惑浄化させてね?」
と、橘はわざと上目遣いでぶりっ子して言った。
その様子が威津那にはとても可愛くて顔を赤くして言葉に詰まる。
どんだけ呪術で稼いでいたのか聞くのが怖いからそれは目を瞑る。
「でも、どこに、そんなお金を貯めてたの?どうやって引き出したの?」
銀行にも行ってないのにそんな大金を出せる事に首を傾げる。
「カーちゃん貯金だよ」
威津那はことなげにいって、黒い煙が出たかと思うとカラスを具現化させた。
そしてよしよしとする。
具現化といっても霊感あるものしか今は見えないようにしている。
「貯金箱にもされちゃうなんて…カーチャン可哀想…」
橘は哀れな目でカーチャンをみた。
「がぁぁ!」とカーちゃんは余計なお世話!というようにないて橘を嘴で突く。
「こら、橘を虐めちゃだめだよ」
そう言って体の中に収めてしまった。
「今度は私の洋服見に行きましょう!」
やはり女性の洋服選びは長かった。
威津那はやな顔せずに付き合ってくれた。
むしろ、写真を撮りまくってフィルムを取り寄せるほどだった。
そのあと、世界的有名な王子様と女スパイ記者の恋愛映画『ローマの安息』を観て橘は満足のデートで心を満たした。
付き合う威津那も橘と二人っきりのデートにとても幸せを感じてついつい気が緩んでいた。
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